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「有料老人ホームに家族が入居した時」その④ 婿

 妻である配偶者の両親が老人ホームに入居した時、夫はどういう役割を持って臨んでいかれるのでしょうか。お婿さんのお姿はホントに様々。

①普通の婿
 妻をサポートするに徹する。意見は言わない。車を出したり、買い物をしたり、親切にお手伝いをしてくださいます。
 ただし、休日のみ。
 主婦である妻が介護のためにその役割が果たせない時も、理解を示してくださいます。
 しかし、理解の範囲。共感はしていないと感じるのは私だけ?

②契約の婿 
 最近は減りましたが、20年ほど前はなぜか契約者が娘のお婿さんのことがありました。
 「私は収入がありませんし、契約も良く分からないので夫の名前でいいですか。」という娘さんがたまにいました。
 ホーム側としては契約はお婿さんで構いませんが、今後実子が選択していく様々なことがありますよって、どう伝えようか悩みました。
 (介護保険のサービス計画書のサインは入居契約の契約者でなくても構いません。)

③かかわらない婿
 入居の相談から、入居退去まで面会にもお見舞いにも全くかかわらないお婿さんもいらっしゃいます。それはそのファミリーの在り方なので、ホーム側としては何も申しあげることはありません。
 ご葬儀の時に初めてお姿を遠くから確認したりします。
 どういう方かって?
 分かりません。

④婿しかいない婿
 実子である娘さんがご入居者様より先に亡くなられ、お身内がお婿さんしか居なくなられたとき、保証人を受けてくださるお婿さんがいます。
 唯一のお子様をなくされたご入居者様の悲しみの深さに、ホームのスタッフもどう接していいか途方に暮れているとき、お婿さんの誠実なお言葉や態度に一緒に救われました。
 生きていれば、悲しい思いもする。人生だから。
 一緒に悲しんで、寄り添っていくことができるのは、実子の娘さんとの時間を共有できるからでしょうか。
 

お婿さんの在り方には、そのファミリーの在り方や価値観があらわれるんでしょうね。(言えないけど)


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