Steam版ソウルキャリバー6MOD『SCUFFLE』解説(未満)

 2回続けて有料記事で鉄拳関連の記事を公開したので、緩急の意味で、次は無料記事でソウルキャリバー関連の記事を公開します。ネタはSteam版ソウルキャリバー6で、内部データを可視化するMOD「SCUFFLE」についてです。

 ……と書こうと思ったのですが、既に解説を作ってらっしゃる方がいらっしゃったので、補足だけにとどめておこうと思います。

 まずMODは、いわゆる不正プログラムの使用にあたるので、導入にあたっては自己責任でおねがいします。とはいえ、ゲームプログラムそのものに改編を行ったり、ゲームサービスに対して不正を行うものではありません。可能性として、メモリを読み上げる処理に、ごくごくわずかな負荷がかかるかもしれない程度の問題と予想しています。ただし、内部でマルウェアが仕込まれていた場合は、その限りではありませんので注意してください(非公式ツールなので、可能性はゼロではありません)。また、使用を公言するのはデメリットしかないので、気を付けましょう(特にプロゲーマーとして活躍する方とかは)。

 ちなみに、自分が『SC6 INCOMPLETE CONQUEST』で公開しているデータは、わざわざ『SCUFFLE』を使用しなくていいように、データを充実させています。当然ですが、『SCUFFLE』では読めないデータも調査しています。

 では、『SCUFFLE』でデータを読み取る上の注意点を列挙していきます。

暗転演出のある技の発生

 ソウルチャージ、ソウルアタック、CEの発生は、途中で演出が割り込む兼ね合いで、発生を正確に読み取ることができません。

スライド入力の技発生

 スライド入力とは、a-B等、Aを入力後すぐにBを入力することで成立するようなコマンド入力のことです。スライド入力系統の技の発生は、a-Bの場合、「A入力開始からのタイミングで発生する」のか、「B入力が完了してから発生する」のか、「一定時間内にコマンドが完成していたら、Aモーションをキャンセルしてnフレーム後からモーションが分岐する」のか、SCUFFLEの表記上で区別をつけることができません。正確な解析は、あらためてコマ送り等で行う必要があります。

ダウンにヒットする技

 3B等、武器を振り上げるモーションの技で、相手ダウン状態にヒットする技は、ダウン攻撃部分が地上相手にはヒットしないことがあります。そのため、たとえば地上戦で発生20Fで設定されている技は、ダウン攻撃判定が発生19Fになります。その他のガードやヒット、空振りや備考のステータスも含めて、発生19Fを基点に算出されるので注意してください。

ソウルチャージ中のダメージ

 ソウルチャージを行うと、ダメージが1.1倍に強化されます。SCUFFLE上でのダメージ表示は、いわゆる基礎ダメージになっており、1.1倍する前のダメージになっています。ソウルチャージ中の専用技も1.1倍の補正がされていない値になっています。

ガードダメージ

 SCUFFLEではガード耐久値に対するダメージが、ガード耐久値フルの240点に対して正確に表示されます。一方、ゲーム本体のトレーニングモードでは、ガード耐久値に対してのパーセント割合でダメージが表示されています。トレーニングモードとの表示違いに注意しましょう。ちなみにサイトの方のデータは、割合表示です(トレモで確認できる値を転載しているだけで、正確な計算は行っていません)。

構え移行、特殊ステップ移行時のフレーム

 ガードやヒットのフレームは、相手接触後のお互いの硬直解除まので差異で算出されていますが、技後に構えや特殊ステップに移行する技は、硬直が解除されないため、正常に値を出力することができません。

ジャンプステータス

 備考欄「TJ」(Tech. Jump)で表示される値ですが、ここで表示される値は正確には「空中判定」になっているパラメータであって、ジャンプステータスではありません。

 ジャンプステータスは、下段判定や特殊下段判定を無効化できるステータスです。それに対して空中判定は、相手攻撃の被弾時の扱いを空中扱いにする判定です。ほとんどの技は、ジャンプステータスと空中判定のタイミングが一致しますが、9Aや9B等、8要素技は、基本的にジャンプステータスと空中判定のタイミングが一致していません。先にジャンプステータスが発生するため、「下段は無効できても、投げは地上でくらう」という現象が発生します。逆に、先に空中判定なのにジャンプステータスが無効となっている状態も存在するため「下段攻撃で空中ヒットさせる」ということも可能です。

GI、リベンジ、回避のフレーム

 備考欄で表示されるGI、リベンジ、回避のフレームですが、開始で1F、終了で2Fのズレが発生しています。SCUFFLE上で『GI 3~13F』とあるなら、実際はGI有効2~11Fと読み直しましょう。このバグはどのタイミングで修正されるかわからないので、注意が必要です。

MOD不具合?

 『SCUFFLE』は、鉄拳のMODである『Tekken Prime Bot』をベースに開発された経緯があります。そして『Tekken Prime Bot』は、パッチで技性能が変更された場合、ゲームの実際性能には反映されても、読み取りデータ上は変化がないケースがまれに存在していました。同様のバグが『SCUFFLE』にも継承されている可能性があります。

 『SCUFFLE』は記事執筆時点(Ver.2.25)でGit Hubが非公開となり、ツイッター経由でしか更新が確認できない状態になっています。ソウルキャリバー6本体のアップデートに、いつ対応できなくなるかわからない感じなのですが、その場合は備考欄関連のデータについて、うちでのデータ公開も不十分になる可能性があるので注意してください。

 ※サイトの公開データの検証は、録画のコマ送り解析と『SCUFFLE』のダブルチェックで行われているので、『SCUFFLE』が更新されなくなっても、サイトの更新が止まることはありません。

 以上、いぐにすが把握しているのはこんな感じです。繰り返しになりますが、サイトの方で、わざわざ『SCUFFLE』を使用しなくてもいいようにデータを公開していますので、使用は完全自己責任でおねがいします。


 

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