見出し画像

「恐竜化石」から広がるまちづくり              むかわ町

むかわ町は恐竜化石を活用しながらまちづくりをする珍しい町。
そして鵡川町と穂別町が合併してできた新しいまちが「むかわ町」


興味深い

私は、まちづくりに欠かせない恐竜化石が地域の人にも受け継がれているのかという疑問から調査を行った。化石と人間が協力している町。興味深すぎる。調査するしかない!
そこでむかわ町の恐竜を専門に扱う「むかわ町穂別博物館」にお話を伺いに行った。

まちのシンボル むかわ竜

むかわ町穂別博物館のメインといったら「むかわ竜」
むかわ町で付けた名前がむかわ竜
むかわ竜の正式名称はカムイサウルス・ジャポニクス
カムイサウルス・ジャポニクスは世界共通の名称で国際規約によって定められている。

それでは、むかわ竜がどんな恐竜なのか簡単に紹介!

むかわ竜 全身骨格化石

むかわ町穂別で初めての恐竜化石。
ハドロサウルス科ハドロサウルス亜科のエドモントサウルス類の新種
植物食恐竜
全長約8メートルの全身骨格化石 (尻尾だけで約1メートル)
体積では80% 骨数では60%が発見されている貴重な化石


・恐竜化石を活用したまちづくりの案内人
むかわ町穂別博物館館長 櫻井和彦さん
博物館としてどのように地域と関わりながら恐竜化石を活用したまちづくりを行っているのを話してくれてた。

むかわ町穂別博物館長 櫻井和彦さん


「あっちもこっちも 恐竜!?」

恐竜化石を使ってまちづくりをしている町なだけあって、
穂別ならどこでも恐竜に会うが出来る。
恐竜=過去の生き物。
過去の生き物は、現代には存在しない。
だが、穂別地区を散策しているとまるで恐竜ワールドにいるような気分を味わうことが出来るのだ!


恐竜の姿をした公園の遊具

例えば… むかわ町穂別博物館 ホッピ―公園、まちの街路灯、マンホール

ホッピー公園

・ホッピー
1977年にむかわ町穂別で見つかったクビナガリュウは「ホッピー」という愛称で地域の人から愛されている。

クビナガリュウ 愛称 ホッピー


恐竜がむかわ町を繋げるヒーロー!?

私は、むかわ竜が地域の人に受け継がれているのかというの疑問だった。
博物館館長の櫻井さんにこんな質問をしてみた。
「むかわ町穂別で見つかった化石は、今もきちんと受け継がれているのか」
こんな回答が返ってきた。

むかわ竜 尻尾

~教育編~
・学校の授業では町内の小・中・高で地域学習として地域の化石を学ぶ
授業がある
・博物館の見学や出前授業、化石発掘体験からむかわ町穂別の化石を学ぶ(むかわ学)
・大学の外部講師講義・実習
・むかわ町こども化石くらぶの実施
化石の採集体験、博物館バックヤードツアー

発掘道具や化石

~地域編~
・平成29年 2月 むかわ町恐竜ワールド構想推進計画
・平成30年 3月 博物館周辺エリア再整備基本計画
「恐竜化石を活かしたまちづくり」を実践するために当初の計画では、

博物館や化石発掘現場などの中心となるエリアの魅力向上
            ↓
資源を生かした観光商品やグルメ開発などの向上
            ↓
恐竜以外の地域資源を活用して町全域をステージとした魅力向上

これらの活動・計画が、
新型コロナウイルスの流行胆振東部地震により一時中止

むかわ町穂別地区では、震度6強 であった。


博物館でも、被害状況の差異は見られたが展示物・展示資料が元の位置から大きくずれる、転倒や破損などの被害があった。

むかわ竜の全身骨格化石は奇跡的に被害がなかった

2019年に国内最大恐竜全身骨格化 むかわ竜の学名「カムイサウルス・ジャポニクス」を発表。
コロナと震災の復興のシンボルとなった。


”恐竜離れ”が進む!?

恐竜を活用したまちづくりが町全体が盛り上がっているわけではないということが課題点だ。
博物館館長の櫻井さんは「地元の人は、恐竜が身近過ぎて関心がなくなってきている」と仰っていた。
「外向けにアピールすることも大事だが、地域の人の人のために化石があることが大切」だと仰っていた。
実際に、穂別博物館に来館される人数のうち、地元住民の方は1%にも達しない。

恐竜化石のイラスト


化石と共に歩む

これからのまちづくりとしては、「むかわ町の化石」をむかわ町の中の人も外の人も楽しみながら学ぶことが出来るまちづくりが良いのではないかと思う。
そして復興のシンボルにもなった恐竜化石は、むかわ町の中と外を繋ぐ大切な役割をしていくだろう。

「むかわ町の人に還元出来る、まちづくり」を目指す。

「地域の人に支えられてむかわ町穂別になくてはならない存在の博物館になる」ことが目標と櫻井さんは語った。

発掘された化石を学ぶ、触れてみるということは過去を知ることだ。そしてそこから今を知るということ。そして未来を見つめるきっかけになる。
むかわ町では「むかわ町の化石」を学ぶ機会があり、そこからまちづくりは広がっていたのだ。
むかわ町穂別にしかない化石が過去・現在・未来をつなぎ、地域の人とのつながりを結ぶシンボルになっているということを学んだ。

私は、まちづくりに欠かせない恐竜化石が地域の人達にも受け継がれているのかという疑問を抱き調査を行った。恐竜化石が地域の人に知ってもらう、触れてもらう機会があるということが分かった。また、恐竜化石が人とのつながりを結んでいる重要な存在であることも本調査で明らかとなった。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?