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シティリーグアディショナルシーズン 110大会602データ徹底分析【シティリーグ分析レポート】

はじめに(チームが出来ました!)


いつもお世話になっております。
 ポケカ データ ラボ(PDL)のぐうぐるいと申します。
チームとしては初の投稿ということで普段より丁寧な文章を心掛けております笑

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早速見て下さい。こちらの超カッコいいビジュアル。
この度、共にデータを用いた活動をする同志おすぎ(@osgggg)さんよりお声がけ頂き、チームを発足する運びとなりました。

その名も、チーム「ポケカ データ ラボ(PDL)」

その理念はポケモンカードゲームの対戦環境を、
技術やデータのチカラで「より深く解明する」「わかりやすく、伝える」ことにあります。

いわゆる情報を共有することで勝つ為の調整や考察を行なうチームとは少し毛色が異なり、我々の持つ技術やデータを使ってプレイヤーの皆さんに貢献出来ればという活動スタンスです。
とは言ってもガチガチに縛られた活動ではなく、これまで通りメンバーのやりたいこと優先でアウトプットや技術交換の場として連携しつつ、お互いのモチベーションを高めていければと考えております。

メンバー(ラボメン)は現在、おすぎさんとぐうぐるいの2名(TAG TEAM)。
お互い無名のところからのスタートなので、手始めにそれぞれnoteを書いてチーム発足の宣伝をしようということになったのですが・・・




こんなにバズれとは言っていないんですよね。



「勉強全然してない」って言ってた友達がテスト全教科満点とってた時の気分です。これほど頼りがいのあるラボメンもいないでしょう。手加減を知らないのか?

というわけで2番手のぐうぐるい、非常にプレッシャーを感じていたのですが、逆に今は肩の力を抜いて書いています。
元々誰かにすごいって思われる為にnoteを書いているわけではなく

「このレベルでもnoteって書いていいんだ」とか
「これなら自分の方がすごいことをやっている」とか

皆さんが記事を書いたり、分析した結果をアウトプットすることへのハードルを下げることが出来ればという気持ちです。

でも、すごいって言われたらそれはそれで嬉しいけど。

こんなことができます👇


愚痴っぽい書き方をしましたが、もちろん冗談です。

おすぎさんのやってきたものは評価されるべくして評価されたものだと思いますし、むしろもっと評価されるべきじゃないかとすら思っています。

志を同じくするラボメンであると同時にリスペクトの対象でもあり、ライバルでもあります。
開発者って基本的に負けず嫌いなんですよね。
隣ですごいことやってると負けるものかと自分も俄然やる気が湧いてくる。そういった意味で我々は良いチームなんじゃないかなと笑

そんな感じで今日も愚痴とエラーを吐きながら、お互い切磋琢磨してより良いものを作っていきたいと思っています。

ここから本題

自分語りが長くなりました。
コロナ禍、更には緊急事態宣言発令を受け開催中止となる店舗も多く見られたシティリーグアディショナルシーズンですが、5/23時点でついに開催数が110回に到達しました。

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得られたデータはなんと602データ。(提供:ポケカ飯さん)
ここで一度データを徹底分析してみたいと思います。
5/30 アディショナルシーズン最後のシティリーグが終了し、全大会115件310データを集計しています。分析の最後にイーブイヒーローズ環境の分析結果としてまとめておりますのでご確認ください。

また分析には前述の「シティリーグ分析レポート」の機能を利用しておりますので、レポートを活用した分析例として参考にして頂ければ幸いです。

まだレポートを見たことないという方につきましては以下をご覧ください。

※本記事では分析内容が多岐に渡る為、目次から見たい分析結果へジャンプすることをお勧め致します。

分析1.順位別上位デッキ割合

■ベスト8以上のデッキ割合
環境を把握するうえで気になるのはコレだと思います。
傾向を確認する上でもありのままのデータを見ることが重要です。まずはベスト8以上のデッキ割合から。

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ムゲンダイナがトップですね。
次いで三神ザシアン、連撃ウーラオスとなっています。

次いで黒馬/白馬ですが割合が比較的少ないところを見ると、白黒(白銀のランス/漆黒のガイスト)環境よりも双璧(双璧のファイター)環境のデータの比率が少し多いのかもしれません。

