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農村16きっぷという冊子を振り返る

鳥取県で「大学生×地域」のコーディネートをやっているゲンヨウです。NPO法人の事業としてやっています。たまには昔の話も書いてみようと思います。今日は農村16きっぷについて。たまたま大学の先生から過去の資料について問い合わせをいただいたので、少し書いてみます。

1.農村16きっぷとは

鳥取県内の農村とボランティアをつなぐ冊子として、2004年に創刊。大学生たちが自分でデザインし、印刷は業者に頼みますが原則学生たちが作る冊子として現在まで続いています。今は県内の道の駅などに年度初めに配布しています。

構成は(1)特集ページ×3テーマ(2)ボランティア情報について(3)編集後記の3構成。最新の23号では、ボランティア活動の流れの紹介、集落の方へのインタビュー、学生たちの紹介になっております(冒頭写真の右側)。

2.サイズ、ページ数の変遷

当時は13集落でスタート。仕様も県の棚田ボランティアのパンフレットを引き継いでいました。A4サイズは持ち運ぶのに邪魔だろうということで小さくB5にし、観音開き全8ぺージでスタートしました。

この時の表紙には”農山村ボランティア”という文字が入っており、まだ”農村16きっぷ”とは呼ばれていません。「またここに、またあの人に」というキャッチコピーはこの時点でつけられています。15年以上前に”人”に着目している時点で”らしさ”がでているなと思います。

2005年秋には、集落数が増えてA4サイズになり、翌年の秋には16集落にの掲載内容が増えたため、16の集落につながるきっぷとして使ってもらおうということで、「農村16きっぷ」と名付けられました。

当初は、増える集落数にあわせて「○○きっぷ」と数が増えていくという発想だったのですが、「16きっぷ」と覚えていただくことが多かったので、そのまま名前としては残しました。”青春18きっぷ”とよく間違えられています。

3.中身としての工夫

当初はデザインスキルがなかったので、Chariderという大学生雑誌を作っているメンバーに依頼してデザインをしてもらっていました。結局16きっぷとして誕生するまでの号は、そのメンバーのデザインやイラストを使わせてもらっています。

また、返信用はがきを中に入れています。当初は農山村ボランティア登録というものがありました。配布して且つ、登録につながらないといけないということで、料金受取人払いの手続きを行い、ページを切り取って、のり付けすると封書にできるハガキになるページをつけました。

”16きっぷ”の号からはすべての作業(取材・原稿・編集・デザイン)を大学生メンバーで行うようになりました。2006年秋号は、16集落すべてを載せたのですが、冊子としてのメリハリがないということで、次の号からは特集ページと集落情報のページという現在の元となる構成ができました。

雑誌などを参考にして、表紙に特集のテーマを書き入れてみたり。表紙の写真に選ばれるように各自が写真を頑張ったりと、毎年奮闘しながら作成しています。

4.合宿形式で作成

編集後記を読んでもらうとわかるのですが、作成は合宿で作ることが多かったです。あえて携帯のつながらない集落の公民館を借りて、二泊三日の間に一気につくるというスタイル(もちろん、事前に素材を揃えたり、ページのレイアウトや原稿案などはある程度考えます)

僕も当初は合宿に参加して、一緒に文章を考えたり取材を一部受け持ったりしてましたが、だんだん食事がかりになり、差し入れ係になりという感じで、現在は現場からは離れています。

5.届ける相手が徐々に集落へ

現在もボランティアを集めるための冊子としての機能はあるのですが、農村16きっぷに所属する学生も増え、参加者を集めることに関しては、それほど苦労しなくなりました。

そして、学生たちが”農村16きっぷ”を作って一番の反響をいただくのが集落の方々であり、コミュニケーションツールとなっている部分もあります。最近は大学生メンバーの一覧があったり、集落の方の取材が載っていたりします。長く続けていることで、いろいろと役目も変わっているのではないかと思ったりしています。

6.農村16きっぷはどこへいく

今年は、新型コロナウィルスの影響で集落からの派遣キャンセルや、交流会をなしにした形の運営など、少し様子が変わっています。それでも学生たちは県外に出た学生は2週間は行かない、会議はオンライン対応でおこなうなど柔軟に考えながら前に進んでいます。

農村16きっぷもその状況を踏まえた形での原稿になるのではないかと思っています。地域、学生との関係性がにじみ出る農村16きっぷの次の号を楽しみにしてください。

そんな私たちの活動を寄付で支援してくださる方はぜひ、こちらに。

今日はここまでです。

応援ありがとうございます。サポートいただいたお金は学生の相談の時のカフェ代にします。