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【詩】 庭園

素敵なひとは庭をもっている
心に庭を
一人そこに佇む
安らいだ時を過ごせる

季節はめぐり
庭を彩るのは
たんぽぽ、白木蓮
野いばらとクレマチス
白百合もそこに
蔦がテーブルの脚を這っている

すずらんが揺れる頃
友人を呼ぶのも楽しい
話に花を咲かせて
涼やかな風に
ティーカップがりんと鳴りそうで
窓辺の風鈴のように
紅茶が波を立てて
ふと友人が
「この庭にプロペラが飛んで来たらいいのに…」とつぶやく

夏の空はどこまでも青い

遥かな時が流れたら
養蜂をしようか
梨の木を植えようか
ニワトコかハリエニシダがいいかしら
野苺を誰かが摘むかもしれない

早朝には雑草を抜きましょう
鉢にはじょうろで水を遣って
裸足のまま

今日も少しだけ日向ぼっこしよう
雲間から光が差す
昨日の雨で潤った土
よい木でできた椅子は長持ちします
百年でも


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