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猫の神様が降りてくる・その2

気の合う猫友達が一人います。一緒に猫ボラ活動を行っていた時期があり、当然、彼女も多頭飼育となりました。仲間となった最初の頃に、保護依頼を電話で受けて、どうするか悩んでいる私に言いました。私の自宅には、すでに30匹。普通は悩みます。
「とりあえず保護でしょう。保護してから考えましょうよ」
私の活動方針は「保護と決めたら、何があっても保護」の一つだけ。
単純な私は、この二つの融合で、迷いは完全に消え、突っ走りました。
今、猫友も60歳を過ぎました。しばらく会わない時期があって、ごく最近にキッカケを聞いたのです。なぜ、飼い主のいない猫の保護を始めたのか。世間話は、あまりしないタイプだったので、初めて聞いて驚きました。
猫には興味がなく、子供が小学生だった頃に、不思議な夢を見たそうです。
夢から始まる、ボランティアがあった。
人から聞いた夢の話です。少し、私の脚色が加わります。
夢がよりリアルに想像できるよう、彼女の風貌を伝えます。見た目も性格も竹です。かなりスレンダーで、常にジーパンとTシャツ。髪はオカッパ。靴はコンバースのバッシュ。のびのびジーンズなぞは、死んでも履かない、かなりの硬派。いい奴です。

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夢の話
ぼんやり明るい空間、道を歩いていた。横には水路がある。
ゆっくり流れる透明な水。猫の胎児と思われる生き物が
沢山、ゆらゆらと泳いでいた。生き物に声をかける
「ガンバレ〜ガンバレ〜」気持ちは、穏やかで爽やか。
(猫の胎児は見たことはないが、そう感じた)
水は透けて下が見える。そこには人間の暮らしが見えた。
コタツを囲み、楽しそうに談笑している。
しばらく行くと一人の女が立っていた。嫌いな知人だった。
女は、水路に白い洗剤を撒いていた。
「何しているの!やめなさいよ!」ムカついた。
女は、不服そうな顔となり止めた。
水路の終点には、大きな家があった。
吹き抜けの天井は高く、千と千尋の油屋のよう。
中では、お爺さんとお婆さんが宴会をしていた。
飲んで食べて、踊っている。楽しそうに。
「何処だろう。ここは」
建物を出て、来た道を戻り始めた時、ふいに肩を叩かれた。
振り向くと、白いワンピースを着た看護婦さんが立っていた。
「今度は、あなたの番よ」と言った。
「えっ?私にできるのかな?」と答える。
「大丈夫よ」と、看護婦さんは微笑んだ。
ここで目が覚めた。

入り口なのか出口なのか

この夢を見た後に、猫と出会う生活が始まったそうです。子猫、病気や怪我した猫、妊娠した猫と頻繁に出会う。当然、保護猫の数が増える。医療費、飼育費も増える。彼女はパートに出ました。お世話になっていた獣医さんで、看護士補助の仕事についたのです。血が苦手な私には、絶対できない、その仕事で、猫の病気や治療に関しての、知識を深めていったのです。  予知夢だったのかな。鮮明に記憶に残る夢。不思議です。
彼女はTNRにおいて、お腹の大きな猫は堕胎はせず、産ませて、母猫も子猫も譲渡していました。その数は、私より多い。
 
キッカケ話を、あと一つ。現在は90歳になる方のお話です。猫ボラ歴は、60年くらいでしょうか。その方は、お金持ちで有名でした。ご自宅の近くに、大きな公園があり、そこには多くの野良猫が生きていた。猫がいれば好きな人は、ご飯をあげたくなります。その方も最初は、配食だけをされていたと想像します。しかし、ある時期から公園の猫の、不妊手術とワクチン接種、子猫の保護及び譲渡活動、病気や怪我の猫には、治療を開始されたのです。猫仲間は増えていき、グループとして活動をされていました。凄い金額を、猫のために使われたと想像します。まさに地域猫活動の一番手。先駆者です。活動のキッカケは、1匹の猫との出会いだったそうです。

コツコツと聞こえる足音が近づいてきた。
「何かしら?」と振り向いた。
そこには4本の足全て、足首から下の無い猫が立っていた。
コツコツは、むき出しになった骨で歩く音。詳細は書けません。
足首の無い猫は治療され、家の中で数年ほど元気に生きたそうです。
聞いただけで、血の気が引くのが私です。怖いし可哀想過ぎる!この公園で起きた残酷な話は、他にもあります。心に鉛が入る話ばかりでした。憩いの場所である公園で、残酷なことが起きている。世間には知られていない現実があったのです。この公園に行くのが、嫌でした。
嫌だったのですが猫の神様は、私を公園に、少しずつ誘導していきました。
続きは、また書いてみます。








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