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きょうだいの職業 - 対人援助職

今日は私自身の職業選択の話。「きょうだいは福祉職を選びがち」これを聞いた時は図星だと思った。私の日本での職業は特別支援学校教員。どちらかというと教育職だけど福祉と繋がりの深い職業。もともと英語の教員になりたかったけど特別支援教育の分野に切り替えた。

きっかけは英語の勉強がうまく行かなかったこと。大学生の頃、英語の教員になるべく一生懸命だった。しかし、あるアメリカ人講師の授業を取っていたとき、教室でスモールトークを交わす中で「あなたの英語は意味がわからないよ。」と日本語で言われてしまったのがきっかけで心がぽっきり折れてしまった。

その時ふと同時に心に浮かんだのは弟が自分の腕をかじって癇癪を起こす姿だった。自分の内側に感情があるのにその感情の名前がわからない。表出したい何かがあるのに表出の仕方を誤ってしまう。辛い。伝わらない。

外国語の勉強も同じだ。同じ気持ちだった。英語が苦手な分、伝えたいのに伝え方がわからないもどかしい気持ちは理解できる。私はそちらの味方になれるのかも。そんなきっかけで特別支援教育に切り替えた。ここまでが私のエピソード。対人援助職のきょうだいたちはどんな思いでこの分野に決めたんだろう。


後日談:アメリカ人講師に「あなたの英語はわからない」と言われたのはAsiaをアシアと発音してしまったせい。(私の第二言語は韓国語で、Asiaは韓国語でAsiaはアシア。)あれから10年経った今、私の職業はカナダに移住してきた移民・難民たちの英語習得を支援する学校のアシスタント。ある日、ある学生が「先生、アジアの多くの国々ではAsiaはアシアって発音します。なんで英語はエイジアなんですか?」と発言した日、気持ちがすーっと浄化された気持ちになった。なーんだ、私間違ってなかったよ。ありがとう、学生さん。

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