お腹痛くてトイレ行ったのに「屁しか出なかった」ってごまかす人の気持ち

「ごめんちょっとトイレ行ってくるわ」

「おう」

~10分後~

「お待たせ」

「大丈夫?お腹痛いの?」

「お腹痛かったけど屁しか出なかったわ」




『本当のことを言え』

作 ゲスこ


おい、嘘つくなよ

本当はうんこしたんだろう

恥ずかしいことじゃないんだぞ

そのプライドはいったい何なんだ

どこから来たんだ、どこで生まれたんだ

あぁそうかきっと幼少期のトラウマなんだな

小学生のときに

学校でうんこしたことをからかわれたのがトラウマなんだな

それは仕方ない

鬼に金棒、子供にうんこだもの

子供が学校でするうんこは

大人が親不知抜くのときと同じくらい緊張感があるもの

でももう忘れていいんじゃない

払拭すべきなんじゃない

本当はうんこしたんだろう

からかわないから言ってごらん

うん……うん…そう…

やっぱりうんこしてるじゃないか

見栄張ってんじゃないよ

どこでそんな性格になっちまったんだ

昔のお前はもっと素直だった

あの日、覚えているか

冬の日のことだった。あの日は凍てつくような寒さだった。それこそちんちんがギア4みたいに格納されるくらいに。お前は「おしっこしてくる」と言ったな。俺は待ったよ寒空の下。ポケットに手を突っ込んでちんちんで暖をとりながら。5分後に戻ってきたお前は満面の笑みで股を濡らしていた。「おしっこ飛び散っちゃったw」。俺は恥ずかしげもなくそう言ったお前を誇らしく思った。

あのときのお前はどこに行った

あの満面の笑みをもう一度見せてくれ

まん丸黒子が楕円になるくらい笑うお前を見せてくれ

大人になるってこういうことなんだな

辛い

大人って辛い




終わり


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