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わかりやすい尿失禁

今回は尿失禁の分類について詳しく見ていきたいと思います。

このnoteは

・初めて尿失禁を勉強する人

・ウィメンズヘルスを勉強したい人

・排尿ケアに関わる人

こんな人に読んでいただけたら嬉しいです。

あわせて

こんな記事もお勧めです。

一緒に読むと関係も理解しやすいですよ!

尿失禁とは?

客観的に証明できる不随意な尿漏出

社会的・衛生的に支障をきたす

と国際尿禁制学会ICS(INTERNATIONAL CONTINENCE SOCIETY)で

定義されています。

尿失禁とは

社会的に、衛生的に支障をきたすというのは尿失禁がQOL(生活の質)を

低下させるから書かれている言葉なのかなと考えます。

社会的にという部分は本人やご家族が『社会的に支障をきたす』と感じたら

病的な尿失禁と判断されるということではないかと思います。

つまり尿失禁に関わるには、自覚症状やQOLの低下を

よく聴取するということが大切だと考えられます。

尿失禁の分類

1.腹圧性尿失禁

2.切迫性尿失禁

3.溢流性尿失禁

4.機能性尿失禁

この他にも反射性尿失禁、尿道外尿失禁、小児の夜尿症、成人の夜尿症などがあります。

尿失禁の分類

腹圧性尿失禁

女性に特徴的な尿失禁です。

男性では前立腺がんの出術後など特殊な場合のみ起こります。

腹圧性尿失禁は女性の泌尿器の構造の問題で起こると言っても過言ではありません。

以前男女の泌尿器の違いをまとめました。

詳しくは『下部尿路について知っておきたいこと』を参照してみてくださいね。

男女尿道比較

この女性の尿道の形がまっすぐで短いということと

分娩、加齢などで骨盤底の靭帯や筋膜が緩むことで

腹圧が加わったときに尿道が開きやすくなってしまいます。

腹圧性尿失禁



切迫性尿失禁

尿意切迫感(急に起こる尿意)と同時にまた直後に我慢できなくて尿が漏れてしまう状態を言います。

膀胱に尿がたまったときに膀胱筋の収縮が起こるためと考えられています。

腹圧性尿失禁はジャンプしない、重いものを持たないなどQOLに支障が出つつも予防することができます。

ですが切迫性尿失禁は急に起こる強い尿意が尿失禁を引き起こします。

そのため予防することが難しいとも考えられます。

そのトリガーは

切迫性尿失禁

こんな感覚刺激で尿が漏れてしまうのです。

これは予防するのは難しくなってきますよね。

溢流性尿失禁

膀胱に尿がたまりためきれず尿が少しずつ漏出してしまうことを言います。

尿失禁は最初にお伝えしたように

『QOLが低下する』というところが問題です。

ですがこの溢流性尿失禁は

QOLだけでなく腎機能障害や腎不全を起こす危険性がある疾患です。

そのため普通は尿失禁はQOLの改善を目的に治療していきますが

溢流性尿失禁は病態そのものが治療の目的となります。

膀胱が尿でいっぱいになり内圧が上昇すると

尿管や腎へからの上部尿路も障害されます。

下部尿路,上部尿路

そうなると水尿管・水腎症の発症となり腎機能障害になってしまいます。

尿失禁の中でただ一つ腎機能障害を起こす可能性がある尿失禁となります。

機能性尿失禁

これは下部尿路機能とは関係なく、運動機能や認知機能の低下により起こる尿失禁です。

機能性尿失禁

この尿失禁はセラピストであればよくかかわる尿失禁ですよね。

私も回復期病棟に勤めていた時によくかかわっていましたが

その時はあまり尿失禁を分類して考えていなかったので

これが機能性尿失禁だとは知りませんでした。

完全に勉強不足ですね!(かなり前の話ですが)

高次脳機能障害や認知症があるというだけでは

機能性尿失禁になるわけではありませんが

詳しく分析してどこに問題があるか評価をする必要がありますね。

ここはセラピストの腕の見せ所かもしれません。


今回は尿失禁の分類についてわかりやすくお伝えしました。

リクエストも募集していますのでいいね!やコメントよろしくお願いします。

ジーハンズ SACHIでした!

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