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Netflix版バイオハザードは救いようのない駄作だった。

Netflix制作のバイオハザード(実写ドラマ)全8話を観た。前情報無しで楽しみたかったので予告などは見ずにぶっつけ本番。俺のワクワクは裏切られた。
せめてどこがつまらなかったか、不満だったかを吐き出してスッキリしたい。


※ネタバレ全開&ボロクソに叩いているので、普通に面白かった!楽しめた!というタイプの人はこの先読まないをオススメします。










製作側の露骨な多様性アピール


  • 主人公はオリキャラの双子の姉妹で、あのアルバート・ウェスカーの娘達。だがウェスカーはどういうワケか白人だった原作ゲーム版から黒人に人種が変わっていた。

  • 双子の妹ビリーがヴィーガン。

  • アンブレラのCEO(女性)は同性愛者。

この時点で「我々製作陣はポリコレに配慮してます!」感出したいのってのが露骨に見えていてため息が漏れた。
俺は同性愛がダメとか黒人の俳優がダメとか、そういうことを言いたいわけじゃない。キャスト達本人に不満があるわけでもない。彼らはオファーに対して真剣に取り組んでるだけだ。
同性愛が〜人種が〜という単体の話では無く、詰め込み過ぎだろという話だ。
この作品は"バイオハザード"であって、マイノリティに悩む人達を題材にした作品じゃない。
作り手が時世に流されるまま、各方面を刺激しないよう御機嫌を取ろうとする姿勢が作品に反映されていて気持ち悪い。



ポリコレ抜きなら良作か?


じゃあポリコレ配慮しまくりだから駄作なのかというと、そういうわけでもない。
製作陣曰く、ゲームとNetflix版は繋がってる正史らしい。ラクーンシティが核で吹っ飛ばされたバイオ2要素、オリジナルウェスカーが2009年の時点で死んでるバイオ5要素などが確かに作中でも説明されるが、アルバート・ウェスカーが黒人な時点でゲームと違うし、バイオ世界は終末世界にならないし(そう考えるとあれだけ事件起きてて毎度局所的な被害に留めてるゲーム版ヤバいな?)、2036年は勿論2022年時点でアンブレラが存続していて辻褄が合わないのに「Netflix版は正史です!」と言われても、長年のいちバイオファンとしては納得が出来ない。
これなら「アンブレラとかウェスカー出てくるけどゲームとは全然違う世界の話だぜ!」って言われたほうがマシだ。
脚本家、オメー原作ゲームやったことあるか?
せめて「最初はポリコレ要素詰め込み過ぎだろって思ってたけど、ストーリーはめっちゃ面白かったわ!」と言える出来なら良かった。そうあって欲しかった。そうであってくれと思いながら全話視聴した。


だが残念ながら現実は非情である。全話視聴したところで、このNetflix版バイオハザードという作品自体がつまらないという確信を得ただけだった。クソが。





見ていてひたすらイライラさせられる主人公

物語の主人公として重要なのは共感、好感を抱けるようキャラクターかどうかだが、今作の主人公であるジェイドにそんなものは無い。

主人公のジェイドは余計な事しかしない。やること成すこと全てが事態を悪化させる。
マジでこれ。しかも自業自得どころではなく、他人を巻き込むうえに本人は良かれと思ってやってるから更に始末が悪い。おまけに口も態度も悪く自信過剰。

  1. 学校で妹ビリー(のヴィーガン主義)を貶した相手への報復に、ラクーンマスクを被り正体を隠して襲撃。そして何を考えたのか、そのマスクをビリーのロッカーに入れ、それが見つかり状況証拠でビリーが犯人にされる。

  2. 仲間の生存者グループが住む船内にゾンビを無断で持ち込み実験を行い、その結果ゾンビが拘束を破り、死者を出す。

他にも色々あるが、この2つだけでもこのジェイドというキャラクターの短慮さが伝わると思う。
「私のペットがあそこにいるのよぉぉぉぉぉ!!」と言ってバリケードをどかすBBAや、扉の鍵を閉め忘れてゾンビの侵入を許すアホなど、「いやお前余計なことすんなや!」と言いたくなる行動をするキャラはゾンビ映画ではありがちだが、ジェイドは主人公でありながらそんな行動しかしない。ADVで明らかにハズレの選択肢を選ぶかの如く、彼女は見えている地雷をわざわざ踏み抜きにいく。

ジェイドというキャラを端的に表すならば、「傲慢な働く無能」という表現以外に無い。製作陣はどういうキャラとして描きたかったんだ?
このキャラを好きになる人はきっと、他人の短所じゃなく長所に目を向けられる人間なんだと思う。素敵です。





