これからの大学入試、の前にTOEFLの話をしよう。
大学入試にTOEFLが関わってくる可能性があるようです。
高額な試験料や難易度が高すぎることが議論の的のようですね。
しかし、テストそのものの価値に関して、言及している人は少ないように見えます。
そこでTOEFLの「テストとしての価値」を考えてみようと思います。
ポジティブな側面:
努力促進型の採点方式はポジティブな側面と位置付けられます。
TOEFLには合格・不合格という判定がありません(TOEFLのスコアを基準に合否を決める大学があれば、それは別のお話ですが)。
これは学習者のモチベーションを上昇させる要素になります。
「1点上がったけれど、前回も今回も不合格」という捉え方と「前回は50点、今回は51点」という捉え方。
この結果で、テストを受けるまでの道のりへの意味付けが変わります。
不合格となるまでの道のり、1点を掴むまでの道のりという違いです。
「マインドセット」の著者、Dweck博士の言う
“まだという力”が持つ効果は、忘れてはいけません。(添付ビデオ参照下さい。)
ここで重要なことは、50点から51点までの道のりで重要なことは51点を獲得したという結果ではなく、そこまでで何をしたかということです。
何が足りず、何を行えばもっと上手になるのか。自発的に努力をしたことに他なりません。(逆を言えば準備せずに得た1点に付随する意味は薄いことになります。)
いわゆる成長マインドセットと呼ばれるものです。
努力促進型の採点方式はTOEFLの教育的な魅力です。
ネガティブな側面:
軽薄なフィードバックは個人的にはネガティブに見えます。
そのことを指摘している論文も存在ます。
スピーキングセクションについて考えてみます。
ここでは、イヤフォンマイクのマイクに向かって質問された内容を答えます。録音音声が採点されるわけです。
仮にも点数が18点だったとしましょう。(スピーキングセクションの満点は25点です。)
早速本題ですが、何を基準に採点をされたのでしょうか?
言い換えるとあなたの英語の何に問題があったのでしょうか?
LとRでしょうか?イントネーションでしょうか?
答えは
分かりません。
詳細が記述されて返答されないからです。
仮にも
「採点者に分かりやすく伝えなければいけない」
と仮説を立てたところで
ネイティブのようなアクセントで話せることを黙々と目指すのか?
簡単な単語ばかり使ってみるのか?
と疑問はやみません。
何よりもここが明確にならないと、試験のスコアアップに何をすればいいかも分からないですよね。学習者自身も、それをサポートする先生たちも。
その点ではTOEFLに疑問が残ることは事実です。
一長一短。
そのことを把握したうえで大学は学生を受け入れてもらいたいものです。
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