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アーティストイベント備忘録(1)

12月11日からの「ANA meets "COM”」が始まっています。会期もあと一か月になりました。今日は準備の時に書いていたものをベースにお伝えします。少し舞台裏も感じてもらうと展示を楽しんでもらえるかもと。

開会に向けて準備しています。学祭みたいだ。ゲンヨウです。10月に決まったANAさんとの協業ですがいよいよ本番が近づいています。隣ではアーティストの方が展示の準備をしています(現在2020/12/9の23:00)まるで学祭の直前ですね。

学生人材バンクとしてもアートイベントの中間支援というのは初めてで、いろいろ学びがあったので、ここに記しておきたいです。今回は、短期間でアーティストインレジデンス(2020年11月)、ビエンナーレ(2020年12月11日から2月14日)、アートワーケション(1月下旬)の三部作をやります。※アートワーケションはオンライン開催になりました。

=鳥取の出演アーティスト=
田中ヒロさん:写真
浅井一仁さん:映像+インスタレーション
岡本まなさん:コラージュ
海馬ガラス(村山耕司さんfeat.AGC):ガラス
齋藤恵汰さん:映像
近藤さくらさん:映像+絵画+インスタレーション
mutsumiさん:イラスト
Aokidさん:パフォーマンス、ドローイング、映像

アーティストインレジデンスとビエンナーレ準備のタイミングでの振り返りです。

1.アーティスト目線を共有できる貴重な時間

砂丘に何回も行ったけど、毎回発見があるという話。斎藤さんとは夕焼けの時間だったし、まなさんはラクダに乗ってたし、村山さんチームは迂回して登っていって、一人一人の砂丘の捉え方、感じ方が違いました。僕にとっても発見があったり、豆知識を披露したりとできる時間でした。

乾燥地研究センターの機械を見て「かっけぇ、かっけぇ」とシャッターをきりまくるヒロさん。技官さんと意気投合して、僕が帰った後もイノシシの罠とか見せてもらっていたらしい。

ワイナリーのぶどうのカラカラになったのをもらって良いですか?と聞くさくらさん。おじいちゃんの手も撮影してたなぁ。村山さんは鉱山の洞窟にどんどん入っていってました。めっちゃ、楽しそう。

こういう視点の交換が本質的に面白い。発見の連続なんだと思いました。もちろん、作品からインスピレーションを感じるのも大事だと思いますが、こういう作り手の裏側を知って興味を持ってもらうのもありかと思ったり。

2.インプットの場としてのレジデンスという気づき

さくらさんと樗谿公園を歩きました。何を見ているんだろうとか、どんな写真を撮るんだろう。アーティストの視点について横にいて考えたり、聞いてみたりしました。僕と同じようなものを見ていても感じ方が違ったり、似ていたり。

またインプットとアウトプットについて話しました。個人差があるそうですが、インプットからアウトプットまで時間がかかるタイプの作家さんがいるそうで、そういう方は今回の鳥取でアウトプットしたとしても、それは他地域のインプットだったりするわけです。過去のインプットのバトンを鳥取側が受け取っている感じなんだなと。

そこから考えれば、鳥取でもバトンをどこかに渡せるようなインプットをアーティストに届けないとなぁと思ったのです。

4.オンデマンドでアーティストの要望に応えていくこと、絶対に触れることのない経験や新しいノウハウ

鉱山に行ったり、石を割ったり。一緒に作業をしてみたり、僕の用事に連れていったり。おじいさんに話を聞いたり。多様な一か月でした。僕の動きが一番アーティストみたいと言われたりしました(笑)

その辺を答えながら、いろんな経験を僕もさせてもらえるし、鳥取の味方とか切り取り方とかを横で見てました。もちろん、アーティストの方が自転車で街中を走り回るパターンもあるのですが。今回は、現地作業の日程が限られていたので、車も出して効率よくまわってました。キーワードから場所を想像したり、案内する提案力は問われますね。

