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舞台『う蝕』観劇 3/9

舞台『う蝕』を観劇してきた。
やすくんが「フライヤーから舞台探して」と言っていたため、フライヤーから舞台を探す旅をしてる中で出会った作品🚶‍♀

ネタバレあります。だらだら感想です。

舞台概要
『う蝕』
作 横山拓也さん
演出 瀬戸山美咲さん

あらすじ---------
”コノ島”という島で2度の地盤沈下『う蝕』がおこった。島の人々や建物が地面深くに沈んでしまう詳細不明の自然災害。助かった島の人達へは、避難指示がでている。
島に残ったのは、埋まってしまった人達の身元を調べるため、コノ島唯一の歯医者をしていた根田と今回のう蝕で派遣された同じく歯科医の加茂と木頭、そして役所の人間だというササキサキと、木頭に派遣を変わってもらった剣持、何でも医者の久留米、
けれど、この6人の中に"こっち"にいてはいけない人間がいて、、
ーーーーーー

6人による会話中心の劇。
不条理劇、というジャンルらしい。。

なるほど。
不条理劇、どのへんが不条理なんだろう。。
筋が通らない、リアルな演劇だけどもリアルではあり得ないことが起きているっていうところなんかな、🤔

今回だとこっち(この世)にいてはいけない人がいる、というところ?
それとも不条理な不幸、『う蝕』という天変地異がおこったところ、??
どっちも取れるけど、どっちでも違うかもしれん😂他にみたこと無いから、わからんな。
教えて〜有識者〜〜🤤 

舞台感想

だらだら感想

う蝕により、亡くなってしまった木頭と加茂、
同じ立場の二人だけど対照的で面白かった。

木頭よかったな。
木頭の底抜けの明るさの中に少し空元気も混じってる感覚が伝わってきた。

他の人が木頭と加茂を見えなくなってる時間の顔が何考えてるんか、わからなかったけど。。
ただ、その後のシーンでこっちから、あっち(あの世)へ"行く"って言ってて、前向きな言葉なのよね。
でも根田に、生者は気楽でいいよな〜って言葉でいじってたりもしてて、ただ能天気なわけではなく、色々と思うところもありつつ自分の状況を静かに受け入れてた顔だったのかな、って思った。
メンタル的に強い、というか安定性が高い性格。

加茂さんのほうが、「帰りたい帰りたい」と言葉を繰り返しているから、
まだ自分の状況を受け入れられ無い、辛い、ってちう気持ちが伝わってきた。これこそ不条理なんかな、?
情緒も不安定だし、う蝕の謎を解明するぞ!と高い目標をもって超真面目に取り組むけど、予想外の出来事とかに弱いタイプ。。目標を達成できなくて虚しい、という感じではなく現実を受け入れられない、という空気が伝わってきた。「自分を見つけてほしい」という思いも加茂のほうが伝わってくる。

同じ立場の二人でも、起こった理不尽な不幸な出来事に対して
向き合い方、感じ方は全然違って、、でも二人はなくなっているから選択肢はない。

逆に自分だけが生き残った根田が起こった事実に対して、
「何も思わないってどうするんだ」っていう切実なセリフとそれに対する
「心なんて勝手に思うもんだろ、それか俺みたいに何も思わないか」っていう粟崎のセリフ、ここも印象的。

生きていると、どう思うかだけじゃなくて、そこから行動したら正しいのか
どう思うことが正しいのか、抱えきれない思いをどうしたらいいのか
抱えきれなくても生きていかないといけないから、、

私は世界での戦争とか、日本での震災、自然災害、コロナとか
結構人ごとのようにも感じてしまうところもあって、でも何も感じないじゃなくて、"悲しみ"とかを感じるのが正しいよな、って頭のどっかで思ってしまうときがある。どっかで強く感情移入しないでおこう、見ると感じてしまうから見ないようにしようっていう防衛することもあって、
心は勝手に思うし思ったことに対して、脳が正しい判定を下してくるのがWでしんどくなる。

