桃園の誓い
どうも。
KONGです。
今年に入ってから、『数年ぶりの!!』という枕詞がついたお祭りが、全国各地で開催されている。
地域密着型のお祭り。
伝統的なお祭り。
賑やかな祭りは近くを通るだけでウキウキしてしまうKONG。
そんな今回は、いつも通りかかるパチンコ屋さんの喫煙所で起きた珍騒動の話。
パチンコ屋の喫煙所には様々な物語がある。
勝ってる人。
負けてる人。
これから戦場に向かう人。
そんな人達の中で、日常会話を繰り広げられるのが常連さん。
KONGが毎日通りすぎるパチンコ店にも、横切るたった数十秒で伝わる豊かな個性を放出している常連さんがいる。
「この店は全くダメよ!」
「全然出やしないじゃない!」
「………」
と、悪態をつきながらも、お店に吸い込まれていく、元気なおばあちゃん2人と無口なおじいちゃん1人。
このお三方をKONGの中で『劉備』『関羽』『張飛』と認識している。
オープン時にはモーニングショットで乾杯をして店内に入っていく姿はまるで『桃園の誓い』。
一人が遅れて来たであろう日は
「今日も全然ダメよ!
あんた髪なんか切ってる場合じゃないわよ!
似合ってるじゃない!」
はたまた
「今日も全然回んないわね!!
あんたと飲む酒ぐらい回んないわよ!
わはははは!」
と、3人の仲の良さが溢れている会話が聞こえる時もある。
さてさて、そんなパチンコ屋の地域にも『祭り』が開催される日があった。
その日は、地域密着の『4年ぶりの〇〇祭』。
昼下がりの時刻に通りかかるKONGも
『ほぉ〜こんなに人が来るんだ!』
『あ!たこ焼き!』
などとキョロキョロしながら歩いていた。
ちょうど、パチンコ屋の喫煙所にさしかかった時、お三方の声も聞こえてきたが、その日は少し違った。
「ふざけんじゃないわよ!
アンタ!祭りのフランク買って来るって言ったじゃない!!」
「………。」
少し気になり歩調も少し落ちるKONG。
「どう見ても私のは、ソコのコンビニで買ったヤツじゃない!」
「………。」
エピソード0を知らないKONGの予想だが、
祭がある→無口なおじいちゃんが、『祭りでフランクフルトを買ってくる』と約束する→でも買って来たのはコンビニのフランク→しかし、おじいちゃんが食べてるのは、祭りで買ったのフランク→なぜなら透明なトーレーに入ってケチャップとマスタードがかかって来ているのを食べている→おばあちゃんのは見るからにコンビニ袋に包まれたフランク。
おばあちゃん激怒する。←今ココ。
なんだかんだですぐに治まるだろうと思った次の瞬間・・・!
フェンシング選手もビックリ。
おばあちゃんがフランクフルトでの『突き』を放った。
まるでビリヤード選手が狙ったボールを突くかのように。
まるで斎藤一の牙突のように。
まるで金田一が犯人を指差すかのように。
それは永遠の様で一瞬での出来事だった。
そして、それを綺麗に躱わす無口なおじいちゃん。
ここで数年の時を経て初めておじいちゃんの生声を聞く。
「ケチャップたれるがな…」
……。
そのまま通り過ぎたKONGに『ケチャップが垂れたのか』『垂れなかったのか』を知る事術はない。
でもこの日は『4年ぶりの祭り』と同じぐらい貴重な『数年越しの声』を聞く事が出来たのでした。
そして、その翌日も3人は仲良く
『桃園の誓い』
を行い、今日も元気にジャンジャンバリバリしているのでした。
仲間って素敵ですね。
それでは!!
また!
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