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初めての海外旅行

ぶるすこで「初めての海外旅行」の話がでてたので、久しぶりに自分の初めの海外旅行を思い出した。せっかくなので、古い記憶を辿って覚えている限りの思い出を書いておこうと思う。

わたしの初めての海外旅行は、20歳の時だった。
母と妹と3人で、行き先はアメリカ。
父親は提案者であり出資者だったけど、仕事があるから留守番役。
でも、女3人だけの初めての海外旅行は心配だからと、父の友人がいるANAの旅行代理店に取り次いでくれた。
旅行会社のおすすめで最初はロサンゼルス旅行を想定していたのに、いろいろ計画を立てているうちにツアーはアメリカ東海岸からカナダを回ってロサンゼルスへという豪華なものになった。わお。
わたしは当時、英文科の大学生だったので、英語力を試すという勉強がてら&憧れのアメリカを堪能できるということでめっちゃ楽しみだった。

実際の海外旅行、まず移動が大変だった。
札幌から成田へ前乗りして、隣接するANAホテルで前泊。
翌日、ホテルのロビーでツアーグループの他の人たちと合流した。
ツアー客は、小学生の男の子がいる3人家族、老夫婦、そしてわたしたち家族、そしてANAの旅行会社の添乗員を含めた、計8人だった。
まずは最初の目的地、ワシントンD.C.へ。
メリーランド州のダレス空港には13〜4時間かかった記憶。

ワシントンD.C.で覚えているのは、ホワイトハウスの庭。
映画やテレビでフェンスと庭越しに映る白い建物でお馴染みのあの画角。
通常、一般人が可能なのは、あの画角と同じくフェンスの外から見るのみ。
ホワイトハウスに入って見学したいなら、別途ツアーなどで申し込みが必要だけど、わたしたちのツアーには含まれていなかった。
天気の良い日で、フェンスの周りには観光客がたくさんいた。

そしてそんな群衆を見守りつつ警備している騎馬警官隊がいた。映画などでしか知らなかった馬に乗る警官というのを初めてリアルに見て、さすがアメリカ!とテンションが上がったのを覚えている。
わたしたちのそばにいたのは白人の警官と黒人の警官の2人だった。見渡すとあちこちに二人組の騎馬隊がいた。馬の背に乗っているためこちらからは見上げるほど高いところから、わりとにこやかに観光客のカメラのお願いに応じてくれてた気がする。移動しながら響いている蹄の音が軽快で、本当にかっこいいなと思った記憶。

ちょっと話は逸れるが、アメリカは職業が世襲制だったりすることが多いため、警官になる人種もアイリッシュ系が多いと思っていた。
でも騎馬警官のなかには黒人警官もいた。当時はまだ珍しかったに違いないが、大学生のわたしにはあまりその辺りの知識はなかったので、単純に、アメリカでは優秀な人なら人種に関わらず職業選択の自由があるのだ、すごいなと感心した。
あとからそんな単純な話ではないことを知って、無知と思い込みはよくないなと反省した。アメリカの警官の歴史や初めて黒人が警官になった事例などはWEB上にもいろいろあるので興味があれば調べてみることをお勧めする。

閑話休題。

その後のワシントンD.C.での観光地は選択式だった。
老夫婦はショッピングモールを選んで、現地ガイドの人と一緒に出かけて行った。
母も妹もわたしも美術館や博物館が好きなので、スミソニアン博物館を希望した。添乗員の男性も一緒に来てくれることになった。
3人家族は、お父さんが英語が多少できる人だったので、どこか自分たちで予定しているところへ行くのかと思いきや、やはり英語には自信がないということで一緒にスミソニアンに行くことになった。(このとき、このお父さんがなかなか行き先を決めないでずっとグダグダしてたので時間が押してしまったのが記憶に残っている。そしてこの3人家族がのちのちグループのなかでとてもやっかいな存在になっていくのだった…)

スミソニアンにはたくさんの博物館があるが、わたしたちは「国立自然史博物館」にした。2時間後にピックアップしてくれるということなのでゆっくりと見て歩いた。4、5階くらいの高さがありそうなエリアの巨大な象の剥製とか、めっちゃでかい宝石とか、今となってはそのくらいしか覚えてないけど。

泊まったホテルとかディナーも残念ながら覚えていない。実家に写真はあると思うけど、どこにあるのか全然覚えていない。当時はまだネットなどなかったので、記憶しか頼るところがないのが残念でならないなぁ。

ワシントンには1泊だけで、翌日午後にはニューヨークのバッファローへ移動した。バッファローは、ナイアガラの滝で有名な観光地。そしてカナダと隣接している街でもある。
まずは、ナイアガラクルーズ。霧の乙女号という絶妙なネーミングセンスの遊覧ボートに乗って、ナイアガラの滝のすぐそばまでいける。乗船客全員もれなくポンチョを借りて着るが濡れる。ナイアガラ瀑布の名の通り、すごい風圧なので。それもまた楽しかった。
クルーズを終えて戻ってきたら、アメリカ側とは一旦サヨナラしてカナダへ入国。歩いて渡れるレイボーブリッジという橋があり、橋の真ん中にある入国審査所を通過してカナダに入ることができるのだ。
わたしは北海道出身で隣県の青森すら地続きではないところで育ってきたので、歩いて国を越えるとかすごっ!って今でも思う。
移動中もずっと壮大なナイアガラの滝を眺めていられる。本当にスケールが段違いだった。