脚本や演出にもツッコミどころ満載だ

  • ゾンビを舐めプで観察するジェイド

第1話冒頭、ジェイドは研究のために近距離でゾンビを観察する。今作のゾンビは視覚と聴覚が機能しておらず、代わりに鋭く発達した嗅覚を用いて体臭や血の臭いで獲物の位置を把握している。そしてジェイドは体臭を消すための香水か何かを事前に使用していた。
それでどこがダメなのかと思うかもしれんが、ジェイドは建物の出っ張りに腕を引っ掛けて出血し、嗅ぎ付けた大量のゾンビに追われる。そして銃はおろか武器は持っていない、丸腰だ
バカかこいつ。双眼鏡で遠距離から観察しろ。
これでも少なくとも半年間ゾンビを研究していたらしい。マジ???よく生きてこれたな。
別のシーンで「ウイルスは変異する(から特殊な個体がいるはずだ)」とジェイド自身が発言するが、変異によって視覚や聴覚が鋭敏になった個体がいたらどうするつもりだったんだろうね。
リッカーとかその典型なワケで、遭遇経験や存在を知らないにしても、発言に対して行動がザル過ぎる。危機管理能力はどうなってんだ。

  • 正々堂々タイマンを挑むゾンビ

上記の通り大量のゾンビに追われるジェイド。そして遂に一匹のゾンビが追いつき飛び付かれ、体勢を崩して倒れてしまう。そして後続も迫り絶体絶命。
丸腰だし、普通に殺されて実はこいつ(ジェイド)は主人公じゃないよパターンかと思ったら、驚くべきことに後続のゾンビは襲いかからない。
今の今までガンダッシュしていた後続のゾンビ達は不自然なほど勢いを失くし、ジェイドVS先頭ゾンビの取っ組み合いを周りをうろちょろしながら見守っている。
そして取っ組み合いを制したジェイドはキャンプに設置してある火炎放射トラップを起動し、ちんたら待ってたゾンビは一網打尽にされましたとさ。なんでやねん。
燃えたらすぐ死ぬゾンビにも違和感。

ちなみに他のシーンでモブ達は四方から襲われて死んでた。

  • 大企業アンブレラ社のガバガバセキュリティ

第1話でアンブレラ社が非道な動物実験を行なっている証拠を掴もうと、アンブレラ社に侵入するジェイドと妹ビリー。そのシーンのセキュリティ能力の低さにも唖然とした。
玄関口は声紋認証だけで、しかも録音した音声でも開く
ジェイド達はこれを利用して父アルバートの録音声を使い侵入した。
建物内部には巡回の警備員はおろか、監視カメラすら無し。すげーガバガバ…これ侵入前提で建築されたでしょ。おかげで誰にも見つからずにすんなりと目的地に辿り着けましたとさ。は???
アルバートはアルバートで、私用と仕事用のパスワードが共通なうえに、それを娘達に知られているせいで社内PCにアクセスされてしまう。もうダメだ、会社も社員もセキュリティ意識が終わっとる。
そしてゾンビ犬が逃げ出し、警報が作動しようが誰も駆けつけてこなかったことを考えると、ガチで社内に警備員がおらんのだと思われる。
外部に知られたらやべぇ実験やら研究してる大企業のセキュリティ描写がこれか?ありえんぞ、マジでヤバい。

  • シーン描写がチグハグ

第5話冒頭でアンブレラに捕縛されるジェイド。そこから飛んで第5話ラストで捕縛指示をしたアンブレラ兵がヘルメットを脱ぎ、その正体が明かされる。

妹のビリーだ。


な、なんだってー!?


とはならない。だって第1話の時点でアンブレラの追っ手に「妹が捜してるぞ」って言われてたし。そもそも名有りキャラが少な過ぎて、勿体付けて描写するようなのなんて余程察しが悪くない限り予想が付く。
逆にここで「えっ!?ビリー!?!?!?、!!?」って驚いた人おる?
しかし、ジェイドのリアクションは違った。


捕縛されるも抵抗するジェイド

(ヘルメットを脱ぎ正体を明かすビリー)

その顔を見て現実を受け止められず膝から崩れ落ち、呼吸が浅くなるジェイド

ビリー「ハァイお姉ちゃん♫」

ジェイド「ウソ…」(そんな、まさか……だってあんたは死んだはずじゃ………とでも言いたげな表情)