■準優勝以上のデッキ割合
更に成績の高いデッキを調べる為に、優勝/準優勝のデータのみに絞り込みをかけてみました。

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連撃ウーラオスと三神ザシアンのデッキ割合の順序が逆転しています。この現象は悪MMにも見られ、ジュナイパーの割合を下回っています。

これらは単純にベスト8までは残るが優勝/準優勝しにくいデッキと捉えることも出来ますが、逆に連撃ウーラオスやジュナイパーが優勝/準優勝しやすいデッキである可能性もあります。各デッキのベスト8〜優勝の順位比率を比較することで確認が出来そうですね。【分析2へ】

■優勝デッキ割合
いよいよ優勝デッキの割合ですが・・・。

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驚き。連撃ウーラオスがトップに躍り出ました。
やはり双璧環境のデータが多く、全体の割合に影響しているのでしょうか。このあたりは環境別にデータを分けることで確認出来そうですね。【分析3へ】

また白馬の順序がかなり後ろに下がっていたり、ベスト8や準優勝のデータでは「その他」に埋もれていたマッドパーティーが食い込んできているのも興味深いです。


■気づいたことまとめ
①ベスト8から優勝/準優勝になると占める割合の順序が変化するデッキがある(三神ザシアン、マッドパーティー等)
②連撃ウーラオス(双璧環境デッキ)に対し黒馬/白馬(白黒環境デッキ)の占める割合が少ない

おおまかにベスト8~優勝したデッキのデータを眺めることで、上記2点の気づきを得ることが出来ました。
続いてはこの①②に対して更に分析を行なうことで実態を把握していきたいと思います。


分析2.デッキ別の順位比率

分析1の結果からは、以下の気づきを得ることが出来ました。
①ベスト8から優勝/準優勝になると占める割合の順位が変化するデッキがある(三神ザシアン、マッドパーティー等)

これに対して、私の方で以下の仮説を立ててみました。
・ベスト8には入りやすいが優勝しにくいデッキがある
・ベスト8には入りにくいが優勝しやすいデッキがある

今回はデッキ毎にベスト8~優勝の順位比率を視覚化することで仮説の検証を行ないたいと思います。

■デッキ別順位比率(データ数上位14デッキ)
上のグラフは数での比較、下のグラフは割合での比較を行ったものです。
現在デッキ種が60種類を超える為、データ数の多い14デッキに絞っています。また環境は分けずに全データを対象としています。

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■優勝の比率が大きいデッキベスト3
1.ジュナイパー 35%(7/20デッキ)
2.連撃ウーラオス 30.16%(19/63デッキ)
3.ドラパルト 30%(6/20デッキ)

■優勝の比率が小さいデッキワースト3
1.草MM 7.69%(2/26デッキ)
2.インテレオン 9.52%(2/21デッキ)
3.ビクティニ 10%(2/20デッキ)

大変面白いデータとなりました。
しかし上位14件といっても、かなりデッキ毎にデータ数の差がありますね。

特に優勝比率2位の連撃ウーラオスに関しては断トツでデッキ数が多いことから一概に優勝しやすいデッキとは言い難いです。(少なくともそれ以上のデッキ数であるムゲンダイナや三神ザシアンよりも優勝しやすいデッキとは言えます)
またワースト3のデッキは全てデータ数30件以下のものであり、データ数60件を超えるムゲンダイナや三神ザシアンと比較すると「ベスト8に入りやすいデッキ」とは言い難く、比較対象としていまいちです。

そこで更に全体の59.2%を占める上位6デッキを特に「ベスト8に入りやすいデッキ」それ以外を「ベスト8に入りにくいデッキ」と定義してデータを見ていきたいと思います。

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■ベスト8に入りにくく優勝しやすいデッキベスト3
1.ジュナイパー 35%(7/20デッキ)
2.ドラパルト 30%(6/20デッキ)
3.マッドパーティー 27.27%(3/11デッキ)

■ベスト8に入りやすく優勝しにくいデッキワースト3
1.悪MM 12.82%(5/39デッキ)
2.白馬バドレックス 14.63%(6/41デッキ)
3.ムゲンダイナ 17.89%(17/95デッキ)


太字が上記の定義を行なうことで新たにランクインしたデッキです。
これでデータにだいぶ説得力が出てきました。

優勝比率トップのジュナイパーは、ベスト4以上のデータしか存在していないこともあり「ベスト8には入りにくいが優勝しやすい」デッキと言えます。(ベスト8データが取りきれていない可能性はあります)

