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秋葉原「シンカムイ」小伝馬町「十思湯」ローソン「吉村家(即席麺)。セクシー女優を目の当たりにして為す術もない私

秋葉原で17時頃に昼飯を食べた。

なんでそんな遅い時間に昼飯を食べたのかと言うと、セクシー女優さんがカレー屋に立つイベントがあったからだ。

私の好きなセクシー女優、一条みおさんは北海道出身だ。

北海道の酪農家を応援するために秋葉原の「シンカムイ」というカレー屋でミルクを使ったコラボメニューを打ち出していたわけだ。

そして5月27日と28日の2日間だけ、実際の店舗に立つとのことだった。

私ごとだが、私は好きなアイドルやセクシー女優がいても握手会のようなイベントには行ったことがなかった。

付き合えない女性にお金を払って写真を撮ってもらったり、握手をしてもらっても仕方がないと思っていたし、他の男性ファンの姿を目の当たりにすると嫉妬してしまいそうだからだ。

しかし趣味のカレー食べ歩きのついでに、好きなセクシー女優の顔を拝めるのなら悪くないと思った。

一条さんが店頭に立つイベントは15時~19時の間だ。

「カムイ」は秋葉原のスープカレーの名店で、以前に本店には行った事があるが量が多かった気がした。

昼飯を食べたら19時までに腹が減らなさそうだし、それなら昼飯を抜いて15時頃に行こうと思っていた。

しかし私は計画した通りに予定をこなせない人間なので、実際に秋葉原に到着したのは17時だった。

店の外にまで並びが出ていたら面倒だなと思っていたのだが、中途半端な時間のせいか、席は9割型埋まってはいたものの並ばずに入る事ができた。

私が通されたのは奥のソファ席だ。他の席に比べて豪勢な椅子で、それも隅の席で落ち着いた環境だ。

普段なら大歓迎だがカウンターに立つ一条さんからは一番遠い席だ。

近くても何ができるわけでもないし、遠くから心ゆくまで一条さんを眺められるのだから良いと思っていたのだが、やはり近くのお客さんは多少なりとも話しかけられていて羨ましかった。

どうせならコラボメニューを頼もうと思ってメニュー表を見たら限定のシチューとライスのメニューがあった。

しかし値段は2000円と、店のメインメニューのスープカレーですら1300円ぐらいなのに、少し高いなと感じた。

私はコラボメニューの内容は事前調査していなかったので少し価格に躊躇したが、コラボメニュー発案の当人が立っている中で通常メニューを頼むほど気の利かない男ではなかった。

そして私は颯爽と2000円のシチューとライスを頼んだのだった。

シチューライスは非常に美味しかったのだが、一条さんとの距離はかなり離れているのに緊張してご飯が喉を通らなかった。

憧れのセクシー女優を目の前にして為す術もなく、緊張し、シチューも満足に飲み込めない自分が惨めに思えた。

1人のお客さんは「お礼を言いたかった」なんて言い出したかと思えば「あんな素晴らしい作品(アダルトビデオタイトル)」を作ってくれて、感謝しているんだ」なんて言い出した。

