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デザインってなんだ

私は今、パーソンズスクールオブデザインのストラテジック・デザイン・アンド・マネジメントという修士コースに所属してる。気づけばもう学生生活の75%を終えてしまった。と言うことで少し振り返り作業をしてみようと思う。

デザインってなんですか?

この学校に入学してから、「デザインとは何か」という質問を度々授業でしたり、聞いたりしてきた。その度に、異なる回答、定義が説明されてきた。この学科ではデザインの定義が統一されていない。これは入学当初の私にとって衝撃だった。だって最も根幹といっても過言ではない「デザイン」という言葉の意味や概念が定義されていないのに、どうやって共通した認識や理解を進めていくのか?私は教えてもらうために高い金を払って来たんだ!と腹を立てるくらいだった。

デザインは広大だわ

タイトルは攻殻機動隊ネタです。そう、デザインは広大です。この学科に入ってから、Richard Buchanan (元カーネギーメロン大学デザイン学科のヘッド)という方の論文をよく目にします。私の学科は、彼の論文を要にしている様に感じます。以下は彼の論文の一文目です。

Despite efforts to discover the foundations of design thinking in the fine arts, the natural sciences, or most recently, the social sciences, design eludes reduction and remains a surprisingly flexible activity.

Wicked Problems in Design Thinking

簡単に訳すと、さまざまな学科の中で、デザイン思考の根本を探究しても、デザインを理解することは難しく、また驚くほど流動的な活動だ。だそうです。デザインの定義の話をすると、色々な領域に重なっていて、どこからどこまでがデザインなのかがわかりません。全部じゃね?とさえ思える。これが彼の言う流動性なのかと解釈しています。

学科自体がそもそも広大な問いだったのでは

今振り返ってみると、この学科に来て「これテストに出るぞ!覚えとけ!」という瞬間はなかった様に思います。当初私はデザインが何かという答えを求めていましたが、そもそもこの学科は答えを提供するというより、「問い」を提供する学科だったのでは、と今思います。
と言うのも、これまで受けて来た必須授業では現代社会の経済システムデザインリーダーシップと倫理などを、視点を変えて話して来ました。しかし、それぞれの授業で答えが明確に提示されるわけではありません。むしろ、君たちはどう考える?と問われている気がします。特にこの問いは学科名である「ストラテジック・デザイン・アンド・マネジメント」に対しても強く、教授が授業内で「あなたたちが定義していくこと」と発言することもありました。

今、私が想うデザインの定義

デザインとは何かを考えて来て、私がデザインにこうあって欲しいという願いも込めて定義します。
デザインとは、未来に対して能動的に働きかける行為のこと。
説明すると、デザインは現状に対して変化を生む行為です。そして、その行為は現時点を分析し、「こうあって欲しい」という人間の想像力・クリエイティビティーを軸に、理想的な未来を想い描きます。そして、その未来を実現するためのアウトプットを行います。これらの一連の過程全てがデザインだと私は思います。




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