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ジュナイパーほどハッキリとした傾向は表れていませんが、ドラパルトも同様ですね。

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前述のマッドパーティーも「ベスト8に入りにくいデッキ」を定義することでランクインしました。

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ワースト3の悪MM、白馬、ムゲンダイナはいずれも優勝比率が20%を切っています。「ベスト8には入りやすいが優勝しにくいデッキ」と言って良いでしょう。

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三神ザシアンも優勝比率が低めですが、予想に反してムゲンダイナや白馬よりは高い割合で優勝しています。ただ準優勝以上に絞ると14デッキ中ワースト3に入るほど比率が低いので「準優勝以上を狙いにくいデッキ」と言っても良いかもしれません。

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全体グラフで見られたベスト8⇒優勝/準優勝での割合が逆転する現象の傾向とも一致し、裏付けをとることが出来ました。
ただ今回の結果について気をつけるべき点は、ベスト8に含まれないデッキの割合や大会規模がデータとして取れていない箇所があることです。今後、更に細かいデータまで全て取れるようになると良いのですが・・・。

■推測:どうして優勝比率の差が生まれるか
これはデッキ特性の差によるものではないでしょうか。
「ベスト8に入りやすいが優勝しにくいデッキ」は悪MM、白馬、ムゲンダイナとデッキパワーが高いものが多く使いやすい反面、ミラーマッチや対策(メタカード)が横行し、練度を上げなければ優勝まで食い込むことが難しいデッキと言えます。
バキで言うならビスケット・オリバや花山薫ですね

対して「ベスト8に入りにくいが優勝しやすいデッキ」であるジュナイパー、ドラパルト、マッドパーティーは、素直にデッキパワーが高いとは言い難く玄人向けの印象を受けるデッキです。
バキで言うガイアや渋川剛気タイプ
しかし各マッチに対して明確なプランを立てることで、(ある程度)どんなデッキにも勝ちを見出せるポテンシャルを秘めています。メジャーなデッキではないことから対策にリソースを割いてくるデッキも限られるでしょう。

どちらを選ぶかはプレイスタイル次第、と言ったところでしょうか。

■検証結果まとめ
・ベスト8には入りやすいが優勝しにくいデッキがある
 ⇒悪MM、白馬バドレックス、ムゲンダイナ等
・ベスト8には入りにくいが優勝しやすいデッキがある
 ⇒ジュナイパー、ドラパルト、マッドパーティー等


分析3.環境(パック)別上位デッキ割合

続けて分析1で得られたたもう一つの気づき。
②連撃ウーラオス(双璧環境デッキ)に対し黒馬/白馬(白黒環境デッキ)の占める割合が少ない

これに対し、立てた仮説が以下です

・環境別のデータ数に差異がある(双璧環境のデータ比率が大きい)

早速、パック毎の環境で区切ってデータを見ることで検証していきたいと思います。単純に環境毎のデータ数を比較するだけでも答えは出るのですが、環境別の上位割合もせっかくなので見てみましょう。


■双璧環境ベスト8以上

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双璧環境のデータのみに絞ってデータを見てみます。
57大会315データでの集計結果です。

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ムゲンダイナ、連撃ウーラオス、三神ザシアンの3トップに続いてMM、少し遅れて炎タイプ(マルヤクデ、ビクティニ)が入って来ています。

連撃ウーラオス(闘)、ムゲンダイナ(悪)、MM(超)の三竦みが出来上がり、悪に弱点を突く草、草に弱点を突く炎といった具合にいずれのデッキも弱点が環境内に存在し、絶妙なパワーバランスで成り立っている環境と言えます。

■双璧環境優勝

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不動のトップスリー。しかし連撃ウーラオスが全体の1/4以上を占めています。双璧環境の覇者は間違いないでしょう。

全体ではムゲンダイナより優勝数が少なかった三神ザシアンですが、双璧環境では二位に食い込んでいます。こちらは次環境のムゲンダイナの流行り具合に答えがありそうです。


■白黒環境ベスト8以上

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続けて白黒(白銀のランス/漆黒のガイスト)環境。
53大会283データでの集計結果です。

現602データに対する白黒環境のデータは約47%となり、予想通り双璧環境のデータよりちょっと少ないですね。

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さて黒馬バドレックスが一躍トップに。露骨な環境の変化とグラフ配色の暗さに笑うしかないですね。黒馬バドレックス、ムゲンダイナ、白馬バドレックスが新たなスリートップを構成し、三神ザシアンが食らいついています。

