見出し画像

【エッセイ】まちあるき - 庶民のひとり

街に出るとき、歩くとき
時々、ひとつのことを忘れてないだろうか
つまり、自分が主人公の冒険をするとか
自分が主人公のものがたりが始まる、という
ことではなくて、誰かの営みにそっと
庶民のひとりとして参加させていただく──
少しだけ同席するのだという意識、
それがあるのかなって──

私たちは、そっと他人の物語、
ほかの家族や仕事仲間たちの物語に
加えてもらうことができる、
エキストラにもしてもらえる
そのかぎりで、自分の物語にも
出会えるかもしれない。

シェイクスピアは演劇によって
街と文化を作った
また、イギリスと近代史をも──
芝居はグローブ座でおこなわれた
みんなが主人公だったら、芝居にはならない
観客もわき役もいる
街も同じではないだろうか
などと考える


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?