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自分を表す形容詞を5つ挙げなさい。

きょうだいであることをアイデンティティにしても良い。しなくても良い。きょうだいであることはある種のコミュニティの一部であるようでほっとする。だけど、きょうだいであることを抜きにして自分のことをどう一言紹介するか、考えたことがある?

これを考えたのは仕事をやめて専業主婦になった時。それまで私のアイデンティティは職業だった。何度も試験を受けて強い思いを抱いて手に入れた職業、プライドがあった。簡単な自己紹介をするような場面で迷いもなく職業を述べていた。そんな自分は輝いていた。でも職業が無くなった瞬間、突然何者でも無くなった気がした。

「職業をアイデンティティにしない方が良い」と言う言葉に出会えた時、体が軽くなったのを覚えている。カナダに移住してから、日本の友人からの何気ない「カナダで何してるの?」という質問が苦痛だった。職が無ければ何者でも無いような気がして苦しかった。焦れば焦るほど職は見つからなかった。早く「カナダで○○職をしています!」っていう格好良い自己紹介がしたかった。首を締めていたのは自分だったことに、この言葉に出会えて救われたのだった。

What are the best adjectives to discrive yourself?(自分自身を表す形容詞を挙げなさい)と言うのは同僚がいつも投げかける問い。考えてみれば当たり前なんだけど、肩書きがなくたって自分は自分ってことを思い出させてくれる。今は幸い職業があるけれども必要無ければ自分からは言わない。自分を社会的な関係性から切り離して「自分自身を表す形容詞を5つ挙げなさい」って言われたら何て答える?


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