黒馬の台頭によるものと思われますが連撃ウーラオス、MMは隅に追いやられてしまっています。

ふらっと出現した連撃カラマネロにも注目です。

■白黒環境優勝

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弱点ものともせず黒馬バドレックスが首位を獲得。
二番手ムゲンダイナが後を追います。
この順位は少し不満か?三番人気は白馬バドレックス。
連撃ウーラオス巻き返してきた。
ジュナイパーが背後を狙う。
三神ザシアン大きく失速するも、まだまだ食らいついている。
期待のルーキー連撃カラマネロが迫っているぞ。

とまあ有○記念のデッドヒートばりに優勝デッキでも環境によって上位デッキの割合は大きく変化しています。

■検証結果まとめ
・環境別のデータ数には若干差異がある(双璧環境のデータ比率が大きい)
白黒環境データ47%に対し双璧環境は53%を占める

■気づいたことまとめ
①環境(パック)によって上位デッキの割合は大きく変化している
②双璧環境は連撃ウーラオス/ムゲンダイナ/三神ザシアンのスリートップ
③白黒環境は黒馬/ムゲンダイナ/白馬のスリートップ


分析4.週次上位デッキシェア推移

分析3で環境によって大きく上位デッキの割合が変化していることは分かりました。続いては環境が実際にどのタイミングで変化しているのか、週次でのデッキシェア推移をチェックしたいと思います。


■ベスト8デッキの週次シェア推移
こちら元々はチームストロガノフさんが公開していたグラフですが、直々にご提案頂き分析レポートへ追加させて頂きました。


ただしグラフの仕様上、全く同じ条件での集計が出来ているわけでは無いことを付け加えておきます。
また週毎に5%に満たないデッキは「その他」として集計しています

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まず連撃ウーラオスは明らかに白黒環境開始の4/19週で激減しています。

同時に黒馬バドレックスは登場した週からかなりの割合を占め、ムゲンダイナも追従しているように見えますが、元々かなりの割合を占めるデッキだったので切り分けが難しいです。

白馬バドレックスは登場週こそ比率が少なかったものの、4/5W以降3週連続で黒馬以上の割合を占めています。このあたりは発売当初の注目度のイメージとも合致していますね。

ビクティニをはじめとする炎タイプが白馬の登場によるものか、バッタリ消えているのも面白いですね。

三神ザシアンはどの週も一定数おり、こちらもイメージ通りです。

個人的に興味深いのはドラパルトが姿を消した1週間後に連撃カラマネロが出てきた点です。両デッキとも超弱点を突ける悪弱点持ちですが、ムゲンダイナに弱点ワンパンされるリスクを考えると、VMAXよりも非エクのポケモンを使った方が良いという環境の変化がデータとして現れた例でしょうか。
考察が捗ります。

■優勝デッキの週次シェア推移
では優勝デッキに絞って見てみます。

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ベスト8と比較してかなりハッキリというか尖ったデータになりました。

4/5W以降はやはりデータ数自体が少ないので要約すると2,3色のグラフになってしまうということでしょう。今の環境を端的に表したグラフとして、これはこれで面白いかもしれませんが・・・。

■気づいたことまとめ
・パック発売による環境変化はパック発売週から既に始まっている

■補足:データ数について
今回データを見る際に気をつけたいのが、その数です。
例えば以下のグラフは割合を表示していますが、よく見るとそのデータ数は週毎に変化しています。
同じくらいに見えるデータでも数が倍近く違う点に注目です。

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今回は4/4Wをピークとして翌週以降データが減ってきています。
緊急事態宣言により、シティリーグが中止となる店舗が増えた為です。
このあたりを念頭において分析結果をご覧頂ければと思います。


分析5.日次上位デッキシェア推移

週次推移でパック発売週から環境が激変していることが分かったので、更にデータを細かく、日次で推移でも見てみることにします。

■ベスト8デッキの日次シェア推移(4/10~5/5)
全日数を追うのはデータがあまりに多く現実的ではないので、白銀/漆黒の発売日を含む環境変化の前後2週間にデータを絞って見てみました。

