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【読書】『私たちが星座を盗んだ理由』北山猛邦【最後にぞわっとする】


YouTubeチャンネル「ほんタメ」で、ヨビノリたくみさんが紹介されていた『私たちが星座を盗んだ理由』(北山猛邦 著)。とても気になったので、手に取りました。


私の積読の列をスキップして、急に先頭に躍り出てきた本書。期待を裏切らない、心に残る一冊でした。


「ほんタメ」での紹介


気軽に読める短編ミステリとして、この本は紹介されていました。収録されているお話の一つ、『妖精の学校』についてたくみさんが話されていたのが印象的で、私もラストを知りたい、と読み始めました。


表紙や題名からは想像できない…


一見、青春ものやファンタジーのようでありながら、最後にはぞわっとするミステリーの短編集です。


先輩への恋を叶えるため、様々なおまじないを試す高校生のアキが主人公の『恋煩い』、島にある不思議な学校で生活する少年少女たちを描く『妖精の学校』、東京で借金を背負って追い詰められた男が携帯電話を拾うところから始まる『嘘つき紳士』、村に石喰いというバケモノがやってきて暮らしが一変する『終の童話』、夕兄ちゃんが姉のために星座を一つ消したあの夏、私は秘密を抱えた『私たちが星座を盗んだ理由』。


可愛らしい表紙や題名からは想像できない後味の悪さがなんとも言えません。


また、お話のその後を読者に考えさせる余韻があるのも魅力です。


「意味がわかると怖い話」のようなこの短編集、とても好みでした。自身や好きな人といった近い世界からもっともっと遠い世界まで、なんだか欲張りな一冊です。



お読みいただき、ありがとうございました。
ぜひ、絶対にネタバレを目にしないように気をつけながら、お話一つずつを堪能してみてください。


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