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横断組織になったデザインチームの2022年ふりかえり

この記事は GMOペパボ EC Advent Calendar 2022 の16日目の記事です。

こんばんは。GMOペパボ EC事業部でデザインリードをしているりんです。
昨年からデザインリードになった私の最初の仕事は、事業部内のデザイナーがより活躍するための組織づくりでした。
以下の記事にあるように、今年1月からデザインチームを立ち上げました。

そんなデザインチームの1年目についてふりかえります。

デザインチーム立ち上げの目的

私たちEC事業部は、主にECプラットフォームサービス「カラーミーショップ」とホームページ作成サービス「グーペ」を運営しています。その中で以下のようなデザインにおける課題がありました。

  1. ひとつのサービスに対して複数の目的別チームに分かれて運用・開発をしているが、横断的な視点でUXが考えられていなかった

  2. 目的別チームには1〜2名のデザイナーが所属していて、オールラウンダー的な動きが求められるため得意なことも苦手なこともする必要があった

  3. 2のような状況があり、スペシャリストやジュニアなどの多様性のあるデザイナー採用が難しかった。

これらの課題を解決するためには、デザイナーが横断的な視点を持ちながらより戦略的にサービスデザインに取り組む必要があると考えました。
1人で大規模サービスを横断的に見ることは難しいですが、各デザイナーが要所要所でそれぞれの エキスパートスキル※ をフル活用することで補い合い、さらに質を上げスピードが出せる状態を目指しました。
それらを組織的に実行することを目的として2022年1月に立ち上がったのがEC事業部デザインチームです。

※ペパボではデザイナーの専門性を6つの「エキスパートスキル」と定義し、各デザイナーが得意とするスキルを可視化しています。

目的別チームだった頃は各チームにデザイナーが所属しチーム内の業務を進めていた
デザイナーが各チームをエキスパートスキルで横断する体制へ

デザインチームは何を解決したか

検討段階からデザイナーが一緒に取り組む

デザインチームを作ったときに特に気をつけたのが「vs デザインチーム(社内発注先のような立ち位置)」にならないようにすることでした。私たちはみんなと一緒に課題に取り組む「with デザインチーム」であるということを何度も事業部メンバーに伝えたことで、気軽に相談してもらえる空気が作れたかなと思っています。各プロジェクトの検討段階から横断的な視点を持つデザイナーが一緒に取り組むことで、より良いユーザー体験を作ることができていると考えています。

データから考えるためのリサーチの浸透

施策やプロダクトがより大きな価値を生むためには、仮説検証のステップがとても大切です。仮説の正しさが曖昧なまま進めた結果、コストをかけてリリースしても使ってもらえなかったということは起こりがちです。そのような状況を生み出さないために、リサーチをエキスパートスキルとするデザイナーが中心となって各チームと一緒にユーザーヒアリングやアンケートなどに取り組みました。その中で目的に合わせた効果的なリサーチ手法や分析方法を知ってもらい、最終的にはデザイナーが不在でも仮説検証を進められるようになることを目指しています。
現在では開発プロセスの初期段階でリサーチが行われる習慣ができつつあり、そこで得たユーザーの声などは「格納庫」と呼ばれるNotionで一元管理することで各チームで活用できるようになっています。

ホスティング事業部デザイナーのうえぽんが、ペパボでのUXリサーチ業務のふりかえりをしてくれています!

ブランドビジョンを反映したアートディレクション

昨年カラーミーショップのブランドビジョンを策定し、それを体現するためのビジュアルデザインやライティングについて検討を進めてきました。
カラーミーショップでは来年新しいプラン「プレミアム」の提供を開始します。その事前告知のタイミングに合わせて、プレミアムプランに関するビジュアルに新しいVIを試験的に適用をしました。プレスリリースやLP、ホワイトペーパーなどに同様のビジュアルイメージを展開することで一貫性を持たせることができました。今後、新VIはサービス全体に展開予定なのでお楽しみに!(きっとそれに関する記事を誰か書いてくれるはず)