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うん駄目だわコレ。

日での傾向やデータ数が揃ってなさすぎて混沌極まっています。
データ項目も20種を超えている為、データが自動でフィルタされている箇所もありそうです。(グラフの仕様)

なんとなく連撃が白黒発売日の直前から数を減らし、黒馬が発売日から暴れていることぐらいは読み取れそうですね。

まあこの混沌がデータをまとめずに見たポケカ環境の実態とも言えます。

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■優勝デッキの日次シェア推移(4/10~5/5)
優勝デッキにデータを絞ればマシになるかな~と思って試しました。

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やっぱダメです。
カテゴリ分けが滑らかになった分、日毎のデータのバラバラ具合が際立って目に悪いですね。上記のグラフは忘れ去ってください。

ラプラスVMAXデッキが優勝していることに気づけたのが唯一の収穫です。


■気づいたことまとめ
・日次データでは日毎の傾向やデータ数が揃わず、推移での傾向が見づらい
・ラプラスVMAXのように集計でまとめられてしまうデッキにもフォーカスを当てて見ることが出来る


分析6.日次上位デッキシェア推移(土日祝日)

実は分析5でこのような結果になることはおおよそ予想がついていました。
というのも日次データの場合、平日を含むのですが平日は大会数が少なく参加者も比較的少ない為、土日祝日とはまた違った傾向が出てくることが大いに予想出来る為です。

よって、平日と土日祝日のデータを切り分けて見てみたいと思います。

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■ベスト8デッキの日次シェア推移(4/10~5/5の土日祝日)
分析5と同じくパック発売前後2週間のデータから土日祝日に絞って可視化。
今更ですが集計期間にGWが含まれているのはイマイチだったかもしれません・・・(集計期間内で4/23以降での平日開催は4/23、4/26の二日のみの為)

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綺麗なグラフになりましたね。平日に対し土日祝日のデータの方が、週次のデータ数における割合が大きいので週次シェアに近い傾向になります。
ただそれでもデータ項目が多いので、おそらく自動フィルタでデータ数が少ないものは弾かれてしまっていそうです。

週次では見られなかった傾向としては、悪MMが白黒環境以降、だんだんと環境の波に飲まれて消えてしまったところでしょうか。

また連撃ウーラオスも白銀/漆黒発売直前から数を減らしていたわけではなく、単純に平日だったので分析5ではデータ数が少なくパック発売前から数を減らしていたように見えていた可能性が高いです。
ただしこちらもデータ数が減っているタイミングと重なり、どちらが要因か切り分けは難しいと考えます。


■優勝デッキの日次シェア推移(4/10~5/5の土日祝日)
優勝デッキに絞って見てみます。

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日毎のデータが少ない為、ベスト8と比べるとばらつきが見られますが、白銀/漆黒発売日直後の4/24を境に連撃ウーラオスが一気に減っていることがハッキリ捉えられています。
ムゲンダイナ、白馬/黒馬バドレックスの流行り具合もおおよそ週次で見た傾向と同じです。

■気づいたことまとめ
・土日祝日データに絞り込むことで週次シェアと同様の傾向を確認出来る
・環境変化はパック発売翌日から既に始まっている


分析7.日次上位デッキシェア推移(平日)

■ベスト8デッキの日次シェア推移(4/10~5/5の平日)
おまけ的にですが、平日のみに絞った際の傾向も見てみましょう。

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今回設定した集計期間内では、白銀/漆黒発売後のデータが4/23と4/25の二日しか無いので発売日前後の比較としては使えないのですが、土日祝日と比較して平日のデータがバラバラなのは見てわかると思います。

こいつらが混沌の原因ですね。


■優勝デッキの日次シェア推移(4/10~5/5の平日)
一応、優勝デッキでも。

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データが少なすぎて何とも言えませんが、まとまりは皆無です。

今回のデータから、土日祝日の方が週次集計に近い環境となる可能性が高いことが分かりました。(当たり前と言えば当たり前ですが・・・)
データを元に環境分析/デッキ調整されている方は土日祝日開催のシティリーグに参加することをお勧めします。(開催規模や地域による差がある為、確実なものではありません)

■気づいたことまとめ
・平日の環境はまとまりがなく週次シェアとも剥離が大きい
・環境分析に対してはノイズとなり得る(捉える環境がどこかに寄る)