粟崎は、心は勝手に思ってしまうものだけど、勝手に思わないように防衛してるって感覚なのかな。

この劇を見ると、
心は勝手に思ってしまう、特に最近はコロナとか理不尽な出来事ばかりで「クソーーーー!!」って思うこと多すぎるけど、
そこで感じた想いに対して”正しく”処理できる人間にはなっていきたい。
根田は、二人を含め身元を見つけようとしていて、抱えきれない辛さを持ちながらも生きていた。
どうしたらいいのか悩みながら、答えも出せずそれでも時は進み悩み続けていくことが、とても、生きている人間だった。🥹


全然比べる話ではないけど、私的には推しの結婚とかほんと、なんていうかどうすればいいんだってなる、笑
何も思わないってどうしたら、オシの幸せ祝福できない、受け入れられない、考えるだけで心が沈む。。比べる話じゃないな。。🥹🥹


俳優さん
主演の坂東さんはじめまして、やったけど、イケメンやけど、少し泥臭さもあるような、健康的な青年と大人の狭間みたいな。。素適な方ですね。
木頭のあのお調子者感があるセリフとか動きとか、くすっと笑えてよかった。本人もネアカではないのかな、?🤔

加茂さん役の近藤さんも面白いな。にじみ出る真面目理系感、、(笑)😂
木頭と対照的で面白かった。

あともう一人イケメン、剣持さん役の綱さん。
スラっとしてて、ボンボン感がめちゃめちゃあった(笑)
ぼんぼんって、色白な感じがあって、スマートな感じもあってた。
あれ素であの雰囲気なんかな、向井理さん感というか。(笑)


好きな演出
好きだ!と思った演出は2つあって、
1つは最初の箱が開くように舞台が出てきて
そのまま話が進むところ。
その舞台の外側が暗くなっているので、コノ島の不安な感覚が伝わってくる。

同じ空間でも明るかったり、自分が知った場所だと怖くないのに、お化け屋敷とか知らない空間でしかも暗くて見通せないってすごく不安を掻き立てられる。。
漫画でよく、心理描写で崖が使われるけど、それに近い感覚。

あれは演出なのか美術なのかは、わからないけど光があたってる箇所すれすれに役者さんが立つ場面も何回かあって、一歩踏み出すと暗闇みたいな感覚が不安になってよかった。
不安になってよかったってなんやねん。

2つ目は、太陽の光。
わたし『海をゆく者』でも思ったけど、太陽が好きやな。
太陽っていいよね、もうその光だけで、楽しい気分にも寂しい気分にも、孤独な気分にもなる。
実体験として、仕事終わって建物を出たときまだ明るかったら嬉しいし、暗かったら若干虚しくなる。。太陽ってすごい🥹白夜とかやったら、ずっと少しテンション高くなりそう、そしてゆっくり休めなさそう🥹

木頭と加茂が太陽☀が"昇る"か"沈む"かで話ししてる場面があったけど、沈むってわかると少し物語が暗い方向に行くのかな、とか感じるし。
小気味いい楽しい会話をしていたのに、時間経過とともに根田が不安な空気感だすから🥹
あぁ〜夜が来ちゃう〜〜とおもってた。
夜に蝕まれる。。夜蝕。。やしょく。🍜👯
太陽とともに話が進むの好きやな🥹

最後にあのよこのよ
今回、あっち(あのよ)とこっち(このよ)っていうワードが出てきて、
あのよこのよ!!ってヤスくんが頭をよぎった、、
もうね言葉を借りるなら頭が勝手に考えちゃうのよ。
舞台「あのよこのよ」はポジティブな映画だから雰囲気は全然ちがうのだろうけど、あの舞台も青木豪さんが東北大震災から現実味のない日々が続いている感覚を舞台にできないかを考えていた時に、話が来て着手した、という胸をお話しされていたから、、少し近いところもあるのかな。。
楽しみ。。。


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