スペシャリストやジュニアデザイナーを採用できる体制に

目的別チームにデザイナーが所属していたときはオールラウンダータイプのデザイナーを中心に採用していましたが、デザインチームになったことでエキスパートスキルで活躍できる体制になり、スペシャリストやジュニアデザイナーの方を採用できるようになりました。また事業部内オンボーディングの構造化を行い、ペパボデザイナー共通オンボーディング教材も整えました。
昨年は新卒を含むジュニアデザイナーの方々にジョインいただくことができ、みなさんにご活躍いただいています!また、横断を意識したドキュメント整備がされたおかげで業務委託もお願いできるようになり、少しずつ強い組織が作れている実感があります。

チームメンバー的にどうだったか

今年の上半期が終わったタイミングで、デザインチームのメンバーとふりかえりを行いました。

良かった点

Figjamでのふりかえりから抜粋

デザイナー同士のつながりが強化されたことで相談しやすくなったことや、ドキュメントが整備されてきたことが挙げられていました。

改善したい点

Figjamでのふりかえりから抜粋

各デザイナーはメイン担当チームを持っており、横断的な視点を持つためにそれぞれのチーム同士の連携を強化していく必要があることや、サービスの複雑さをどう改善していくのかなどが挙げられていました。

改善点はあるものの、デザインチームになったことに前向きな意見が多く、心の底から安心したのを覚えています(今までで一番ドキドキしたふりかえり会だったかもw)

ぶっちゃけ課題に感じていること

問題のない組織はないということで…
横断を意識しているものの、一部デザイナーに属人化しているところがまだまだあり、来年早々に解決していきたいと考えています。
また、デザインの効果や目標達成にどのくらい寄与したかを可視化することができると良いなと思っていて、来年はそのあたりにも取り組んでいきたいです。
そして新しい仲間がもっともっとほしい!!!

デザインリードの私が大切にしていたこと

チームメンバーと期待を擦り合わせる

今年のはじめにドラッカー風エクササイズを行い、チームメンバー同士で期待することや役割の擦り合わせを行いました。次回は年明け早々に行う予定です。(本当は半期ごとにやりたい)
またチームメンバーとの1on1を月イチで実施し、業務やキャリアの話や雑談などざっくばらんに話す機会を作っています。

相談しやすい存在でいる

チームまたは事業部内外の色々なところに顔を出して気軽に相談してもらえる関係性を作ることを意識しています。実際にあらゆる場面で相談してもらえるようになったなと思っています。その際どのような相談でも建設的に解決に向けて対話することを心がけています。
デザインチームでは、週2回30分ずつ「スーパーりんタイム」という私の予定を開放して自由におしゃべりに来てもらって大丈夫な時間を作っていて、なるべくコミュニケーションの頻度を増やすことを意識しています。(デザインレビューから最近見た映画の話まで本当になんでも話でOK)

各チームの橋渡し役

自分の役割としてはデザインリードなのですが、あまりそこにこだわりすぎないようにしています。必要であればその役割から滲み出すことで、周囲のコミュニケーションを円滑にし、結果としてユーザーに良い価値を届けることができると考えているからです。デザイナーは抽象的な物事を具体に落とし込むことが得意なので、ファシリテーション役を進んで担っています。

デザインチーム2年目に向けて

今年はエキスパートスキルをフル活用することを意識していましたが、今後はスキルに加えて各々の特性も活かせるようなマネジメントができると良いなと考えています。
エキスパートスキルで活躍してもらうことは、得意なことを活かせる反面それぞれの自立性や主体性が求められます。とはいえ1人ですべてを担う必要はなく、みんなで支えあえるチームでありたいし、私もデザインリードとしてみんなの相談役や指針となれるよう来年はより一層がんばっていきたいです。
デザインチームのみんな、今年1年本当にありがとうございました!みんな100点!!!👏

そんなGMOペパボ EC事業部デザインチームではデザイナー採用を行っていますので、興味を持っていただいた方は気軽にお声がけください!


GMOペパボ EC Advent Calendar 2022 、明日はエンジニアのしおりんです!


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