なんて愚かで馬鹿らしい話なんだろうと思いながら見ていた。

大の大人がセクシー女優を目の前にして「アダルトビデオを作ってくれてありがとう!」だなんて滑稽だなと思った。

しかし、やはり、手が届く範囲にセクシー女優さんが見えると、私も気持ちを抑えられなくなってきた。

このまま奥の席では一言も話す機会を得られずに店を出る事になるだろう。

私は意を決すると1000円の写真撮影メニューを注文した。

写真撮影と言っても手持ちのスマホをスタッフに預けて4、5枚の写真を撮ってもらうだけのものだった。

とは言え、一条さんの近くに行けるわけだから、さすがに一言二言は言葉を交わせるだろう。

何人かの写真撮影の後に、ついに自分の順番が回ってきて○○番の方と名前が呼ばれた。

私は一条さんを前にして「○○の企画とかVRとか好きです!応援しています!」と、つまりは「アダルトビデオを作ってくれてありがとう!」という意の事を伝えた。

男性とはあまりにも愚かで滑稽な生き物なのだ。もしかしたら、その時の自分は後ろ指を刺されて笑われていたかもしれない。

それでもいいのだ。今を生きる、とは、そういう事なのだ。自分自身を笑い飛ばせるような人間が真の幸せを手にするのだ。

そしてカチンコチンに緊張しながらスタッフに写真を撮ってもらった。

撮ってもらった写真を確認すると、綺麗な一条さんと、汗で額のテカった自分の姿が映し出されていた。

お洒落にも気を使ってかっこつけているつもりだったが、ただのAV好きの中高年が映り込んでいる写真を見て落ち込んだ。

それでも、ただカレー屋に足を運んだだけで少年時代のようなワクワクと良い意味での緊張感を得られた事にだいぶ満足がいった。

店を出ると買いたいものがあったので秋葉原の店を何軒か回った。

回っているうちに高校生の頃に通っていたゲーセンを見かけて、懐かしくなって中に入った。

ほとんどのゲームセンターは年月と共に新しいゲームに入れ替わっていくのだろうが、秋葉原のゲーセンは永遠とレトロゲームの名作が置かれていた。

自分が高校生の頃にプレイしていたシューティングゲームを、あれから10年以上経った今でも大人がプレイしていて、ここは時が止まっているのかと思った。

しかし格闘ゲームをプレイしている人口は目に見えて減っており、既にゲームセンターは私が学生の頃の盛り上がりを失っているのだと知って悲しくなった。

ゲーセンを出ると帰ってもよかったのだが、なんとなく家に帰りたい気持ちになれず、結局はいつも通りにサウナに向かった。

秋葉原から小伝馬町に移動すると「十思湯(じっしゆ)」という銭湯に行った。

公民館みたいな施設の2階にあって、事前情報がなければここに銭湯があるとは思わないだろう。

2階に上がると暖簾をくぐりサウナ料金を払って中に入った。

無機質な入り口とは違って、入浴スペースはデザイナーズ銭湯になっておりモダンなデザインで驚いた。

土曜日なので当然と言えば当然だが、わかりにくい立地の銭湯にしては人で溢れかえっていた。

サウナ室は立派なもので、しっかりとした熱さだ。

対して水風呂は水道水を入れただけとのことで25度越えだった。

たっぷり3分ほど浸かると、ようやく整いに近い感覚に近づいてきた。

キンキンの水風呂、というわけにはいかないが、たまにはぬるま湯みたいな水風呂に長く浸かるのも悪くなかった。

水風呂を出て風呂のヘリに腰掛けて休憩していると番台と思われる男性が何やら声を上げていた。

サウナの鍵をなくした人がいたらしく「気をつけてくださいね!」と怒られていた。

大人の男性が小学生のように怒られているのが、なんだか面白かった。

とにかく鍵をなくす人が多い銭湯のようで、その後も「何番の鍵の方はいますか?」と声が響いたり、なんだか忙しない銭湯だった。

風呂を上がるとソファがあり、自動販売機の飲み物を飲みながらくつろげた。

珍しく「メッツ」の缶があったので飲んだ。「メッツ」は炭酸飲料で、私が飲んだのは要はコーラなのだが強炭酸でコカ・コーラとは違った味わいだ。

幼い頃にレジャープールで飲んだのが非常に美味しくて、それ以来「メッツ」を見つけたら極力飲むようにしていた。

風呂を出ると普段ならラーメンを食べて帰るのだが、夕食が17時頃だったので、そんなに腹が減っていなかった。

更には夕食が遅かったせいで、風呂を出たら既に22時ぐらいであり、あまり食事を摂るのに好ましい時間とも思えなかった。

結局、まっすぐ帰ることにしたのだが、家の近くになって小腹が空いてきてローソンで「吉村家」のコラボカップ麺を買った。

「吉村家」は横浜にある家系の名店で、私も以前に2時間ぐらい並んで食べたことがあるのだが、今までに食べた家系の中でダントツで美味しかった。

即席麺が、その名店の味を再現できているとは思ってはいなかったのだが、食べてみると案外悪くなかった。

画像は微妙ですが美味しいんです

海苔が3枚入っているのも嬉しかった。結局スープも完飲してしまった。

普段はカップ麺自体をあまり食べないので新鮮な気持ちだった。

いつもの休日とは違った、こんな1日も悪くないだろう。

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