なんでやねん。
だが第6話では、「まさかあんた(ビリー)がアンブレラの領地から出てくるとはね」と皮肉げに会話をし、ジェイドもビリーが生きていることは知っていた模様。
そりゃそうだよね、追っ手の話を聞いてなかったわけじゃなくて安心した。
だがそうなると正体が判明するシーンでの描写はやはりおかしい。
視聴した人なら分かると思うが、明らかに” 死んだと思ってた妹が生きている事を今知った“というリアクションだ。わざわざもうこのクソつまんねえ作品を一度観て確認したから間違いない。
たぶんこれ展開引っ張りたいがためにこんなチグハグな演出してる。
視聴済みだけど思い出せないという人は是非5話ラスト→6話→5話ラストと観て確認してほしい。言ってる意味が伝わるはず。

  • 舐めプをするビリー

ジェイドは仲間が乗る船(ユニバーシティ)をアンブレラから守るため、研究によって発見したゾンビを惹きつけるフェロモンを散布する。それによって少なく見積もっても数百体は居るゾンビがジェイドとビリーのいるアンブレラキャンプへ押し寄せてくる。
あまりの大群に戦慄する一同。なんとか食い止めようと応戦し始めるアンブレラ兵達。取り乱すビリー。
数に押されて徐々に破られる簡易フェンス。入りこんだゾンビの餌食になるアンブレラ兵。しかしビリーがタブレットをスイスイッと操作すると、アンブレラ謹製の武装ドローンが飛来し、ゾンビ達を標的に攻撃を開始。
その火力はばつ牛ンで、弾が当たってなさそうなゾンビまで次々と倒れていく。
気分がノッてきたビリー。形勢は逆転し、夜の女王のアリアをBGMに完全に気持ち良くなっている。
こうしてモブ兵達の犠牲はなんだったのか分からんくらい容易くゾンビは殲滅された。
なんでもっと早くドローン呼ばねえんだよこのバカ女。ULTチャージ中か?
お前のせいでモブ兵が死んでんだよ。まぁ味方諸共攻撃してたからどのみち死んでたかもしれんが。

  • 目の前のジェイドをシカトするゾンビ

同じころ、アンブレラキャンプから船を目指すジェイド。
迫る多数のゾンビ。
しかしゾンビ達は目の前のジェイドをシカトしキャンプへ向かっていく。
????????????
一番近くでフェロモンを浴びたジェイドをスルーするってなに?
もうひとつのゾンビの認識を阻害するフェロモンも発見しているが、それを使用した描写は無い。
そしてその前のシーンでは船の仲間もスルーされてたりする。
フェロモン優先なのは間違いないだろうが、それなら近くで浴びたジェイドをシカトする意味が分からん。
フェロモンから離れてたモブ兵達が食われるということは、獲物が目の前にいれば襲うってことだ。だが船の仲間はゾンビ達に素通りされ、フェロモンムンムンのジェイドも素通りされた。考えれば考える程納得が出来ねえ。
製作は毎回その場の思い付きで作ってるのか?





普段こんな長文書くこと滅多にないからもう疲れた…
こんなしょうもない文章考えるのにも頭使うんだ……
疲れたのであとはもうざっと書きます。

2022年と2036年のシーンがエピソード中頻繁に切り替わるけど、それでメリハリが付いてるとかそういうことも特に無く、盛り上がりに欠けてひたすら冗長だとか

第1話でゾンビ犬がガラス張りの会議室に逃げ込んだジェイド達を見つけたとき、的確にガラス部分じゃなくビリーが鍵開けたドアに突っ込んで開けててご都合感凄いし、なんならその前の金属製扉どうやって突破したん?とか

正直ジェイドだけじゃなくて妹のビリーもロクなことしねぇクソ女だったなとか

ビリーが感染してゾンビ化する?あーゾンビ化しそう!落ち着いた?あーでもゾンビ化しそう!落ち着いた?ってのを8話中5話もやってるとかバカじゃねぇのとか

アンブレラ兵は出来の悪いマスターチーフみたいな頭でっかちアーマー着込んでる割に、銃相手にもクリーチャー相手にも役立たずで何の意味があったんだよとか

バイオ2のラクーンシティ壊滅事件起きてるのになんでバクスター達アンブレラ側がリッカー知らないんだよとか

2036年側のキャラが全く掘り下げられず無味無臭で、名有りキャラでもほぼ印象に残らないとか

あのサイズのワニにどうやって電極取り付けたんだよとか

全8話使って結局ニューラクーンシティ崩壊とウイルスが世界へ拡散されるとこをやらずにシーズン2示唆とか他にも色々ダメです。


唯一面白かったのは、ウイルスに感染して30mくらいに巨大化したバカでけぇワニがゴロゴロ転がってアンブレラのヘリを撃墜するシーンだけ。





最後に

個人的にこのバイオはクソです。
でもシーズン2が来ようものならこのボロクソ叩き状態から手のひら返させてみろという気持ちで観ます。
クソだったらまた不満を吐き出します。
終わり。

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