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夫の最もかけがえのない仕事は「妻に寄り添い、妻の話を聞くこと」 #1 妻のパンチライン

オムツ替えて、荷物の再確認して、靴を履かせて……なんで5分で出発できると思ってんの!? 「それ、私の言いたかったこと!」と、全国の妻たちの共感を集めている、ツイッター発の話題本『妻のパンチライン』。切れ味鋭くも、愛情深い言葉の数々は、夫婦にとって本当に大切なことを思い出させてくれます。そんな本書の中から、思わずシェアしたくなる「パンチライン」を厳選してご紹介します。

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ただ話を聞いてくれるだけでいい


「良い夫って、家事や子育てを一生懸命こなす人じゃないで。大事だけど本質じゃない。家事も子どもの面倒も、いざとなればアウトソーシングできるからね。でも妻のケアは夫にしかできひん。だから家庭における夫の最もかけがえのない仕事は、妻に寄り添い、妻の話を聞くこと。その役割から逃げたらアカン」

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Twitterで私は、言語化するのがうまいと言っていただくことがありますが、実はそんなことは全然なくて。このパンチラインも、二人目の子どもが生まれて半年後くらいに、何とか伝えたいと、洗濯物を投げつけ泣きながら夫に伝えた言葉なんです。

ある夜、子どもが寝静まって、洗濯物をサッサッと畳む微かな音でさえも響く広い部屋で、ソファにポツンと座る、空っぽな自分に気がつきました。夫は家族として家事も子育ても頑張っている、手際も良くなり子どもたちのご機嫌取りも器用にこなしているし文句があるわけじゃない。

良い夫だ、感謝しなきゃいけない。頭では分かっています。でも、涙が頬をつたう。どこか心が満たされず置き去りになっているような虚しさが、夜な夜な疲れとともにやってきました。

Twitterは140文字で夫がうまくまとめていますが、きっとこんなに簡潔には伝えられていなかったはずです。子育て中心で、子どもと接する時間しかなかった私は、私を私として映す心の鏡がどこにもなかったんです。

だから、「私はここにいる」という話を、ただ、したかったんだと思います。褒めてほしいとか、頑張りを認めてほしいとは少し違って、私を知ってる人、愛してる人に私の存在の話を聴いてもらうことで、自分の存在の輪郭を見たかったんです。恋人時代のような何の役割も関係もない私の話を、ごく普通に聴いてもらいたかったんです。

それを伝えても「何が足りないっていうの?」と返されてしまう、やや分かり合えない状況の中、必死に「なぜ夫が必要なんだ? 夫って私にとって何なんだ?」と葛藤しながら言葉を繋げた結果が、この言葉でした。

FT(夫婦タイム)のススメ


「夫婦って、お互い忙しいと話す時間がなくなるよね。時間がないから意見を呑み込む。意見を呑み込むと一人で考える。一人だと考えが悩みになって心が閉じる。心が閉じると生きる気力がなくなる。だから、仕事にMT(ミーティング)があるように、FT(夫婦タイム)としてカレンダーに確保しておこう」

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LINEやSNSやMessengerで、24時間連絡し放題の便利な世の中になったからこそ、かえって連絡しづらくなったと感じています。これは私だけじゃないと思います。

「ねぇ今なにしてる?」なんて送るとこっちが暇なのがバレそうで、夫婦間でもなかなかできません。

「暇=罪」のような考えも少しあって、子どもが昼寝したりちょっと自分の仕事が落ち着いたタイミングだったとしても、仕事してる人に「今晩話そうよ」って送るとこちらの余裕をアピールしているようで、積極的には提案しづらいんですよね。

ましてや、「おまえ暇なの?」って返ってこようもんなら、一気に面倒くさいやりとりになります。

子どもがいるかどうかや、忙しいかどうかに関係なく、人って余裕がないと思うんです。余裕を演出してる人、時間管理を徹底してる人はいますけど、意識しているからできることですよね。

だから私は余裕ではなく、余白を大事にしたいと思っています。

余白というのは、何にもない二人に戻る時間です。何かの確認のために話すんじゃなくて、全く無目的な会話を楽しむ余白です。

必要な会話って、返事ありきでしか成り立ちません。でも、本来会話なんて返事が的を射てなくてもよくて、自分勝手に話す時間が心地いいものです。

「さぁなに喋ろっかな」って時間、夫婦になる前には案外あって、「そういえば……」とか言って昔の先輩の話になったり、最近好きな曲の話になったり、どうでもいい話をしてたように思います。

これがFTには大事だと思いました。

家庭を運営していくうえで、期日までに話し合わなければならないことはたくさんあるし、年を経るごとに重い会話も増えていきます。だけど目的に沿った話ではなく、一人の大人同士として一緒にお茶を飲みながら、もしくはお酒を飲みながら、友達や恋人の時のようにお互いの話をする時間を設ければ、愛情も深まるかなと。

そこに名前がついていると「FTしてなかったね、やろっか」って恥じらいなく誘えるので便利なんです。

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