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【映画にまつわる思い出】

私は、洋画をよく見る家庭では育たなかった。

毎週金曜日の夕食後は, アイスとポテチを片手に映画を鑑賞、
最新の映画が公開されると, 家族と一緒に映画館に見に行く、
好きな芸能人といえば、ハリウッド俳優、

そういう環境ではなかった。

だから、中学2年生の時、同じクラスで仲良くなった洋画マニアの友達に出会うまで、私は、金曜ロードショーでやっている、吹き替え版の洋画しか見たことがなかった。



私が中学生だった2017年頃、世の中は空前のK-POPブームで、クラスのみんなは韓国アイドル、ドラマ、または王道ジャニーズ、坂道系アイドルを推している子ばかりだった。

私に洋画を勧めてくれた友達除き、洋画を見ている人は誰もいなかった。

その子はたった一人で、海外の俳優や洋画を推していて、私はその子の、自分の好きを貫く姿勢と、おすすめの洋画を勧めるプレゼン能力の高さに圧倒され!、洋画に興味を持つようになった。

私は、流行に疎いというか、みんなが話してい他当時のカルチャーにあまり興味がなくて、当時は一人でファッション雑誌オタクだった。
だから、洋画もおしゃれそう、という軽い好奇心もあり、勧められた洋画を中心に、今は亡き近所のTSUTAYAで洋画を借りるようになった。
それが洋画の世界に足を踏み入れたきっかけである。

そして、見事にハマった。

初めて見たのはThe Greatest Showmanだったと思う。
イヤフォンで聞くだけでもその華やかさが目に浮かぶようなサウンドトラックから始まり、時代を捉えた建物や衣装、ファンタジーのような色使いや演出にただただ圧倒された。
しかも、誰に何と言われようとも、私は私で輝く権利がある!という強すぎるメッセージに心を打たれて、そこから、私の洋画への愛は始まった。
(初めてレベルに見た映画がThe Greatest Showmanで本当に良かった)



初期に見た映画(中学生の頃?)で印象的だったのは、

  • Love, Rosie

  • Me Before you

  • La La Land

  • Mean Girls

  • Carol

  • My Sister's Keeper

  • Miss you already

  • I, Tonya

  • About Time

  • Leon

  • My Blueberry Nights

  • The notebook

  • Hairspray などなど。

  • (海外ドラマはOnce Upon a Time, Sex and the City, Gossip Girl !!!




日本生まれ日本育ちの私にとって、洋画を見ることは, 見たことのない世界を見せてくれるものだった。

知らない言語 (洋画を字幕で見るようになってから、学年でビリだった英語の成績は右肩上がりの爆あがり!高一の時は学年一位取るまでに!)、生活、数々のカルチャー。
自分のガチガチに凝り固まっていた固定概念や考え方を、一つ映画を見るたびに、広げていってくれた。

価値観が変わった、という言葉を簡単に使いたくないのだけれど、Gradually, over time, というように、本当に徐々に徐々に見るたびに、私の視野、知識、興味は広がっていった。

今までできなかった視点から物事を見ることができるようになったし、無知だった社会問題や、過去の人の苦悩など、とにかく幅広く、人生を経験したような、経験値が上がったような、そんな感じになったのだ。



The Greatest Showmanが洋画への手解きだったとしたら、私を実際に海外へ飛び出させたのは、間違いなくHigh School Musical だろう。

映画好きの人たちから、好きな映画は?と聞かれるときに、必ずセットで

”Don't say you like Disney movie.”

と言われる。
彼らが別にディズニー映画を貶しているわけではなく、大衆から愛されている映画以外にも、見ている映画もちろんあるよね??という、ちょっとした、マウントというか、そういうのをジャッジしたいだけだと思う。

ともかく、私の高校時代はHigh School Musical に始まり、High School Musialで終わったと言っても過言ではないくらい、High School Musicalは私の高校生活を変えたのだ。



私は、中学3年生の春にコロナが蔓延して、高校一年生の1学期を自宅学習で終えた学年だ。オンライン授業もなく、ただただ出された課題をこなしていた3ヶ月間だった(あんまり勉強していなかった気がする笑)。
本来はその年に行けるはずだった海外研修もコロナで中止になり、

もう、やりたいことも何もないー

と嘆いていてた。
そんな現実から逃避していただけかもしれないが、時間だけはあったので、とにかくずっと映画を見ていた。
Disney delaxとamazon primeとNetflixと近所のTSUTAYAを駆使してとにかくいろんな映画を見た。
そこで、High School Musical に出会うのである。

当時はティーンネイジャー系の映画をもっぱら見ていて、Mean Girls, Clueless, The BreakFast Club, The Empire Record など。それでおすすめに上がってきたのがHigh School Musical であった。

一番初めのStart of Something newのシーンから、私は魅了された。
1日で、High School Musical1からThe Movieまで三作一気に見た。
最後のHigh school Musicalのエンディングでは、私は高校生になったばかりだったのに笑、キャストの一員だったかのように、泣いていた。
(HIgh School Musical 愛は語ると止まらないのでまた改めて書きたい)

憧れすぎて羨ましい高校生活、もちろんフィクションなのだけど、私はそれを現実のように感じてしまって、もう、

この世界に行きたい!

