初デートは「新しい」と「楽しい」を準備せよ #1 恋が生まれるご飯のために
初デートのお店の選び方。「ごちそうさま」を言う回数。かわいくおごられる方法。体の関係を持つタイミング……。はあちゅうさんの『恋が生まれるご飯のために』は、恋のゆくえを左右する「食事デート」のマナーとルールを指南してくれる一冊。女性はもちろん、男性にも読んでいただきたい本書から、とっておきの恋愛のコツをお教えします。
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初めての食事への誘い方
デートのうまい人は、誘い方からしてうまいと思います。大ベストセラー『伝え方が9割』で、著者の佐々木圭一さんは「デートしてください」ではなく、「美味しいパスタの店があるから行かない?」と言うと、成功率が上がると言っていますが、まさにこの理論! 食べたことのないものや行ったことのない場所に、興味が湧く人って多いはずです。(※1)
吊り橋を一緒に渡った相手を人は好きになりやすいといいますが(吊り橋を渡る時のドキドキを、恋のドキドキと脳が勘違いするから。「吊り橋効果」と呼ばれます)、それと同じで、初めての経験を一緒にした相手は特別な相手だと脳が勘違いします。
さらに、その時間が楽しいとその楽しさは相手が与えてくれたものだと錯覚。つまり、初めてのデートでは「新しい」と「楽しい」を準備すればよいのです。
まずは「新しい」。レストランを選ぶ時には、キャッチコピー一つで相手が食いつくものを選びましょう。私がわくわくしたレストランのキャッチコピーは、例えば……。
・ミシュラン一つ星の「トマトすき焼き」
・昭和30年代の古い一軒家で食べる「とろろ鍋」(※2)
トマトすき焼きは、和食の代表であるすき焼きに、トマトというイタリアンな素材を入れてしまう、その発想からしてブラボーです。どうやって作るのかと楽しみにしていたら、なんとオリーブオイルとニンニクをひいた鍋に、トマトと玉ねぎと霜降りの美しいお肉(A4ランクの山形牛らしい)を投入。〆には、鍋に赤ワインとチーズを加えたタリアテッレが登場。
「すごいね!」「美味しいね」を連発しているうちに、あっという間にデザートにたどり着いてしまいました。
「自分といる時間を短く感じさせる」。これはデートの重要な要素かと思います。(※3)
とろろ鍋に関しては、食べたことのない人にとってはビジュアルが謎だと思うので、相手に、「ググらないでね」と言っておくといいかもしれません。こう言うと絶対に相手はググってしまいますが、「ググらないでと言われたのにググってしまった自分」は「それだけ楽しみにしている自分」に自動変換され、ことが有利に運ぶ下地が出来ます。
私自身も「ググらないで」と言われて、当然ググりましたが、そのビジュアルを見て、大変期待値が高まり、当日を楽しく迎えられました。こんな風に、待つ時間を楽しくしてくれる誘い文句も、嬉しいですね。(※4)
単に「美味しい鍋があるから食べに行こうよ」と言うよりも、よっぽどインパクトがあります。「新しさ」は、実際にそれを体験する時に「楽しさ」に変わるので、「新しさ」を準備すれば自動的に「楽しさ」まで提供出来る。
自分の誘い文句に「新しさ」はあるか。まずはそこをチェックしてみてはいかがでしょうか。
※1 さらには「美味しいパスタの店」よりも「あのタ●リさんがお忍びで食べに行くカルボナーラを食べよう」のほうが強い目的意識が作られて、相手は誘いにのりやすいです。
※2 その他に私がわくわくしたお店のキャッチコピー→「劇場のようなレストラン」「あの●●(有名人)が××(有名人)を口説いたお店」
※3 相手に時間を気にさせないためにも、会話に集中するためにも、お互いにスマホをフライトモードにするといいかと思います。
※4 鍋といえばもつ鍋などのニンニクを使った鍋は、「一緒にニンニク食べちゃったね」という共犯感は醸成できますが、キスへの意欲は下がるので一長一短と言えます。
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