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山岳フリマアスロン|毎週ショートショートnote

410字

過酷なレースは世にさまざまあれど、男たちにとって敷居の高い大会があった。
その名も「山岳フリマアスロン」
参加者特典は、妻のちゅー。完走するかしないかは二の次。
エントリーする意思だけで、関門は突破したとみる専門家さえいる。

生後6カ月の男の子の平均体重は、約7.8キロ。特注の赤ちゃん人形を抱え、トレイル道を爆走する選手たち。抱っこひもは、だれの助けも借りず本人が装着する。
ポイントごとにミッションが課され、おむつ替え、夜泣き対応、バギー運搬など、ていねいさと技術、スピードを試される。
給水タイムは授乳タイム。選手は一滴も水を口にできない。
みずからを犠牲に極限状態に挑む24時間耐久レース。

レース中、妻たちは山頂のゴール付近でフリーマーケットを開催。
古着、おもちゃなどを安価で売買できる。子供はふもとの託児所が預かる。特設グランピング会場で、ゆったりと食事やスイーツを楽しみ、リフレッシュ。情報交換やつながりもできると好評だ。

(おわり)

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藤家 秋
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