【詩】もののあはれ
この国、日本では
すべては過ぎ去っていくと
誰もが知っているようで
しかしその無常は
むなしく苦しく陰鬱なのではなく
かえって
なにもとどまらないからこそ
今ここで
なにもかもがこのうえなく美しい
けれども
その美しさは続かないのだから
はかなく、ものがなしい
それが「もののあはれ」であるように思われる
だとしたら
うたは旅から生まれたのではないだろうか
* 日本の美観の根底にあると言われる「もののあはれ」と、日本人の心情の根底にあると言われる「無常観」はつながっている気がします。
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