無題4

夜の詩「音」


あの頃 カセットデッキの

再生ボタンを押せば 流れた

懐かしい音の響きが 

いまも胸の 奥で鳴っている


新しいうたを聴くたび

あの音の響きを 探すんだよ

だって あの頃に泣いて笑って

たくさん傷ついた思い出は

あの音の響きにだけ 

見いだせるものだから


たとえばこの先 何億光年の

時の彼方の どこか知らない土地で

懐かしいと思う そんな音に出会ったら

それはきっと 現在(いま)ここで

必死に生きている この地球(ほし)が

本当にかけがえのない

故郷だからだよ


だから いつかきっと還ってゆく

あの音の鳴るほうへ

あの音が呼ぶほうへ

いつかきっと 還ってゆく







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