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機械・プラント製図技能士取得への道  2.資格の概要、必要性

今回は、「機械・プラント製図技能士」の概要及び必要性について話していきます。

■資格の概要___________________________
機械・プラント製図技能士とは、機械やプラントの製図を行う技術者の能力を認定する資格です。製図能力に加えて、図面作成時に必要な機械的知識、設計的知識も求められます。
この資格は機械設計分野において非常に重要視されているものです。この資格を有しているとご自身の能力が可視化できるため、難易度の高い仕事や幅広い業務を任されるようになります。
また、このスキルを必要としている業界は、建築・電気・機械・自動車など多岐にわたるためご自身の好きな分野で働くことができるでしょう。

資格区分は下記のように分かれています。
「機械製図手書き作業」・・・1級~3級
「機械製図CAD作業」・・・1級~3級
「プラント配管製図作業」・・・1、2級

「機械製図手書き作業」と「機械製図CAD作業」は同じ内容の課題で、手書きで図面を作成するかCADで作成するかの違いです。
「プラント配管製図作業」は配管図を作成する課題ですが、今後は「機械製図手書き作業」と「機械製図CAD作業」の1,2級について詳しく話していきます。

この機械・プラント製図技能士には、以下の受験資格があります。
・1級:7年以上の実務経験、または2級合格後2年以上
・2級:2年以上の実務経験、または3級合格者
・3級:実務経験の規定なし
級が上がっていくにつれて、試験難易度も上がっていきます。3級は比較的簡単なレベルで学生さんが取得するイメージをもっています。2級はだいぶ難易度があがり取得には相当な練習が必要となります。1級はさらに難易度があがり高度な製図スキルに加えて、実務経験で培った経験が必要になってきます。
まずは2級の取得を目指すことから始めればよいかと思います。
また1級、2級に必要な実務経験年数は学歴により異なりますので注意してください。詳しくは厚生労働省(下記)を参照ください。https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11800000-Shokugyounouryokukaihatsukyoku/ginoukentei_jukenshikaku.pdf

資格の必要性_________________________
昨今の開発設計部門は、3DCADを使用しているケースが多くなっています。画面上の立体図を見ながら設計している環境の中で、なぜ2次元図(3面図)を作成する能力が必要なのか? と思われる方も多いかと思います。
2次元図を作成する能力が必要な理由は下記のとおりです。

1.2次元図でないと表現できない内容がある
設計データから金型や試作品を製作する際に形状・寸法は3Dデータから理解できるが、2次元図でないと表現できない内容があり製作用として必ず2次元図は作成することになる。
  例 重要寸法や寸法公差・嵌め合い記号の指定、表面の仕上げ指定 等 
     最近は3Dデータ上に記載することもできるらしいが、、 

2.第三者が図面を読みやすくするための工夫が必要
3DCADで2次元図を作成する際に、方向を指定すれば図形が自動的に作成されるが、どの方向を正面図にするか どこで断面を切断するか 等の第三者が図面を読みやすくするための工夫が必要になる。

3.メーカーから2次元図でしか提供されない場合がある
他メーカーからの購入品を使用する際に、メーカーから2次元図でしか提供されない場合がある。
  これは2次元図の作成能力ではなく、形状把握能力になるが、、、

以上が一般的に言われている2次元図の作成能力の話ですが、個人的には3DCADでしか設計していないと形状理解力や形状創造力が低下することも問題だと思っています。
普段2次元図を読み取ったり作成したりしていると頭の中で形状が浮かびやすくCAD端末がなくてもある程度形状決めができたりします。自然と形状理解力や形状創造力が養われていくって感じです。これらの能力がなくても3DCADの画面上で設計することはできますが、形状のバリエーションも少なく作成時間もかかるような気がします。

実際に私が所属していた職場も2000年頃から一部の開発で3DCADを導入し始め、2015年ころからほとんどすべての開発が3DCADになってきています。最近感じるのは入社していきなり3DCADで設計し始めている人たちは、3DCAD上で作成する2次元図の表現力が乏しく形状理解力や形状創造力が低くなっているような気がします。そんな環境に危機感を感じ、社内では一時期重要視されていなかった機械・プラント製図技能士の資格取得を再び目指すようになってきています。
この資格を取得するために製図の勉強をしたり課題を練習することで、間違いなく設計に必要な能力が身についていくと思っています。
私は、その資格取得のための社内講座を5年ほど開催してきました。
このときの経験を生かして、資格取得を目指している方々のお役に立てればと考えています。

実技試験の手順に関するガイドブックを作成しているので、興味がある方は下記リンク先からダウンロードしてみてください。


実技試験時のAUTOCAD操作方法のマニュアルも作成しているので、興味がある方は下記リンク先からダウンロードしてみてください。


また、過去問の提供・採点・添削を有償(後払い)で実施させていただきますので、興味がある方は下記リンク先を確認ください。
1回目は無料です。



今回の記事は、以上です。
次回の記事では、機械・プラント製図技能士の必要知識についての投稿を予定しています。
お読みいただきありがとうございました。


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