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機械・プラント製図技能士取得への道  5.勉強方法

今回は、「機械・プラント製図技能士」取得のための勉強方法について話していきます。

資格取得の目的________________________

まずは、この資格を取得する目的を明確にしたほうが良いと思います。
多分この資格を取得しようと考えている方は、機械設計の業務を担当されているか CADのオペレーターを担当されている方が多いと思いますので、資格を取得することで製図力のレベルアップや設計のレベルアップを図る と考えてほしいと思っています。
資格取得が目的になってしまうと、いかに点数を確保するかという勉強方法になってしまいます。確かに最後はそれも必要かもしれませんが、まずは自分のレベルアップを図るために勉強し資格取得はそのための目標としてほしいと思います。
この資格を取得できれば間違いなくあなたの製図力・設計力はアップしますから。

勉強方法___________________________

大きく分けて2つあると思います。
・法人が主催する製図講座に参加する。
・個人で勉強する。
法人主催の製図講座に参加するのが一番手っ取り早い方法ですが、日程や費用の問題が出てくると思います。
ネットで調べてみると
十数回の講座で30~40万円の企業が多いようです。
ポリテクセンターは費用も2,3万円レベルで実施しています。
費用の問題は別にして、業務をしながらの参加ですと日程が合わないという問題が出てくると思います。
また、過去の問題を7,8回は実施しないと合格できるレベルに達しないので、講座に参加しても追加で個人練習が必要になってきます。
ここからは、個人で勉強する想定でお話ししていきます。
参考書として下記のような本も販売されています。

内容は、製図の基本・機械要素・機械加工・過去問2年分の解説が記載されていますので、このような参考書を購入して勉強するのもよいかもしれません。

それでは、前回お話しした必要な知識や能力ごとに勉強方法を説明していきます。

①立体形状の想像力
第三角法で描かれた右の3面図から左の立体モデルを想像することが必要であり、そのための練習方法について説明する。

これは、何回も問題を解いて慣れるしかない。
まずは簡単なレベルから
下記の3面図から立体形状を斜視図で描いてみよう。

解答は 
  ↓
  ↓
  ↓
  ↓
  ↓
  ↓

では、少しレベルが上がった問題

解答は 
  ↓
  ↓
  ↓
  ↓
  ↓
  ↓

検定試験はこの形状が2,3個繋がってたり穴があいているようなレベル(もう少し複雑かも?)なので、このような問題を何回も解いて頭の中で形状が浮かぶようになることが必要である。
最初は簡単なレベルから始めて、段々複雑な形状にしていけばよい。
課題はネットでもいろいろ探せると思うし、下記のような課題集も販売されている。

②機械要素
課題には必ず組み込まれている軸受けや歯車といった機械要素部品の知識を理解していないと形状が読み取れないし、どこまでが対象部品なのかが判断できない。
普段の設計業務で機械要素を扱っている方は問題ないが、私のように樹脂部品や板金プレス部品をメインに扱っているとなかなかイメージしにくい。
よくでてくるのが、歯車、軸受け、ボルト、ナット、Oリング、パッキンで、これも上記参考書で勉強するか ネットで「機械要素」と検索すると勉強できそうなHPが出てくる。
ただし、これらのHPでの解説は機械要素部品の種類や役割や使い方の説明が多く検定試験の課題に出てくる2次元図でどのように表現されているかということはあまり説明されていない。
下記のような各要素部品の役割や現物の写真や課題図での表現を、次回以降の記事で説明していく予定である。

③機械加工
課題では対象部品を必ず機械加工して製作することになる。フライス盤で平面加工したりドリルで丸穴を開けたり等、どのような加工方法で何のために加工が必要かを理解していないと寸法の入れ方や表面性状や幾何公差の記入が正確にできないので、これらも上記参考書やネットで「機械加工」と検索すると勉強できそうなHPが出てくる。
ただし、これらのHPでの解説も機械加工の種類や加工マシンの説明が多く作図に必要な寸法の入れ方、表面性状の指示方法等は当然説明に出てこない。
下記のような各加工法の役割や現物の写真や作図での表現を、次回以降の記事で説明していく予定である。

④立体イメージを2次元化
立体形状の想像とは逆で、今度は立体モデルのイメージを指定された方向の2次元図で作成することになり、①の勉強方法と同様に課題集等で練習するしかない。

⑤製図の基本
製図する上でのルールをしっかり把握する。
JISも時々改訂が入るので、最新版での情報を入手しておきたい。
参考書やネットで「機械製図」と検索すると勉強できそうなHPがたくさん出てくる。
この項目に関しては、ネット上の解説でも充分勉強できると思う。
次回以降では、下記のように特に間違えやすい製図の記載内容に絞って説明していく予定である。

⑥CAD操作
手書き作業の場合は関係ないが、CAD作業の場合はCAD操作のスピードが作業時間に大きく影響してくる。
1本の直線を引くだけでも多種類のメニューがあり、どのメニューを使うのが早いのか、考えながら作成していかないといけないし、CAD特有の機能も有効に利用していきたい。
例えば、左右対称形状なら半分作成して反転コピーするとか 同じ形状の部位があるならコピーするとか 常に効率よく作成することを練習の段階から意識してほしい。
注意してほしいことは、普段業務でCADを使用する際はすでに作成されたテンプレート(線種設定、文字設定等)を使用していると思うが、試験の時はテンプレートは使用せずに初期設定から自分でやることになるので、初期設定から作成できるようにしておきたい。
また、試験会場のCADを使用する際に普段のCADと異なることもあるので事前に使用するCADを確認したほうが良い。
私の職場では、2DCADはAUTOCADを使用していたのでAUTOCADに関する初期設定から作図、寸法等の操作手順に関するマニュアルを作成してあるので次回以降で公開していく予定である。

⑦過去問の実施
上記をすべて理解してから過去問を実施していく。
社内にて製図講座を実施していた経験から、合格点をとれるのにだいたい7,8回くらいの実施が必要だった。それ以上の練習は必要である。
過去問の入手方法や練習方法については次回説明する予定である。

また、実技試験の手順に関するガイドブックを作成しているので、興味がある方は下記リンク先からダウンロードしてみてください。


実技試験時のAUTOCAD操作方法のマニュアルも作成しているので、興味がある方は下記リンク先からダウンロードしてみてください。


過去問の提供・採点・添削も有償(後払い)で実施させていただきますので、興味がある方は下記リンク先を確認ください。
1回目は無料です。


今回の記事は以上です。
記事をお読みいただきありがとうございました。


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