On Base

もうすぐ1ヶ月が経つ。
HEATHが旅立ってしまった。中々心の整理が出来ず1ヶ月も経ってしまった。
何を隠そう私は大のXファン。それまでクラシックしか聴いていなかった小学生の時分の衝撃的な出会い。一気に心を持って行かれた。その頃にはもうXのベースはHEATHになってた。後にTAIJIのえげつない才能にも触れて、改めてXというバンドの凄さに驚嘆したものだった。
当時一番憧れていたのはHIDE。まぁとにかく、とにかくカッコ良かった。どの瞬間もカッコ良くて、愛おしくて、唯一無二の個性に強烈に惹かれ、これがカリスマというやつかと。そしたらバンドは解散。更にはhideは急にいなくなってしまって。泣いたなんてもんじゃなかった。ショックで学校休んだ。お葬式には行けなかったけど、3回忌、7回忌、13回忌、お墓参りは毎年行っている。未成年の当時は親から1人でライブに行くことなど許されておらず、一度も生で見ることが出来ないまま居なくなってしまった。もうXは終わったんだと思ってた。でも10年経った年の味スタ、エックスが目の前にいた。そして確かにHIDEはそこに居た。姿は見えないけれど、魂はそこに在った。HIDEの音がした。声がした。またXが在る世界が戻ってきた嬉しさと、HIDEが居ない寂しさと、複雑な感情を抱えつつ、涙で滲むステージに向かって必死に声を出した。
HEATHは昔と変わらず、寧ろ若返ったんじゃないかと思えるような出立ちでベースを弾いてた。
その後私は海外に行くのだけれど、いつの時も心の支えはXの音楽だった。物凄い音のうねりの中に、空の上のHIDEもTAIJIもいた。HEATHは寡黙にベースを弾いてた。
日本に帰ってくる少し前に、「WE ARE X」が発売になった。日本にいる友人に頼んで初回限定盤を入手した。でも未だに観られてない。どうしても辛かった記憶が掘り起こされるから。こんなに時間が経ったのに、未だに向き合えてない。そんな中、今回の訃報。ちょっとキツいって。Xとしてライブをやりたいと誰よりも望んでたHEATHがこんな形で、こんなにも早くいなくなってしまうなんて。これでもう本当にXは終わってしまうのかな。
最近はバンドとしての活動ができてなかったけど、いつかまた揃って音を出してくれる日が来ると信じてた。Xファンは待つのには慣れてる。でも、それもこれも命あってのことなんだって、分かってはいたけど改めて突き付けられた気がした。誰しもに平等にいつかは来る瞬間なのだけれど、現実になってしまうとどうにも受け入れられない我儘な自分がいる。またWE ARE Xを観る日が遠のいてしまった。
明日のお別れの会には行けないけど、一生あなたの事を忘れないよ。天国でHIDEやTAIJIと音を出して、いつまでも幸せな時間が過ごせますように。
Requiescat in pace…

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