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【詩】敗北の詩

名をげて
光り輝く成功の道を行く者たちにさちあれ
その代償だいしょうを私はまだ知らない

成功には力がいる、勇気がいる、忍耐もいる
継続し、積み上げた先に道がひらける──

成功をひがんではいないし
失敗を馬鹿ばかにもしない
とくに他人をさばく気はさらさらない

だが、大きな夢を描きながら
露命ろめいをつなぐのに精一杯で
過去の聖賢せいけんの本を読みながら
お菓子を食べている私は
未熟で小さかった

時には、ミスをするのも
失敗するのも仕方がないが
負けぐせがつくのはよくない
「運が悪かった」
「ほんとはおれはスゴイんだ」
そんな風には言いたくない

人生は勝ち負けではないが
世の中にはルールがある
ルールの中で
思うようにならず
弱音を吐いた
私は負けたのだ

眠れない夜に泣き
おのれ不甲斐ふがいなさを知る

夜明け前に聞こえる鳥の声
朝が来た
日の光を浴びて
まっすぐに立とう
深く息をして、笑い、食べる

ひとしきり休息をとったら、また歩き出す


* 自分の負けを認めて、おとなしく休み、また立ち上がろうと思う詩です。

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