カードゲームプレイヤーに「dominion」っていうテーブルゲームをプレイしてほしい。
日本中が巨大な寒波と、ウルトラ厄介なウイルスに包まれてお困りの皆さん。名作ボードゲーム(テーブルゲームとも呼ぶ)「dominion」をプレイするのです(外出れない?大丈夫。オンライン版もある。なんと基本プレイ無料)。
カードゲーム×ボドゲ=dominion
dominionは中世ヨーロッパを舞台としたボードゲームだ。プレイヤーは野心みなぎる諸侯となり、他のプレイヤーと領土を競うことになる。
領土拡大なんて言うと、剣だの鎧だの魔法だのを持ってきて殺し合いをするのかと思うかもしれないが、そんなの野蛮だ。
いや、そういう直接的な手段を取ることも出来なくは無いし、場合によってはその場の全員が武力に訴えることもあるだろう。
とにかく、武力を用いるにせよ、そうでないにせよ、権力には先立つものがどうしても必要になる。そう「カネ」だ。
銅貨で銀を買い、デッキに加える(後述)。
試合が進むと銀貨で金を買えるようになる。
そんなわけでプレイヤーはゲームが始まると、もとより与えられている銅貨を元手に、金貨や銀貨を集め始める。そして蓄えた財力で土地を押収するのだ。カネを上手く使う者が権力を手にするわけだ。
そしてここからが重要だが、dominionではこれらのカネや土地は全てカードで表現される。プレイヤーがかき集めた全ては、いずれカードの束となり、それがプレイヤーのデッキ(=領土)となる。
つまりdominionとはより強い国(ないしデッキ)を作り上げ、対戦相手に幅を利かせる対戦型「デッキビルディング」ゲームなのだ。
「slay the spire」で一時代を築いたこのゲームジャンルの始祖、とも呼ばれるのがこのdominionだ。
領主も楽じゃない
さて、お気づきの方もいるだろうが、デッキビルディング的にも、政治や経済といった観点から見ても、資源というものは無闇に貯め込むだけでは意味がない。
デッキに金銀財宝を貯め込んだとしても、それを手札に引き当てて使用することができなければ、買い物もロクに出来ない。
さらに悪いことに、このゲームにおいては、獲得した領土(勝利点カードと呼ばれる)はなんの効果も持たない。手札に引いても無駄札となる。
権力を得て、支配地が広がっても増えるのは雑務ととトラブル、ということなのだろうか。
このゲームでは毎ターン5枚のドローするが、そのターンに使わなかったカードは捨て札となる。
捨て札は自分の山札が尽きて、捨て札をシャッフルして山札とするまで使用できなくなる。
基本的に資金を繰り出して購入する回数は毎ターン1回なので、手札に大量のカネが発生しても無駄になってしまうこともある。
どの世界でも支配者の資金繰りは難しいのかもしれない。
ともかく、こういった大量の悩みを解決するために存在するのが「アクションカード」だ。
スペシャリストを雇い、カネを操れ
dominionでは各ターン一回、「アクション権」が与えられる。
アクション権を消費して使うカードが前述の「アクションカード」だが、これは金貨や銀貨などの「財宝カード」とは異なる。
アクションカードは資金として使用できないが、代わりに様々な効果を持つ。要は特殊効果カードだ。
他のカードゲームでは、これらの特殊効果カードは呪文やスペルとかソーサリー、なんて呼ばれている。プレイヤーが何かしらの魔法的な力で効果を引き起こすわけだ。
dominionでは特殊技能を持つ人々や建物、商人や兵隊などで表される。そして、dominionの領主たちは、これらの面々を魔法で召喚する代わりにコイツらを金で雇う。
デッキ内の財宝の量を増やすためにカネを使うか。
もしくは、特別な効果を持つカードによってデッキの質を向上させるか。
領主であるプレイヤーは、毎ターン判断を迫られるのだ。
もちろんデッキの強化に気を取られすぎて、肝心の領土を対戦相手に根こそぎ買い占められては元も子もない。
素晴らしいデッキも、動き出す前に試合が終わってしまえばただの紙束なのだ。
さて、肝心のアクションカードの効果は、単純に山札からドローをするもの、アクション権を増やしコンボを繋げられるようにするもの、ターン中のカード購入回数を増やしたり、様々だ。
さらに特殊な例だとデッキの次に引くカードを操作したり、不要なカードをデッキそのものから廃棄してしまうものすらある。
この類のカードは、使い方によって効用が大きく変わってくるため、慎重なプレイングが必要になるだろう。
dominionには基本セット(これだけでもめちゃくちゃ遊べる)の他に10種類を超える拡張カードボックスが発売されていて、自由に組み合わせて遊ぶことができる。
カードの使い方を覚えるのが難しいゲームなので、これから始めるプレイヤーは基本セットをしばらく練習するべきだろう。
ちなみに、基本セットを1通り遊んだ筆者が個人的に1番好きなカードは、「衛兵」だ。
このカードは次の2ドローを整えながら、デッキの不要札はゲームから除外することも出来る。
このカードで消費したアクション回数は効果で補充でき、1ドローまで付いてるため量的アドバンテージを失うこともない。
購入用の金額が5点(テーブルゲームでは5金と表現されることが多い)と重めなのが弱点か。
こんなものじゃ語りきれない
さて、長々と語ったが、実はこのnote、ゲーム具体的なルールにはほとんど触れていない。
めっちゃ長くなるんだ。ごめんなさい。
ゲーム終了条件とか、攻撃アクションカードとか、用語紹介とか…
毎回手札がリセットされる点は話したし、あとは「属州(8金で買える領土)が売り切れたらゲーム終了」というルールさえ覚えておこう。
場のカードの山が4つ売り切れてもゲーム終了となる。
それまでに相手より多くの領土を集めよう。
完全に書き忘れていたが、ゲームが終了したら財宝カードや、アクションカードは勝敗に何の影響を持たない。ご注意を。
全てはより広大な領土(用語としては勝利点と呼ぶ)を得たものが勝者となるのだ。
征服しろ。
とりあえず初めの1プレイまで
dominionにはオンラインプレイのサーバーが存在する。ダウンロードは不要だ。アカウントを作成すればブラウザで問題無くプレイ出来る。Google Chromeが必要な点にだけ注意しよう。
UIやグラフィックは正直、貧相と表現出来るだろうが、実際は操作しやすいし、このチープさもダークな雰囲気を醸し出す、1つの魅力と言えるだろう。
詳しくはこちらの記事が分かりやすく解説している。noteを書いているアカウントはdominionのオンライン大会を運営する団体のものだ。
競技志向のアカウントと言えるが、基本セットのカードを用いたゲームプランも紹介している。デッキ構築に悩んだら参考にして欲しい。
また、この団体はdiscordによる、コミュニティサーバーも運営している。
ドミニオンGPのTwitterアカウントで参加者を募集しているので、ゲームに慣れたら参加してみるのもいいだろう。私はまだ覚悟がつかない。
追伸:dominion onlineにはAI(コンピュータ)戦が存在する。練習にはうってつけだ。ちなみに普通に強い。
ちょっとだけ高めのコーヒーが買えるようになります。よろしくお願いします。