分析8.地域別上位デッキ割合

全体の環境は分かりましたが、地域別の環境ではどうでしょうか?
シティリーグと呼ばれるからにはその地域毎の環境が見られるはずです。

ちょうど良いところに都道府県別の上位デッキ割合のグラフがあるので確認してみました。
地域別グラフのアイデアはまっくさんから頂いております。


■地域別ベスト8デッキ割合(双璧環境)
※一部データ数の少ない県は表示しておりません

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比較用に全体の割合も貼っておきます。

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予想通り、というか東京/神奈川の傾向がそのまま全体に現れているような形でした。細かい差異はありますがムゲンダイナ/連撃ウーラオス/三神ザシアンのトップ3は不動です。
東京はトップ3だけで70%以上を占めており、トレンドが顕著ですね。

逆に面白いことに大阪はムゲンダイナと連撃ウーラオスが控えめでマルヤクデと悪MMが比較的多い環境です。東と西での差でしょうか。

それ以外の県はデータが少ないこともあり、まとまりが無く傾向があるのかないのか・・・。愛知とか数が多いわりに魔境過ぎてやべぇな。


■地域別ベスト8デッキ割合(白黒環境)
続いて白黒環境。

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比較用の全体割合。

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どのグラフも東西ポケカ倶〇部さんのロゴみたいな配色になっています。

緊急事態宣言により数が減ったというより、大会数がより首都圏に集中している印象を受けます。双璧では東京と神奈川のデータが56/315件と20%に満たないのに対し、白黒環境では92/286件と35%近くを占めています。

従って東京/神奈川は全体の割合と似たような分布のグラフとなります。白黒環境でも東京は全体よりトップ3の占める割合が大きいのは興味深いですね。

その他の県は双璧環境よりはまとまって見えますが、データが少なすぎですね。緊急事態宣言によってどれくらい大会が中止になったのかは、またの機会に集計してみようと思います。

データの環境通りの対戦をしたければ東京/神奈川の大会を選ぶのが無難そうです。更に言えば分析7,8の結果を考慮し、土日祝日の東京/神奈川の大会が最も全体の傾向と近くなるのでお勧めです。

■気づいたことまとめ
・東京/神奈川が全体の傾向と近い/また全体の割合へ影響を与えている
・東京では上位デッキのトレンドが極端に現れる
・東京/神奈川以外の環境は地域差が大きい


イーブイヒーローズ環境分析(5/30更新)

皆さんシティリーグアディショナルシーズンお疲れ様でした。
本項目は上記8つの分析記事執筆後に開催されたアディショナルシーズン最終週(イーブイヒーローズ環境)のデータを分析し、まとめたものになります。

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5大会30件から導かれる環境。
データ数こそ少ないですが、掘り下げて分析していきます。

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まずはいつものやつから。
早速ゲンガーが暴れていますね。パックのタイトルを忘れそうです。

新デッキとしては連撃インテレオンリーフィアが入ってきています。
またゲンガーの台頭で黒馬バドレックスは肩身が狭そうな印象を受けますね。
リーフィア、ダダリンは草弱点の悪タイプに有利が取れるのもありますが、天敵の炎タイプが環境にいないことも大きそうです。

デッキの傾向としてはゲンガー/連撃ウーラオス/白馬/ムゲンダイナ/インテレオン/リーフィアと少ないエネで起動出来るデッキが増えてきました。
竜王戦でも大活躍したブラッキーVMAXで先2から相手のVやGXポケモンを狩る動きが安定してきたのも影響が大きいのではないでしょうか。

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週次シェアでデッキの増減をチェックしてみます。

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黒馬めっちゃ減ってますね~。

データ数が少なく連撃カラマネロと三神ザシアンの数はばらつきの範囲かもしれません。

新デッキの登場以外は目立った変化は無いように見受けられます。
とはいえ、まだまだ環境は始まったばかりでこれからが波乱の予感・・・


参考までに地域別シェアも載せておきます。
※香川県はデータ数少ない為に載せられていません。申し訳ありません。

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神奈川県のグラフがやたら青いですね。
白馬と連撃インテが幅を利かせ、炎タイプが活躍出来ない理由がここにありそうです。
ゲンガーは場所に関わらず結果を出しておりパワーの高さが伺えます。


