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パスタ 2

梅野田「18、19の頃かな、『蛸のような友達と旅行に出掛けた帰宅途中、ぼろぼろのアパートの外壁に携帯電話が無数に貼り付けてあってそれでまあ紆余曲折あって、結局、蛸のような友達は真っ赤に茹で上がった』って言うような内容の小説を書いたんだけど、あんなのどう言う感覚で書いたんだろうな。はは。今じゃあ無理だわ。はは」
飴川「つうか小説なんか書いてたの」
梅野田「うん。暇な時書いてた」
飴川「ふうん」
梅野田「うん。はは」
飴川「腹が減ったな」
梅野田「うん」


飴川「ナポリタン喰う?」
梅野田「ナポリタン?」
飴川「ナポリタン」
梅野田「何でナポリタン」
飴川「何でって、お前」


飴川「ナポリタンだよ」
梅野田「ナポリタンか」
飴川「そうだろナポリタンはナポリタンだろ」
梅野田「うん。ナポリタンはナポリタンで出来てるからな」
飴川「じゃあナポリタンを作るか」
梅野田「うん。ああ昨日の餅つき大会の帰りにシーチキン買ったよな、あれ使ったら」
飴川「うーん。ほんとなあ。何だろなあ。あんなの買わなきゃ良かったなあ」
梅野田「最後お土産に沢山餅貰ったからお前ん家で餅パーティーやるって、帰りにスーパーで自分で買ったんじゃん」
飴川「そうだけど」
梅野田「だろ。他にもなめ茸とかピクルスとかはんぺんとか、色々買って来たじゃん」
飴川「お前、だってもう餅つき大会でふらふらになるくらい餅喰いまくったぞ俺ら。そんなに喰えるかよ」
梅野田「何言ってんだよじゃあパーティーとかぬかすなよ」


飴川「パーティー」


梅野田「あぁ?」

飴川「そうなんだよ」

梅野田「何が」

飴川「俺はパーティーがしたいんだよ。餅はどうでもいいんだよ。パーティーが出来りゃ何でもいいんだよ俺は」
梅野田「そう言うことか」
飴川「そうなんだ」


梅野田「だからナポリタンなんだな」


飴川「そう言うことだ」

梅野田「ナポリタンパーティー。俺も物心付く頃にはもう憧れていた」
飴川「俺もまだ首がすわっていない頃から常に憧れていた」
梅野田「本当、母胎に居る頃から憧れ焦がれていた」
飴川「自然なことであるが精子の頃から憧れ待ちわびていた」


飴川「パーティー」
梅野田「パーティー」
飴川「華麗なナポリタンパーティー」
梅野田「優雅なナポリタンパーティー」


ふたり「ナポリタンつき大会」



取り敢えず開催はするみたいですよ。

終わり

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