正解した回答こそ、解説せよ! 塾に命を賭ける男(2)

はじめに

今回は保護者から一旦離れて、生徒の視点に立って思考を進めます。
前回の記事で、保護者に塾で何をしているかわかるようにすることが重要だと話しました。
他方、生徒側の視点からは、①成績向上と②モチベーション向上の2つが重要だと思っています。

「当たり前じゃん?」と思う方もいるかもしれませんが、私はこの2つを実現するために尋常ではないほどの工夫をしているので。その点を今日は解説してみたいです。

成績向上のための工夫

まずは、成績向上のために何をしているのか解説してみたい。

◾️解説をさせる
私は授業中によく生徒に「これはなぜそうなったの?」と聞く。
これには2つの意味がある。
1つは、本当に理解しているか確認するためだ。
わかっていなくても嘘でわかったふりをする生徒は多くいる。これを防ぐ目的だ。
生徒は何回もこの質問をされると癖がついてきて、聞かれる前からしっかり理解しようとするようになる。おまけでこれも狙っている。
2つ目に、集中力を高めるためだ。
定期的に生徒に問いかけることで、生徒が授業に集中せざるを得ないような環境ができる。
授業への集中力を高めたり、注意を向けることもこの作戦の狙いだ。
学生時代に授業中に生徒を順番に当てていく授業を行う教師がいたが、それの応用としてこの作戦を採用している。

◾️合っている問題の解説
→私は間違えた問題のみならず、生徒が正解した問題の解説もする。ほとんどの講師は間違えた問題の解説しか行わないが、これは不十分だ。
なぜなら、正解した問題の中には、なんとなく正解した問題や、問題にはなっていないが知っておくべき重要事項があったりするからだ。

このような理由から、私は必ず正解した問題もしっかりチェックし、解説に取り入れる。

◾️間違えた問題の分析
→上で正解した問題の解説もすると言ったが、間違えた問題の解説ももちろん重要だ。その上で私が心掛けているのは、間違えた問題をしっかり分析することだ。生徒の間違えた問題をノートにまとめてみると、必ずと言っていいほど間違え方の傾向がある。例えば、英語で1番多いものでいうと、「動作を過去形にすべきところを現在形のままにしてしまっている」ことなどが傾向としてある。これらを分析する必要がある。

◾️自分の発言を分析する
→もう一つ工夫していることを説明する。
私は、自分が授業中に発言したことも分析の対象とする。
例えば、英語の授業をする際、「これ覚えておいてね」という発言をすることが多い。
英語は、単語の意味・単語の綴り・熟語表現・文法のルールなど覚えるべき事項が非常に多い。
英語は、社会などの暗記科目に負けず劣らずの暗記事項があるのだ。
このことから私は、英語を究極の暗記科目だと思っている。

◾️生徒からの質問を的確に捉える
→生徒からの質問が来た時どのように答えるかについても意識していることがある。
それは、質問されたことを的確に捉えるということだ。当然といえば当然だが、これが出来ていないことは多い。生徒が欲しかった答えと違うことを言っている人は少なくないのだ。
これを防ぐため、まず質問の内容を聞き返し、質問の意図を明確にする。その後、質問に答えるのだ。

(コラム)
ちなみに、生徒が問題集を解くときにしているアドバイスがある。

12345678910
○○○○○○×××○○○
○○○○○○○○○○○
○○○○××○○×××××

このように、ノートに1〜10までの数字を書き、その下に10問ずつ問題集の正誤を○×で書き記していくことである。
単元別に問題が構成されている問題集でこの作業をすると、自分が苦手な分野を視覚的にわかりやすいように把握できるのだ。
例えば上の図では、3列目の後半あたりが苦手な分野ということになる。
こうすることで自分の苦手分野を理解し、対策することができる。

終わりに

成績面では以上のような工夫をしている。授業のやり方の細かい点については、割愛した。
これらの工夫は現段階でのものであり、日々アップデートされている。そのため、1ヶ月後には異なることをしている場合もあり得る。
今後もっと思考を重ね、成長していきたい。

次回以降では、モチベーション面の工夫を解説する。


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