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銀座の恋の物語 2

銀座の居酒屋で始まった同窓会・・・

大手鉄鋼メーカー役員の片野から「馴染みのクラブに連れて行ってやるよ!」という誘いを受けた俺・・・

何しろ『世界の銀座』なので、茨城から出て来た田舎者にとっては 天にも昇る気持ちだったのであった。

居酒屋の後にミシュランの焼き鳥屋に行ったこともうわの空・・・

時計が11時を回る頃、ついに同窓会は解散となったのであった。
そして 待ちに待った大人の同窓会となったのである。
他の連中は 各々 どこかに消えて行った。

片野 「じゃ そろそろ行く??」
俺 「行く 行く~~!!」

5丁目方面に歩き出した2人・・・

その方野君の背中が なんと大きく見えたことか!?
歩くこと数分・・・、雑居ビルの前で立ち止まった彼・・・
「入るよ!!」
そう言って横のエレベーターのボタンを押したのだった。

その自然なしぐさの一つ一つが 田舎者の俺にはすべて洗練されているように見えた。
何しろ ここは「世界の銀座」なのである。(しつこい!??)
「チン!」
エレベーターは 8階に停まった。
扉が開くと 目の前にはエジプトの王墓の入口のような(!?)重厚な店構えが現れた。
(あっ!? これ 入るとヤバいヤツ・・・)

俺の第六感が危険信号を発していたにも関わらず 「ギギギギギ~~!!」と扉を押してしまった片野君・・・

するとすぐに うす暗い店内のどこからか 「いらっしゃいませ!」というドスの利いた女性の声が響いたのであった。
その声のする方を見て俺は 思わず2~3歩 後ずさった。
金髪の50絡みのいい女・・・

しかし 凄い迫力である。
(こっ こいつ・・・ ここのママに収まるまでに 邪魔なヤツを何人か殺しているに違いない!?)

ママ 「あらっ!? 片野ちゃん いらっしゃい!! 今日は いつもより遅いんじゃない!?」
(あっ やっぱり 銀座では馴染みの客は『ちゃん付け』なんだ!? ブヒョヒョヒョヒョ・・・)

目の前で繰り広げられる未知の世界・・・!?
「うん 今日は ちょっと同窓会の帰りでね!! ヘヘヘヘヘ・・・」
ソファに座りながら答える彼・・・
ママ 「そうなの?? それじゃ お連れの方は仕事関係じゃないのね!??」

片野 「いや 仕事関係といえば仕事関係・・・ でも 同級生!! ガハハハハハハ・・・」
ママ 「あらっ!? 不思議な関係ね!! オホホホホホ・・・」

俺 「初めまして 小波野と言います! デヘヘヘヘヘ・・・」
「小波野さん・・ こちらこそ 宜しくお願いします!! フフフフフ・・・」

ママとの挨拶が終わるや否や 背後から鋭い視線を感じた俺・・・
振り返ると そこにはファッションモデルのような綺麗な女性が立っていたのである。 
(さすが銀座 レベルが高い・・・・!?)
しかし彼女も ママにも似た危ないオーラを発していたのであった。

例えれば 「火曜サスペンス劇場で 自分の利益のために平気で男を崖から突き落とす女!?」に見えたのである。
「お邪魔します!」と言いながら俺の横に座る彼女の横顔を見ながら

「この店から無事帰還出来るのだろうか!??」と思った俺なのであった。

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