昭和のサーフィン物語 5
悪魔のような『ホーガンさん一味』によって平和が保たれていた河原子ビーチ・・・
そんな逆境の中 俺達『ホット・ラッツ」も細々と生き延びていた。
ホーガンさんに目を付けられれば 一瞬にして消え去る運命の弱小チーム・・・
しかし 俺達が生き残った理由は 別のところに有ったのである。
向かうところ敵無しのホーガンさん・・・
そんな彼にも弱点が有ったのだった。
その弱点とは・・・!??
友達が働くボード工場に ホーガンさんの兄貴分が働いていたのであった。
セカンド・シェイパーとして働いていたその人は 昔のプロレスラー、大木金太郎に似たヤバゴツイ人だったのである。
2人の関係を詳しくは知らないが 噂によると数年前に あのホーガンさんをボコボコにしたと聞いていた。
大木金太郎>ハルク・ホーガン???
いつも冗談を言って笑っていたが 絶対に目は笑わない人だった。
ショップのチームを作るという話が出た時 その金太郎さんと話したことがあった。
金太郎 「ケン君!! 今度 新しいチームを作るんだって!?」
俺 「ハイ! ショップのお客さんと一緒に作ります!!」
金太郎 「ふ~~ん・・・ ショップの売り上げが増えれば 工場もプラスになる訳だから まあ頑張ってよ!!」
俺 「えっ!? あっ!? ハイ!!」
金太郎 「それで チームの名前は決まったの??」
俺 「ホット・ラッツにしました!! 」
金太郎 「ホット ラッタ・・・???」
俺 「ラッツです!!」
金太郎 「『ラッタッタ』??? ホット・ラッタッタか!? いい名前じゃん!! ブヒョヒョヒョヒョ・・・」
その頃 スクーターのCMでソフィア・ローレン(イタリアのオッパイ女優)が 「ラッタッタ~!!」と叫ぶのが流行っていた。
俺 「あの~ ラッツなんですけど・・・・」
金太郎 「ラッタッタ!! ラッタッタ!! 覚え易くていいね!! 応援するよ!! ギャハハハハハ・・・」
(半分バカにされていたのだが この人の機嫌を損なえば それこそ海に近づけなくなる・・・)
俺 「(長いものには巻かれろ!!) よっ 宜しくお願いします!!」
こうして金太郎さんに認めて貰ったため(!?) 無事にポイント・デビューが出来たのである。
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