アートという文脈は初めてですが、ボランティアコーディネートだったりイベント運営だったり、この18年でいろいろやってきたので、行政との相談の仕方とか、事務所にいろんなものがあったので、組み合わせたり。人の手配だったり18年の総力戦という感じです。

またガラス作家さんの要望で廃鉱山に行きました。鉱山から流れる廃水を閉山後も管理していること。山の水が増える大雨とか台風の時が大変という話だったり、処理したものを何か有効活用したいという話もしていました。ぶどう畑に行きました。甘いぶどうと酸っぱいぶどうを見分けれるようになりました。ワイン用のブドウって採らないままがあったりすることも知りました。

鳥取砂丘の撮影許可の取り方とか、砂を使いたい場合の対応方法とか、今回だからこそ得た知見もたくさんありました。それが一か月くらいにぎゅっと濃く。

5.新しい施設や町の不動産の活用を考える機会として

今回は、鳥取市の中心市街地5か所が会場になっています。

1)マーチングビル(鳥取市栄町627)
2)トりんくまんまる(鳥取市元町275)
3)箕浦家武家門(鳥取市尚徳町101)
4)樗谿グランドアパート(鳥取市上町93-1)
5)五臓圓ビルギャラリー(鳥取市二階町2丁目207 2F)

展示場所としては、マーチングビル1階、ちょうど新しくオープンだったトりんくまんまる。そして初めて使うことになった”箕浦家武家門”というチャレンジをしています。

また、まるにわの新拠点”マーチングビル”を作業場としても活用していました。アーティストと住人の交流が起きました。また、今年は活用しきれていなかった学生向けシェアハウスのアーティスト滞在拠点としての利用もできました。こういう企画で不動産の可能性を考えるのも面白いなと感じました。

5.卒業生とのコラボレーション

トりんくまんまるに展示してくれている、イラストレーターの”mutsumi”さんは実は鳥大の卒業生で、学生人材バンクのプロジェクトにも関わりのあった学生でした。彼女を鳥取に招聘できたのは趣深いです。

自転車に乗って鳥取のまちなかの繋がりを似顔絵で表現しているので見て欲しいです。

6.地域の積み重ねに助けてもらう

鳥取のアーティストインレジデンスの先駆者の方に話を聞いて回った。鳥取県立博物館の赤井さん、鳥取大学の野田先生。その中から野口さんが手伝ってくれることになりました。鳥大の蔵多さんは心配して複数回声をかけてくれました。武家門のキッカケも蔵多さん。みなさんの知見をお借りして準備に進む感じでした。

まるにわメンバーの谷口君には会場の設営ヒントや、技術的なサポートがめっちゃ助かりました。建築士なので、壁への固定からアーティストさんとのちょっとしたやり取りまで丁寧に感謝です。そして、より良い案を提案するのは技術者だなと思いました。まなさんの作品を吊れたのは彼のおかげです。

現場は大学生のアルバイトが回してくれています。彼らがいないと長い会期は運営できないし、よく知っているメンバーも中にはいるので、安心して頼めてます。

7.総括鳥取会場は5か所です。ぜひ、作品を見て欲しいです。

1.マーチングビル(鳥取市栄町627)
  岡本まな、海馬ガラス(村山耕二)田中ヒロ
2.五臓圓ビル(鳥取市二階町二丁目207)Aokid
3.箕浦武家門(鳥取市尚徳町101) 齋藤恵汰
4.とりんくまんまる(鳥取市元町275) mutsumi
5.樗谿グランドアパート(鳥取市上町93-1)
 近藤さくら、浅井一仁

詳細はこちらのnoteを参考にしてください。

地域を感じるキッカケにもなると思うので、動きにくい今ではありますが、鳥取の方はぜひ、2月14日までに足を運んでもらえたらと思います。

今日のおまけ記事は制作期間で一緒に回ってた時の写真、第一弾です。

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