あとがき結衣

あとがきです。ガッキー結婚しちゃいましたね。
以上、今回はシティリーグのデータ110大会602データを元に8つの分析事例+おまけを紹介致しました。

JCS、今後の大会への環境分析のヒントとなりましたら幸いです。

また上記分析はほんの一例ですので、是非皆さんの手でレポートを使って分析をしてみてください。皆さんプレイヤーからの視点でデータを紐解くことで新たな発見があるはずです。
スクショや引用も自由ですので、気軽に分析し気軽に発信してください。(宣伝してくれると尚嬉しいです)

分析レポートは次シーズンも継続予定ですし、今回色々と課題も見つかったので次回はより良いものをお届け出来ればと考えております。

引き続きよろしくお願い致します。

最後に

本当はここでチームの宣伝を書くつもりだったのですが、既におすぎさんによってかなり注目を浴びているので、チーム紹介を冒頭へと移し全面的にアピールする形にしました。

せっかくなのでチーム発足の裏話でもしましょう。

今回のチーム発足はおすぎさんの企画で、チームロゴのデザインからnoteによる売り出し方までほぼおすぎさんの案によるものです。
提案頂いた段階で話の8割が出来上がっていたのでキックオフミーティングでは、ぐうぐるいはほとんど頷いているだけでした

言及したのはチーム名くらいでしょうか。

・ポケカデベロッパーズラボ
・ポケカデータラボ
・ポケカ開発室
・ポケカ研究所
・Dev room
・サミット
・テクノロジー 等々

なんとなくユニーク(固有)なものが良いと思い、並んだ候補名を片端から検索エンジンに叩きこみ、既出か否か確認している途中で1枚のカードが検索結果にヒットしました。

『ポケモンカード研究所』
イラストはPCLというロゴを背に白衣が並んでいます。

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調べてみると2004年の公式イベントのプロモカードであること。
当時「PCL」という名の白衣を着たスタッフが公式イベントでティーチングや企画発表をしていたことが分かりました。

公式のパロディとして「PDL」を掲げたら面白いのではないかと提案したところ、おすぎさんの反応も良かったのでそこから話を掘り下げていきました。

Pはポケカ
Lはラボ
Dはどうするか?Dev?Data?
⇒Developerは活動範囲が開発に限定されてしまうのでDataにしよう

といった具合でポケカ データ ラボ(PDL)が誕生しました。

レポート書いたり、開発の為に研究室に閉じこもったり、たまに隣で何を研究しているのか見に行ったり、道具の貸し借りをしたり、はたまたフィールドワークにふらりと出かけたり、ラボというのも我々の活動イメージと合致していて、場所を共有しつつもお互い好きにやっている自由な空間です。

とはいえ、私が背負うにはあまりにカッコよく看板の重さも感じています。
ラボメンとしてポケカ データ ラボ (PDL)の名に恥じぬような働きが(無理のない範囲で)出来ればと思います。

引き続きTwitterやnoteで活動発信していきますので、よろしくお願い致します。ご質問/ご意見なども随時お待ちしておりますので是非!

スペシャルサンクス!

本記事を書くにあたり振り返ると、本当に多くの方に支えられたことで実現出来た企画だったと感じます。


全ての始まり。
当企画にご賛同頂きデータ提供頂いたポケカ飯(@pokekameshi)さん

オールラウンドな頼れるラボメン。
ポケカ データ ラボを企画し声をかけて頂いたおすぎ(@osgggg)さん

行動力の化身ブロガー。
率先して分析レポート記事を書いて頂いた赤雪すずみ(@ustes_ikes)さん

なんでも出来る人。
技術者/有識者として色々相談に乗ってくださったみれ(@milles_ptcg)さん

日本と台湾を繋ぐ架け橋。
シティリーグ分析レポートをHackMDで取り上げ、台湾で多くの方に広めてくださったBlue Daze(@BlueDazeLee)さん

環境分析の先駆者。
レポートへ機能追加のアドバイスを頂いたチームストロガノフ(@team_stroganoff)さん

むしのしらせストライク杯でお馴染み。
地域別シェアグラフの提案頂いたまっく(@sh23kdkr_fan)さん

宣伝の許可/環境分析の為のデータ提供を頂いた大会主催者様、記事やTwitterでシティリーグ分析レポートに言及頂いた方々、そしてレポートをご利用頂いた皆様。

お世話になった方を挙げるとキリが無いのですが、皆様のご協力なくして今回のシティリーグ分析レポート、また本記事は完成出来ませんでした。

この場をお借りしてお礼を申しあげます。



























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