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ふらふら読書記(1)

見知らぬ乗客/パトリシア・ハイスミス(訳:白石朗)

あのヒッチコックの原作の!と言っても
ヒッチコックを観ていないので、そこはよく分からない。
昔読んだ時の印象は、
登場人物の行動が意味不明すぎ、
そしてやたら暗い、
という程度でした。
しかし、この度何となく読んでみたところ、
暗い、重たい、は相変わらずですが、
登場人物の心理が丁寧に描かれていて、
例えば、
チャールズ(交換殺人を持ち掛ける方)の
ガイ(交換殺人に巻き込まれる方)
への思慕の気持ちとか(いや、大分捻れてますけど)、
孤独感とか、何にも寄る辺無い気持ちとか、
そういうものがじっくりと描かれていることによって
チャールズの行動や結末をすんなり受け入れられたりして、
(いや、大分異常事態ではありますけど)、
以前とはかなり違う印象を持ち、
ある程度人生を重ねてこそ醍醐味を味わえる本なのだと思いました。



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