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おうちシネマ 【トニー滝谷】

80分弱という短い映画で、静謐な物語と音楽が印象的で、まるでアート作品のようだった。

ストーリーの原作は村上春樹の短編。
この映画のテーマは " 孤独 や 喪失" という重い題材にも関わらず、映像の静けさや美しさのせいか割とさらっと描かれている。
物語のBGMは坂本龍一の音楽。

主人公はイッセー尾形、一人芝居で有名な彼の演じる孤独な主人公はとても自然で役にはまっていた。登場人物は少ないが、中でも彼の存在感はとても大きかった。

また、彼の妻役には宮沢りえが出ている。
妻は夫の言葉を借りれば「服を着るために生まれてきたような人」なのだが、スタイルのいい彼女がいろんな格好をして出てくるシーンはまるでファッションショーのよう。

主人公は孤独に慣れ親しんできて、誰かを好きになったり結婚したいと思ったことは一度もなかった。しかし、ある女性に出会い初めて結婚したいと強く思うようになる。そして、付き合うこともなく出会ってすぐ彼女にプロポーズする。その時、付き合っていた人がいた彼女は一旦返事を保留にする。彼女の返事を待つ間、もし彼女と一緒になれなければ生きてはいけないと彼は思い詰める程だった。彼は彼女とめでたく結婚するのだが、その結婚生活が幸せであるほど、今度は彼女を失うことを考えると不安になった。

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