見出し画像

「震える舌」映画鑑賞

ホラー、ヒューマンドラマ
1980
監督 野村芳太郎
原作 三木卓

人物 三好まさこ(娘) 若命真裕子

三好邦江(母)(十朱幸代)
三好昭(父)(渡瀬 恒彦)


感想

ある3人暮らしの家庭が娘の病気をきっかけに恐ろしく変わっていく姿が見ていて怖かったです。
俳優の演技が上手く、見入っていました。

映画としては、ホラー映画としての名作だと思います。
霊やオカルトのない、ホラーであるのが、斬新だと思いました。

初めての物、わからないものの、無限の怖さ、そう言うものを表している映画だと思いました。
父親の昭が破傷風になった娘、まさこに指を噛まれてから、「俺も感染するのではないか…」
と漠然な不安をずっと抱えていたところがリアルでこの映画の味だな。
医者に何と言われても、どうしようもなく怖くなってしまう。

何かが起こったときの、パニックによる狂乱は、私達にも起こります。
周りの人々が、病人本人よりも、取り乱してしまう。娘を愛するがあまり、パニックになり、常軌を超えてしまう。
その、人間の心理描写を如実に描かれた、
良い映画だと思います。

まさこが昭に躾をされて、人形の髪を切ってしまうシーンと、邦江が、自分のロングヘアを切ってしまうシーン。
どちらも関係があるようで、大人でも、取り乱してしまう、そのシーンが良かった。

主人公達は、医者の冷徹さに、辟易していました。私も、冷酷で嫌だなと思ってみてました。

たしかに、あの医者達は淡々とまるで、作業の様に娘の治療をしている様に見えました。
しかし、この映画をみた後では、医者は目の前の命を救うという、使命の元、仕事をしているんだな、とも思いました。

もし、感情を入れてしまったらその患者は死んでしまうかもしれない。
逆に、患者に情を入れて、どんなに苦しがっていても殺すこともできない。
生かすことを第一優先に考える、医者の立場も考えることができました。

一方の家族の気持ち、どちらも正しいと思いました。

角川のホラー映画はリングや着信アリなど、有名作品ありますが、この一作も、なくてはならない名作だと思う、作品でした。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?