見出し画像

家事・育児に参加しない夫って「幽霊部員」みたいなもんやな #3 妻のパンチライン

オムツ替えて、荷物の再確認して、靴を履かせて……なんで5分で出発できると思ってんの!? 「それ、私の言いたかったこと!」と、全国の妻たちの共感を集めている、ツイッター発の話題本『妻のパンチライン』。切れ味鋭くも、愛情深い言葉の数々は、夫婦にとって本当に大切なことを思い出させてくれます。そんな本書の中から、思わずシェアしたくなる「パンチライン」を厳選してご紹介します。

*  *  *

夫の「家事偏差値」を上げるには


家事・育児に参加しない夫ってどんな心境やと思う? と聞くと、妻が、

「幽霊部員みたいなもんやな。好きな先輩に誘われて部活入ったけど、文句言いながらやる姿を見て『おもんないの? やり方よう知らんし、今更抜けるの無理やし、まぁ部費払ってるからええやろ』て。この部員が暴力したら即退部か解散よね」

画像1

この投稿で私が言いたかったことって、実は妻側の態度こそ夫を幽霊部員から部長クラスに昇格させる鍵をもっている、顧問の先生級の引率力があるということです。

男性に限らず、家事が上手くなりたいと思うタイミングは2回あると思っていて、1回目は同棲のタイミング、2回目は子どもが生まれるタイミングです。一人暮らしは案外どうとでもなるし、雑になりがちなので入れませんでした。我が家の場合、ほぼ同時期にこの二つのタイミングが来ました。

いわゆる授かり婚なので、安定期に入って正式に二人の新居へ引っ越して、同棲生活に突入しました。お腹の大きな私は、気持ち悪い日があったり仕事でいっぱいいっぱいになることもあり、あーして、こーしてと口で夫を動かすことも多かったと思います。

私にやんや言われながらも、夫は新しいことにチャレンジをした後にもらえる「ありがとう」が爽快そうだったし、やってみたら家事は何をとっても面倒くさいの連続だということを体感していました

夫の家事偏差値は低かったのですが、苦手意識さえ取り除いていけば抵抗感はなさそう。だからこそこの時期にノウハウ以上に刷り込んだポイントを共有させてください(余談ですが、これから結婚する人は、これ大事です! 家事偏差値がなぜ低いか分かることが、新婚期における夫の英才教育には重要です)。

それは、「できる男はカッコイイ。できるように努力する男はもっとカッコイイ」ということ。これを言葉の端々にちりばめました。案外こんなことは、20歳を越えると言われないもので、忘れています。

もちろん、感謝するだけでも喜んでもらえると思いますが、「カッコイイ!」って「“今”より“上”にあなた、階段上がってますよ!」と言われているのと同じなので、どんな人もモチベーションが上がると思うんです。まずこちらが目を輝かせて惚れ惚れと伝えて、新しいあなたの価値を見つけた! と心から感心することがポイントだと思いました。

家事って大変だな、家事をしてくれる人って有り難いなと感謝もやる気も湧いてくる時期を逃さず、レートの低い夫株に種まきをして、どんどん自分でレートを上げて育てていこうと、現在も目論んでいます。

なんで5分で出発できると思ってんの?


5分で出発しよ~! と妻に言うと、

「どういう計算!? 子どもたちの嫌がるオムツ替え、出先でのトラブル想像して荷物の再確認、熱中症にならないように各自に水筒持たせて、それぞれ靴履かせて。これで10分や。あんたのTシャツと短パン着て終わりと違うのよ。こういうのは苦手云々ちゃうで。何も考えてないだけ」

画像2

ツイートに書かれている準備には、私自身の身支度は入っていないんです。つまり、すでに自分のことは完了している前提です。「私、まだお化粧してないんだけど」と言えば、今でも夫は「それ何分かかるの?」と聞いてきます。

夫はおそらく、自分の準備完了が出発のタイミングになっているんだと思います。

出かける時に一番やってはいけないのが、一人称で考えて発言することです。もうこれは想像力の欠如としか言えません。小学校のころから、修学旅行だの部活の合宿だのと集団行動してきたのに、結婚後にできない人は意外と多いと思います。

お出かけの時に、自分の身支度とは別に家庭の準備が発生することへの認識が弱いんです。だからこちらが「まだかかる」と言えば、私が要領の悪いやつになってしまう。これは悔しい。だから私は、ただ指示することはやめ、「すごろく感覚で一緒に準備をしよう」と持ち掛けました。

お出かけするための膨大な準備を「休日のお出かけすごろくゲーム」だと思えば、水筒の用意も着替えの準備も子どもの靴を履かせるのも、二人で一緒にコマを進めていくゲームになります。早く出発できないのは、私の責任だけでなく、夫自身の責任だと認識し、行動してもらいたかったんです。

チームワークが大切なゲームだけに、もしも夫がめんどくさがった時には「一回休み」ならぬ「一回黙れ」になります(笑)。役割分担ではなく協力が、ゲームクリアの肝ですね。

◇  ◇  ◇

連載一覧はこちら↓
妻のパンチライン

妻のパンチライン

紙書籍はこちらから

電子書籍はこちらから