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天文学者の父

    Spotifyでこういう名前のプレイリストを作成して聴いています。結構気に入ってたりします。

    このプレイリストで集めたのは、以下の作曲家の作品群です。

コンスタンティン・ホイヘンス
(Constantijn Huygens、1596年 - 1687年)
…息子は、土星に環が存在することを解明した天文学者、クリスティアーン・ホイヘンス(Christiaan Huygens 、1629年 - 1695年)。

ヴィンチェンツォ・ガリレイ
(Vincenzo Galilei, 1520年頃 - 1591年)
…息子は、木星四大衛星の発見や「それでも地球は動いている」等で著名なガリレオ・ガリレイ(Galileo Galilei、1564年 - 1642年)。

    両名とも、歴史に名を残す天文学者の父親であり、かつ、音楽史に名を残す音楽家なのです。
    こういうのは、子どもの頃から星好きでもあり、音楽好きでもある私には、クロスファイヤー的に燃える要素です。

    かの大バッハよりも前の時代なので、聴こえてくる音楽の印象もだいぶ違います。逆に現代の私の耳には新鮮に聴こえます。
    テレワークBGMとしてもよいです。仕事の邪魔にもならず、耳が寂しくもならない。曲自体はもの寂しげなのもありますが…。

    両名とも、息子に音楽教育をおこなっていたようで、プレイリストには息子ホイヘンスの作品もありますし、ガリレオ・ガリレイもリュートをよく奏したようです。
    そうすると、ガリレオ・ガリレイ作曲の作品があってもよさそうなものですが、見かけたことはありませんね。数学の勉強の方が忙しかったのかな…。

    プレイリストには、ガリレオ・ガリレイの弟、ミケランジェロ・ガリレイ(Michelagnolo Galilei、1575年 - 1631年)の作品も入っています。
※ダヴィデ像やシスティーナ礼拝堂の天井画・祭壇画で有名なミケランジェロ・ブオナローティとは別人です。
※ミケランジョロ、ミケランニョロ等の表記も見かけます。

    弟ミケランジェロは、音楽家としてはあまり成功しなかったようで、兄ガリレオによく支援を求めていたようです。
    以下は、兄ガリレオが書き残した、弟への支援の一部。ここまでくると、支援というよりも、一種の「たかり」では…(笑)。

リュートの弦(25ダース) 28リラ
リュート(3台) 98リラ
靴(10足) 35リラ
クリケット用品
(木槌2本、棒4本、ボール12個)18リラ
石鹸(2個) 9.12リラ
ベッドカバー 9リラ
ズボン(金色、絹製) 30リラ
手袋(4対) 28リラ
上記を入れる箱(1個) 6リラ

…「世界の名著 21 ガリレオ」(中央公論社)より

    こんなふうに、音楽と科学という、一見別ジャンル同士が、クロスして歴史に残っているというのは、個人的に面白くて仕方ないところです。
    まあ、でも当時は、音楽と数学の間に、学問的な境界はなかったみたいですね。ホイヘンス親子にしても、ガリレイ親子にしても、特にお互い別ジャンルと意識していたわけではなかったかもしれません。

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