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農村ボランティアの仕組みが注目を

おはようございます。11月もあっという間に最終日になってしまいました。鳥取で”地域×若者”をやっているゲンヨウです。今月はいろいろプログラムがあってバタバタしています。

そんな中、11月13日に富山県庁さんに声掛けいただいて、農村ボランティアの仕組みと若者が地域に関わることについて講演させていただきました。今日はその辺で話したことをダイジェストでここに書いていきます。

1.地域の担い手を広げる

鳥取県では2004年度から、農山村ボランティア派遣の事務局を民間委託していて弊社がプロポーザルを経て受託しています(毎年だったり3年に一度だったり契約期間は変わりつつもやってます)。

国と県で造成した”水土基金””棚田基金”を活用して農山村ボランティアの派遣を行なっています。農業用水やため池の保全などのために使うこととし、各県で造成されています(岡山県など基金を辞めている県もあるみたい)。
鳥取県ではその財源の一部を活用して約20年、農山村ボランティア派遣を継続しています。

現在は”農村16きっぷ”というプロジェクトとして大学生チームが派遣したり地域で企画をやったりする流れになっています。

農山村ボランティア派遣単純な図

2.大学生ボランティアが地域に関わること

僕たちの派遣は主に大学生が農村地域の共同作業(水路清掃、鳥獣害防止柵の設置、草刈りなど)をお手伝いするモデルです。

大学生は農学部生が多いのですが、最近は地域学部の学生も参加してくれたりと、”農業”に興味ある学生さんや”農村”に興味ある学生さんも参加してくれています。各地に地域系の学部は増えており(鳥取大学は地域学はかなり早く始まっているので老舗らしい)、モチベーションがある学生が地域参加のキッカケを探している感覚はします。

大学生は最大でも4年、1年生の最初から関わっても平均的には3年生の前期ぐらいで就活や卒論に向けた研究室が忙しくなるので、2年半くらいの関わりです。毎年、新しい人が来てくれることで成り立っています。

地域の方も、学生たちの卒業は寂しいと感じつつも、新しい人が来るという面白さも感じてもらえるのが、この仕組みの一つの可能性だと感じています。

身近な若者が少ない地方都市においては、時間の使い方に比較的融通が利く大学生(決して暇ではないです)が関わってくれることも継続のポイントになっています。農村ボランティアは単純作業ではありながらも一定程度の体力が必要な場面もあるので、従来のボランティア層である高齢者が担うにはちょっと難しいものもあります。受入側は高齢者ばかりですが、普段から畑仕事などで体を動かしている人が多いので、70歳、80歳でも動ける人が多いです。

ため池の保存の集合写真

3.地域で大学生が企画をやったりする余白

農山村ボランティアは年に各集落には多くて数回派遣するのですが、1か所は1回から2回という少ない頻度での作業になります(共同作業がそんなに多くないので)。そのため、もっと地域と学生が関わる事が出来ないのかという話が2008年頃に三朝町三徳地区で起こりました。その時をキッカケにして生まれたのが”田舎応援戦隊三徳レンジャー”です。

田んぼの前で集合写真

三徳レンジャーは、米作りを生産から販売まで三朝町で田んぼをお借りして実行しています。田植えから稲刈りまで、水路清掃や地域のまつり参加と、米と人とのかかわりを続けています。できたお米は、webで販売したり、大学祭で鳥だし茶漬け屋さんをやったりして稼いでいます。収益を翌年の作業などに再投資している感じです。

地域の後見人も3代目まで変わってきていて、10年超える企画になると積み重ねが凄いです。相談しながらお米を作っていくのですが、当初はいろいろ教えていただいたり、道具も貸していただいたりしていました。
少しずつ自分たちの道具を揃えたり(売上から出す)、最近ではご縁あって空き家・作業小屋を借りられるようになって農家みたいになっています。

地域に還元する意識も当初から持っていたので、県外販売や三朝のお米が美味しいアピールを続けてました。数年前に三朝温泉観光大使に任命されて、鳥取県外に販売企画に行くときは役場から幟旗をいただいてPRもしています。活動当初では想像できなかった広がりを、地域の余白をうまく使って学生たちが成し遂げています。

4.続けることで面的に見せられるように

一つ一つの地域の事例を積み重ねてきたのですが、20年も続けると面で見せられるようになってきました。単純作業のボランティア支援から、大学生と地域の企画、地域系プロジェクトの実施、卒業生の移住など。かなり幅広く関わりを積み重ねてきています。

これまでの関わりを面的に見せると

ボランティア数で言えば、毎年延べ約500名、派遣回数は約100回。プロジェクトとして4つの企画が進行していて、県内11市町村に関わった若者がIターンしています。続けるって大事だなと思っています。

5.終わった後に

こんな感じで1時間お話をさせてもらいました。質疑応答の時間がなかったので細かなお話は聞けなかったですが(会場がかなり広かったので仕方ないかも)。帰りがけに声掛けいただいてやり取りさせていただいた方からは、地域の若手(40代)をどう一緒にやっていったら良いか?とか大学生と連携するキッカケづくりはどうすればという話にもなりました。声掛けしてもらえると嬉しいですね。

その辺はおまけ部分で最近の動きを書こうと思います。今日はここまで

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