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単年度制の集落運営を考える

日曜日は集落の経営ノートです。約90世帯の農村集落の会計をやっているゲンヨウです。一年間の会計作業を通じて、地方自治の最小単位としての集落の運営方法について思うことをつらつらと書いています。今日は単年度事業制度について。

1.地域の一年の区切り方は正月または春

自治会の年度は「1月はじまり~12月終わり」のところが多いです。そのため、11月になると決算に向けて動きます(一部、行政の区切りである4月~3月というところもあります)。僕の地区は1月~12月が一つの区切りです。

そんなわけで、会計書類をまとめています。正月を一つの区切りにする方が、昔ながらの行事などの区切りとも一緒になるので、農村集落では良いのではないかと感じています。

個人的にも4月区切りだと、本業の忙しい時期とも被ってしまうので、1月区切りで良かったなと思っています。

2.役員の多くも一年交代

みんな仕事なり何かをやりながらやるわけなので、基本的には一年交代の役回りです(でないと誰も受けなくなります)。多くは毎年行われる地域内の行事(お祭り・草刈り・会議)の遂行と年会費の集金や市報など配りものの作業なので、それほどやることは難しくないです(指示に従って動けば良いことが多い)。

区長、副区長、会計の3役についてはやることが多いので人は選ぶかなと思います。特に区長さんは役場との折衝があったり、区長会があったりするのでかなり時間を割かれます。僕はパソコンができそうという理由で会計になりました。

3.前年踏襲の運営の弱点

単年度事業は、比較対象が前年度になります。運営を進めるために、前の役員に聞く、もしくは前年の資料をもとにやるからです。多くのことはそれで何とかなるのですが、大きな判断が必要な時には、数年の変化を考えないといけません。

例えば、自分の地区でもよく議題にあがりますが、年会費の減額についてという議題があります。当年と前年の会計報告を見る限りは、年会費を減額して良いのではないかという意見が出ます。

一方で5年ほどさかのぼって確認してみると、修繕費が数年に1回大きな金額でかかっている状況がある。そのための蓄積になっている部分だというのが分かったりします。そうなると、収入である年会費を減額するためには、他の予算(支出項目)の減額案も出しておかないと、修繕費が出せなくなる年が出ます。

そういった、数年の執行予算の変化などを住民に示すことは通常はありません(今年やろうと思ってますが)。前にも書いたかと思いますが、バブルの頃に設備投資したものの更新や修繕がここ数年は続いていて、一方で地区の高齢化は進むので、国民年金ベースの世帯では年会費が下がって欲しいという意見がでるのもわかります。

一定程度の支出の見える化して冷静に状況判断する必要があります。単年度の担当だと、なかなかそこまで手は出ません。というか出す必然もなかったりします。

4.縮小していく地域経営に向かって

僕みたいに婿として、家を継ぐという選択肢もたまにはありますが、地域が一気に若返る事は想定できず、高齢世帯が増えるのが必須です。それに合わせた地域経営に向けて、(1)ランニングコストの算出(2)支出項目の絞り込み(3)地域をつなぐ企画の検討(4)自主財源を増やすような事業の検討という感じでしょうか。

今年は、(1)と(2)の案を年末総会までに準備したいなと思いました。

何か良い事例があれば教えて欲しいです。今日はこの辺で。

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