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2.病気のコト


僕はお医者さんではないし、
病気を治せる訳ではありません。
もちろん病気の症状も種類も重度も違うのに、
僕が病気について言える事なんて一つもありません。

なので、偉そうに「こうしたらいい」
なんて事は言いません。
言えないし…。

たった一つ言えるのは、
僕が闘病中に経験した事は、
辛い思いをされてる心の支えになるかもしれない。

絶望的で周りのみんなが途方に暮れてる中でも、
僕一人が前を見れたたった一つの方法です。


怒涛の生活の始まり


今までに病気と縁がなかった僕にとっては、
ここから始まる一ヶ月間が怒濤の日々でした。

レントゲン、細胞診、エコー検査。
CTやMRI、PET検査。

どの検査をしてる最中も、
頭の中は(うそでしょ?そんなことないって)
全然信じられない自分がいました。

診察していただいた先生から、
検査の結果が伝えられた日。

「ご家族の方を呼んでいただいてもよろしいですか?」
と言われました。

(そうなんだ…俺、病気になったんだな…)

妻には、検査結果の出る前の日に
先生から「最悪の事態は免れてると思います」と
言われていたので、
妻には「大丈夫だと思う。」
と伝えていました。

現状は、喉の腫れから
声がかすれるようになって、
喉仏がわからなくなるくらいパンパンに腫れた。

朝起きてすぐは、ご飯が喉を通らなくて、
なんとか生活できるくらいでした。
ただ、普通に体は動くから
マスクで喉の辺りを隠す感じで仕事はしてました。


コロナが広まる前だったので、
マスクは世間的にも違和感があって
「どうしたの?風邪??」って常に聞かれるくらい。
ほんと体は全然動いたので。


検査結果が伝えられた日、先生からは
「最悪の結果です。」と告げられました。

少し安心してて、不安な気分も持ち直した矢先、
奈落の底に落とされた感じ。
(先生…前に言った事と違ってる…)

「ご家族を呼んでください」と言われ、
(えっ?これドラマのシーン??)
一番初めに頭に浮かんだのは、
(本当に??妻になんて言おうか…。)


先生は、多分その時は
甲状腺癌を疑っておられた。

色んな検査をして、
エコーも細胞診もCTも。

ただ、甲状腺癌の癌細胞の顔色が違うと。
甲状腺が腫れてる原因が別にあるのじゃないか。
原発がわからなければ、
治療法が定まらない。
そんな状況でした。


病院の玄関先の駐輪場の片隅から、
妻に電話した事、鮮明に覚えています。


「あんな、ごめんな。癌だった…絶対治すから。」

電話を切った数時間後、
妻と義理の母がいる前で、
症状を伝えて下さった後に
先生が言った言葉は、

「余命半年の方と同じ症状です。」
でした。

落ち込んでびっくりしてる二人をみて、
(落ち込む訳にはいかないなぁ…)


僕が妻に電話して、
改めて家族で先生の話を聞くまでの数時間。

僕が考えていた事は、

(どうやって治そうか…)

だだ、その一点だけでした。

ここから、
僕が試した全てのことです。


2022.11.3

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