その日から、北米の高校生になる、ということだけを考えていた。

実際に、コロナ禍だったにも関わらず、翌年の高校2年生の9月からカナダの高校に1年間留学した。(両親、先生を説得し自力で奨学金も取った、それくらい行きたかったから)

よく、留学は映画と違うよ、という人もいるけれど、私は過ごし方とメンタル次第では、本当に映画のような経験ができると思う。
実際に私は毎日映画の中にいるようで、その1年間は今思い出しても、現実味を帯びていなかった。

ロッカーが並ぶ廊下、各教室がその先生専用の部屋で、映画のポスターがあってあったりアートが飾ってあったり、ランチでりんごは丸齧り、茶色の紙袋に詰めたサンドイッチ、休み時間はテーブルの上に座ってたり、アメフト部のboysたちとダンス部のGirlsは付き合ってたり、可愛くてお金持ちの人気者グループの子もいたり、毎週誰かしらパーティーを開いていたり、学校でアメフトとかバスケの試合を応援したり、プロムもあった!!!!!!!!!!!



私はもちろん、真っ先にミュージカル部に入部した。留学生は私一人だったし、その頃私はあまり英語を話すこともできなかったけれど、それでも、入らない選択肢はなかった。

それは!まさにリアルHigh School Musicalだった。

オーディションのために名簿に名前を記入して、そのために練習をして、
そしてHigh School Musical1でシャーペイが叫んでいるシーンが象徴的だったけれど、本当にCall Back もあった!
私もCall Back (二次オーディション的な)によばれて(小さい頃合唱団に入って歌が少し得意だったおかげ?)、人生の中の経験ベスト5に入るレベルに最高な映画の世界な体験をした。

Call Back は今でも鮮明に覚えていて、みんなが円形に座っていて、一人ずつみんなの前に立って、歌やセリフを披露していく。私以外ネイティブスピーカーで、私は一人カタコトEnglishで、初めは友達も誰もいなかったのだが、みんなが信じられないくらい暖かくて、歌い終わった後に、わざわざ
You did great job!
I love your singing!
というように声をかけてくれて!
私の脳に残っているこの経験の映像を、言葉で伝えきれないのだけれど、とにかく信じられないくらい夢のような映画の中の世界だった。

高校留学秘話はたくさんあるので、また別の記事に書いてみようと思う。



話は逸れたが、私は映画に影響をうけて留学までし、現地でミュージカルもし、Mean girlsやHigh school musicalなどの映画に出てきた海外の高校生が映画でやっていることをほぼ全て体験した。

そして今でも、映画は私の人生の一部で、一度しか生きることのできない限られた自分の人生に、経験できるはずのないフィクションと感情を体験させてくれる、不可欠な存在である。

Sylvia Plathのこの詩は私が映画を見続ける大きな理由の一つを代弁してくれている。

I can never be all the people I want and live all the lives I want. I can never train myself in all the skills I want. And why do I want? I want to live and feel all the shades, tones and variations of mental and physical experience possible in my life.

Sylvia Plath

私は、憧れの人全員になることも、生きてみたい人生全てを生きることもできない。身につけたいスキル全てを身につけることもできない。なぜ私はこんなにもそれらを手に入れたいのだろう?私は、可能な限り全ての、ありとあらゆる経験を精神と身体で感じて生きたいのだ。

translated by me

人はどうしても、自分の人生、自分の今までの経験に感情や思考を支配されがちで、違うバックグラウンドを持つ人を理解することは難しい。でも、映画はその可能性を広げてくれる。
実際には体験できないし、遠く離れて縁がないように思える人の人生を、一番近くで見せてくれて、感じさせてくれる、生きさせてくれる。

だから、私はもちろん、エンターテイメントとして、映画を愛しているけれど、それ以上に映画は、もっと大切で、愛しくて、人生の教師であり道標的な存在なのである。

私も成長するし、周りの人も成長してくけれど、一度制作された映画は消えずに、変わらないまま存在してくれる。だから、自分を見失いそうになった時、たとえ感じ方が変わったとしても、時代や国を超えて、そばにいてくれる映画に何度救われたか、そしてこれからも救われるんだろう。

自分の人生は、瞳を通して見る世界が全て記憶されているわけではないので、同じ経験、感情、考えは一生できない、その瞬間しか。絶対に同じ条件、経験というのはできない。

でも、映画の世界は、多少自分の、その映画に対する捉え方が変わったとしても、変わり続ける世界と自分の狭間で、変わらぬ景色を見せてくれる唯一の存在でもある。

I love Movies!
I cannot appreciate enough you for enriching my life, movies!!!!!!!!

#映画にまつわる思い出



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