その後のことはよく覚えていないんだけど、眺めのいいタワーの上のレストランで滝を見ながら食事した記憶。
そのあとトロントまで移動し、トロントのピアソン国際空港からカルガリー国際空港まで一気に移動した。移動時間は4時間くらいだけど、時差があるので2時間しか経っていないことになる大陸横断の不思議。

カルガリーにへ着いたらそのままバスでバンフ国立公園へ。
バンフ国立公園、めちゃくちゃ雄大できれいで素晴らしいカナディアンロッキーの大自然なのでお勧め。
途中、ヌーの群れに偶然出会った。観光バスのドライバーのおじさんが、遠くの水辺にヌーたちがいることに気づいて、ふとバスを停めて見に行かせてくれた。すっごいデカかった。ヌー、マジでかかった。
大自然を体験するには本当にお勧め。何回でも言う、お勧め。

宿泊は、バンフ国立公園内のレイクルイーズへ。
レイクルイーズで検索するとエメラルド色の湖の写真が出てくると思うがその辺りにある老舗のホテル「シャトー・レイクルイーズ」に泊まった。
めちゃくちゃいいホテルで、お部屋の調度品も良かったし、お食事も日本人好みのお味で、母もとても満足していた。サーモンを使った料理が美味しかったことははっきり覚えている。
ここには3泊したのだが、何日目かのディナーで、日本人客が多かったからだと思うが、日本のミュージシャンの曲を生バンドが演奏してくれた。サザンのいとしのエリーもかかってすごく嬉しかった。

もう一つこのホテルの思い出は、母が旅の間ずっとかぶっていた帽子を客室に忘れてしまったこと。気付いたのはレイクルイーズを後にしてカルガリーの空港へ着いてから。添乗員が問い合わせてくれたが「一応ホテルには連絡しましたが、戻ってこなかったら申し訳ありません」と言われた。まぁこういうのも旅の思い出になると母はあまり気にしていなかった。
なのに、4日後、アメリカを後に日本に帰る、というその前日の夜に、帽子が母の元に戻ってきたのだ。シャトーレイクルーズホテルがわざわざ航空便で送ってくれたと聞いて、驚くやら嬉しいやら。母はいたく感激していた。
カナダは親日だと言うけど、ここまでしてくれたら本当に感謝だし旅の思い出がいっそう楽しい嬉しい思い出になったのは間違いなかった。

レイクルイーズ滞在中の一番のイベントは、コロンビア氷河の観光だった。
北極圏以南で世界最大の氷原とされるコロンビア大氷原とそこから流れ出たアサバスカ氷河の上を雪上車に乗って観光するツアー。
氷河は山の上で当たり前だけど寒いので上着が必要と言われ、真夏の旅行だったのにホテルのショップでトレーナーを買った。
いやほんとすごかった。氷河の上、歩けるんだもん。そんな体験ないってなかなか。めっちゃ楽しかった。
温暖化で氷河は溶け続けているらしいけど、あの壮大さは後世に残って欲しいな。
また機会があったら行きたい。

カナダでの貴重な体験をした後は、またアメリカに戻って最後の観光地、ロサンゼルスだ。
カルガリー国際空港から、ロサンゼルス空港までは3時間ちょい。
とにかく移動のメインが空路。1週間弱の間に何度飛行機に乗ったことか。

ロサンゼルスでの観光の目玉はなんといってもディズニーランド。
ワクワクしかない。
そしてわたしの記憶もこのディズニーランドのことくらいしかロスの思い出がない。3泊はしたはずなのに。

ロス市街地から車で1時間くらいのアナハイムにディズニーランドがある。
ディズニーランドといえば、今は世界中に6つあるのかな。
ランドのお城はそれぞれ古の童話に出てくるお城になってて、アナハイムのお城は白雪姫のお城。
だからランドのコンセプトも白雪姫と7人の小人をモチーフにしたもの。
全体的に本当に可愛らしい作り。1回しか行ったことないけどね。

ジャングルクルーズのお兄さんがすごい楽しかったのと、園内のあちこちにかくれているミッキーのモチーフ探しが超楽しかったことと、アトラクションを回っていたらどういうわけか同じルートで回っているらしいフランス人の3人組といつも前後して並んでいて超面白かったというこの3つがくっきり記憶に残っている。
フランス人の男女3人組の、その中の男性1人だけがディズニー体験済みであとの2人にすごい説明しまくってたのが印象的だった。あのフランス人のお兄さん元気かな。たぶんもう初老だろうけど。

ここまで書いてもう一つロスのイベント思い出した。
チャイニーズシアターへ行った。
劇場そのものよりも、前庭に敷き詰められているハリウッドスターのサインと手形で有名なあそこだ。
マイケル・ジャクソンを見つけた時は妹とはしゃいだ。

そんなこんなで、めちゃめちゃ楽しい1週間のアメリカ+カナダ旅行だった。
嫌な体験とかほぼなかった。
(強いていえば3人家族の父親がガイドを差し置いて終始知ったかぶりをするが鼻についたくらい。この父親については書いても楽しくないのでこれ以上は書きません。どっかで元気にしてたら良いです)

あの旅行の楽しい記憶と印象があったおかげで、のちのちわたしはアメリカへ留学する決心をするのだ。

留学の話はまたいつか。

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