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【詩】 巡礼の歌

春、ラグナロクが終わり
神々の御代みよがはじまる

北欧とゲルマンの神話に語られた
ラグナロク──神々の黄昏たそがれ、それは
古い時代に世界をべる者であった
神々が沈んでいく姿だった

主神オーディンをはじめ
その馬スレイプニル
フレイとフレイヤの兄妹
悪神ロキ
さまざまな神々と小人たちが
この大地を統べていた

やがて人間が現れ
権力とお金をうばい合い
王とその英雄がひしめくが
結果、いにしえの宝物とともに
神々は水底みなそこに沈んだ

それがラグナロク──神々の黄昏たそがれ、そして神話時代の終わり。

今、人の世に一区切りがつく時
いにしえの力がだんだんとよみがえる
神々のあけぼの──それは人間の黄昏でもある。

動物たちが再び神と人をつなぐ仲立なかだちをしてくれる
そうして再び歴史がはじまる

history ── stories.

夢のなかでみたものを求めて
現実のこの世界をめぐる

巡礼じゅんれいの旅がはじまっている


* 新しい時代に向かうとびらをひらくのは、大切な場所や思い出の場所をまわる「巡礼の旅」なのかもしれません。去年、親友とご飯を食べた時に、彼が「巡礼じゅんれい」が今じぶんにとって大事なのだと言っていました。その会話をきっかけにできた詩です。


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