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入院の行楽地[3]

入院患者さんと看護学生さんと合わせて10人くらいで、2時間カラオケに行った。
みんなが歌ってるところを、カメラ好きの患者さんが必死になって写していた。
マナはこの若さで「演歌とは…?」みんなが笑う。
みんなは「洋楽やロック」でびっくり。
英語で歌うノリ。
演歌じゃなく楽しい歌を覚えようと思うマナ。
また行くのが、待ち遠しかった。
髪の毛を染めました。
看護師さんやみんなに
「明るくなったね」と言われ
これも心の安定に繋がりました。
週一回、病院のホールで、喫茶店を開く。
アイスコーヒー、ホットコーヒー、ココア、レモンティーなど、1杯100円でみんなと話しながら楽しむ。
テーブルごとに、イスを並べて、お菓子をおいて、花も飾った。
マナはウエイトレスにいつの間にかなっている。
病院内ばかりいる人は、この喫茶店を楽しみにしている。
みんななんの話しをしてるんだろう。
「あっ、笑ってる」
「うなづいてる」
病気のこと、趣味のこと?
2時間楽しみ。
また来週も楽しみ。
「そう言えばノリがいないね」
友達と見に行ったら、ベットで横になっていた。
友達が「今日は気分いいよ」
「起きろ、起きろ」
ノリは安定剤を飲んで寝ていた。
具合が悪いのに起こしてしまった。
起きて来たけど、目は真っ赤だし、グダーとしていた。
「寝ていいよ。無理しないで。ごめんね」
ここは精神の病んでる人のかたまりなんだよね。
いつも一緒だから、寂しかった。
心配する。
ごめんね。
ノリは無口で内気なのに、なぜか他の患者さんに評判が良くて、悩みを聴いて欲しいと言われる。
「信頼されているだなあ」と思う。

続く

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