アナログとデジタル
ふと、書いておくべきだと思ったので、書いてみる。
siroのwebのaboutに書いてあることで、やや引っかかりのある言葉を使ってる。二番目の段落に書いてあるここだ。
デジタル制御やインタラクティブといったアプローチを得意としていますが、体験する人の心地よさに深みを与えるアナログな質感を併せ持ったものづくりを目指しています。
デジタル技術はあくまでその裏方として、できるだけひっそりと使っていきたいという考えです。
http://si-ro.jp/about
デジタルが得意と言っておきながらひっそりと使うと言ってみた。これは、嘘ではなく本当で、そこに結構なこだわりじみたものを持ってる。
音楽の棚
自分の作ったものの中での好例はこの作品だと思う。
これは、昔MONGOOSE STUDIOの展示「interface x furniture」展のために作った個人作品である。
なんなのか説明すると、要はこうだ。
iTunesのプレイリストが再生できる棚
棚として作られたものなんだけど、扉が特徴的になっている。磁石によって閉じた状態でくっついていて、扉を取り外して上部に収納することで、開放した状態にできる。これは、中にしまったものを見せる状態に変化するという機能で、何かを飾る棚として使ってもらうものだ。ここまでは、完全なるアナログで、家具職人に発注して作ったちょっと変わった棚。
デジタル的な機能は、音楽再生の機能で、各棚に事前に設定したプレイリストを再生することができる。棚の扉を開くことで、その棚の音楽が鳴り始める。
例えば、棚に新婚旅行の時のお土産の小物を飾ったならば、その時の思い出の曲を設定しておく。そうすることで、目と耳で思い出を味わえる。
実は仕舞う行為(曲の設定)がとても重要で、思い出の品と一緒に思い出の曲も仕舞っておけるということになる。この時間を過ごすことが実は一番重要だったりする。
デジタルを隠す理由
ここは、うまく語ればそれっぽくいうことができると思うけど、正直にいうとデジタルっぽい感じはあまり好きではないというのが理由だ。
正確に話すと、特にインテリアとして自分が所有するという場合に特に顕著に現れる。MacとかiPhone、AppleWatchも愛用してるので、デジタルなツールはどうも好きらしい。いや、大好きだ。でも、インテリアとなると、なんか自発光してるものがあんまり好きじゃない。木でも金属でも素材のテクスチャーはいいんだけど、そこにLEDとかの光が入るとなんだか苦手に見える。
自分が欲しいと思えるものを作りたいので、隠そうとすることになってしまう。でもこれはきっと共感する人もそれなりにいるのではないかと思う。なんとなく。
塩梅が気になる
デジタルに否定的な態度をとったが、基本的にはデジタルには可能性を感じてる。文脈的にデジタルって言ったけど、テクノロジーの可能性とも言える。これは間違いなくあって、色々出揃った今でもまだまだ可能性を感じるテクノロジーは生まれていると思う。今だと、ARとか機械学習とか。他にもいろいろあるだろう。
だが、自分が特に興味があるのは、その使い方である。手に馴染む、肌に合う、いいテクノロジーの在り方がきっとあって、そこを探りたいと思っている。
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