アメリカの学校で誕生日パーティ!キーワードは特別感と親の努力
子どもにとって、誕生日は特別な一日。
大人になると、複雑な気持ちが出てきたり出てこなかったりしますが、子どもにとっては、文句なしにスペシャルな日です。
アメリカの小学校では、その特別な日に、クラス全員からお祝いしてもらえます。どの子も、誕生日には教室の真ん中でスポットライトを浴びるのです。
先日、娘がクラスでお祝いをしてもらったので、その様子をレポします。
スケジュールの調整
実は、娘の誕生日はもう少し先なのですが、学校はもうすぐ終わってしまいます。こういう夏休み中に誕生日を迎える子もお祝いの機会が得られるように、少し早めのパーティをしてもらいました。細やかな配慮がありがたいです。
数週間前に、担任の先生から連絡がきて、いついつに娘の誕生日のお祝いをしましょうか、という打診がきました。パーティには、親が出向く必要があるので、日時と時間を提示され、スケジュールを調整します。
お祝いのケーキ
そして当日。誕生日のケーキかそれに代わるものを、親が準備して持ち込みます。なにを持っていくかは、自由に決められます。
20数人に配る手間を考えると、切り分けが必要なケーキよりは、一個ずつの形になっているカップケーキ、クッキー、マフィン、ドーナツといったものの方が効率的で好まれます。
なにを持ち込むか娘に相談したら、前々から考えていたのか、「ドーナツ!」という答えが即座に返ってきました。ほう、ドーナツね。きっと、ほかの誰かの誕生日のときにご馳走になって、わたしもドーナツにしようと考えていたのでしょう。
ダンキンドーナツにしようかと思っていたら、夫が「クリスピークリームの方がおいしいよ」ともっともな意見を言ったので、クリスピークリームを箱買いして持っていきました。
ちなみに、いろんな種類の詰め合わせにすると喧嘩が始まるので、全て同じものを。…と先生から懇願されます。
当日、わたしと一緒に、クラス全員にドーナツを配り歩く娘は、なんだか鼻高々です。みんなに喜びを分け与えているような感覚なのでしょうか。実際、子どもたちも、誰かのお誕生日を祝うということは、特別なおやつが食べられるということなので、やったーと思うらしいです。
ウィンウィンです。
バースデーソング
次に、クラス全員でバースデーソングを歌ってくれました。わたしと娘は、先生に促されて、みんなの前に置かれたふわふわのソファ(いつも先生が座っている)に座りました。
20人の子どもたちの渾身のバースデーソングは、胸を打つものがありました。まだこういうことに全力を注げる素直さと純粋さには、パワーがあります。そのパワーの矛先が、娘とわたしの一点に集約されて、まるで集中砲火を受けたようなインパクトです。
ものすごい特別感に圧倒されます。
絵本の読み聞かせ
みんながもぐもぐと口を動かしている間に、家から持ってきた子どもの好きな絵本をクラス全体に向かって読み聞かせます。
娘が選んだのは、『THE GOOD EGG』という本。いい子ちゃんであることに疲れたタマゴが、自分の基準をちょっと緩めて、自分にとってちょうどよい加減を見つけるという話。みんな違っていいんだよ、完璧じゃなくてもいいんだよ。大人の心にも沁みそうなメッセージです。
「みんな、この本知ってる?」
と聞くと、知ってる知ってる!とあちこちで手が上がりました。この本は、アメリカではほとんどの子が知っているベストセラー絵本『THE BAD SEED』と同じ作者が書いた姉妹本です。
本読みの好きな娘が、ところどころのページを自分で読みました。この時間を楽しんでいるような堂々としたその読みっぷり。プリスクール時代は、恥ずかしがりやで、教室で一人静かに過ごすことが多かったことを思い出しながら、この一年で彼女なりに自信をつけてきたのかなと思いました。
娘のお祝い会で実施したのはここまでです。もっと豪勢にやりたい人のためにオプションもあります。
オプション① ランチを振る舞う
おやつだけじゃ物足りないという家庭は、クラス全員にランチを振る舞うこともできます。よくあるのは、ピザやチキンナゲット。この場合は、担任の先生が事前に保護者に連絡し、ご馳走になる場合はお弁当の持参が不要であることを伝えます。たまに、ピザやチキンナゲットがあまり好きではないという子どももいるので、その場合は通常どおりお弁当を持参するか、カフェテリアで買うこともできます。
オプション② グッディバッグを配る
アメリカでは、誕生日のお祝いをしてもらうときには、祝われる側がみんなをもてなすという感覚があります。なので、祝ってくれたクラスのみんなに、小さなプレゼントの詰め合わせバッグ(グッディバッグ)をお礼に配ります。
中には、小さなおもちゃ、キャンディ、シール、ハンコといった小物が詰め合わせになっています。子どもは誰になにをもらったかを驚くほどよく覚えていて、誰々のグッディバッグが良かったなどと、ずいぶん前のことを思い出して口にします。誕生日会をした際にもグッディバッグをお返しに配るのが通例ですが、「あそこのグッディバッグはしょぼかった」などと言われないように気を付けないといけません。
おわりに
誕生日はそれだけでスペシャルな一日ですが、アメリカの小学校ではそれをさらにスペシャルにしてくれます。
それでいて、準備するのは親なので、先生たちには新たな負担になっていません。なんとも合理的なシステムだと感心します。親は自分の子どもを喜ばせるために頑張りますからね。放っておいてもうまく回るシステムです。
子どもの誕生日はいつだってスペシャル。親にとっても。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
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