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愛してるゲーム終わらせたいの感想を書く。第三十六話。

一日一話、愛してるゲームを終わらせたいの感想を書く。今日は第三十六話「幼なじみがはバグってる」です。

33話の寝落ち通話回に始まり、みくとゆきやの擬似カレカノデートが描かれてきた5巻でしたが、ゆきやから飛び出た衝撃の一言が風雲急を告げる36話。

「…家…かな…」

めちゃくちゃ大きく出たなおい!いいぞ!!
と思ったのも束の間、
「ごめんナシ!今のナシ!」
と慌てて取り消すゆきや。
これにはみくも驚いた様子を見せます。

一方ゆきやは
「デートがあまりに幸せで…この時間が3日間しかないから、つい欲が出てしまった。」
と思い直します。

ここでわざわざゆきやに「デートがあまりに幸せで…」って言わせる(思わせる)描写を入れるあたり作者の優しさが感じられて好き。
読者的には「じゃーしょうがないかー」と思えるよね(笑)

ただそうは思えないのは、そんなゆきやの心中を知らぬみく。

「やっぱりエロい事なんだろっ!」とゆきやに迫りますが、ごまかす様子を見て何かを感じたよう。
5巻入ってから描写が顕著なんだけど、ここまでひたすらにお互いのことを思い合ってるの本当尊いのよ。

みくは、
「今 私は彼女だから、素直な気持ち聞きたいんだけどな。」
「…ねっ?」
と告げます。
ここにきて照れも誤魔化しもせず、恥ずかしげもなくハッキリと
「今 私は彼女だから」
と伝えるみくの姿がカッコよくすらある。

そして二人はゆきや家へ…。
部屋への階段を上がりながら、他の家族が出払って不在なことを聞いたみく。
そりゃそんなリアクションになりますわ。
脳裏をよぎるのは、2巻9話でゆきやが誓ったあのセリフ。
みくの顔には(あんなこと言ってたクセに…)と書いてあるかのよう。

気後れしたままなのが癪なのか、
「部屋片すからちょっと待っててくれないか」
と伝えられるも、
「変なもの転がってたりするんだろー。見てやろっ。」
と部屋に突撃するみく。

ごちゃっとした部屋を見られ、
「くっ…死ぬ!!今朝 服漁ってそのままだったんだよな〜!!」
と恥ずかしがるゆきやですが、そんな部屋を見てみくは嬉しそうな表情を浮かべます。
自分の好きな人が、自分とのデートのために必死に準備した形跡って、何ものにも代え難い特別な空間を作り出すよね。

しかし片付けも落ち着くとやはり緊張感が生まれ…。

「よしっ!で?何するの?」
「ほら早くっ。」
と腹を括ろうとするみく。
ここまで来て観念したゆきやは徐にクローゼットに向かいます。
そして取り出したのは…

推しのコスチューム!

例によって推しの魅力をズラズラ語り、

「で、」
「これを着て、耳かきASMRをもう一度やってほしい。」

ゆきやがズラズラ語ってる最中から、堂本アイが失われまるでホラー漫画のキャラのような目となるみく。
「これを着て、耳かきASMRをもう一度やってほしい。」と伝えられると、宇宙猫を彷彿とさせるビジョンが流れ真っ白に…。

意識が宇宙に飛んだまま「ちょっと…まっててね…」と部屋を出たみく。
一人残されたゆきやは猛烈な反省、自己嫌悪と欲望との狭間で頭を抱えてしまいます。

一方壁を一枚挟んだ向こうでみくは一言。
「バカキショイ!!」

「素直に言えって言ったけど!想像の遥か斜め上っ!!」
「〜〜おばーちゃーん!!」
と助けを求める始末。

いや、まぁ……気持ちはわかる(笑)
推しのこんな可愛い衣装を手に入れて、大好きな幼なじみ(現実世界の推し)が彼女として家に来てくれて、来て欲しくなるよね。耳かきASMRして欲しくなるよね。でもさ、言っていいことと悪いことがあるだろと(笑)
いや厳密に言えば結果から見ると言っていいことだったんだろうけど、そこを無分別になっちゃうのがゆきやの強気であり魅力であり応援したくなる要素でありバカキショイところということか。
虎穴に入らずんば虎子を得ずと言いますしね。腹括ってお願いしなければ叶うことがなかったわけだから。

でもこの後のみくの葛藤を見るとなぁ…。

「自分が『素敵だな』って思う『かわいい』を頑張ってる私を、認めてほしい。」
「今の自分のままで、かわいいって言ってほしい。」

一度ポッキーゲームに手を伸ばしてしまったみく。その「反省」があるからこそ、「あんな可愛くない事で、気を引くような事はしないっ。」と誓い臨んだデート。
手を繋ぎ、彼からもらった「その服、すごく似合ってる…」という本当の気持ち。
どの締めくくりにこれですからね(笑)笑い事じゃない。

頭がバグりながらも必死に考えたみくの出した答えは…。

もうさ、急転直下ですよ。
前話のラスト直前までは、二人の幸せそうなデートの姿を見ることができて、こっちも擬似カレカノということを忘れてしまうような素敵な時間が流れて、みくの楽しそうな顔がいっぱい見れて。
そんな中でお互いを思い合う尊さを垣間見ることができて、とてもいい気持ちになれていたところでこれ。
ゆきや、お前漢だよ。

次回、満開にしてあげる!

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